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サクリファイス の商品レビュー

4.3

733件のお客様レビュー

  1. 5つ

    312

  2. 4つ

    272

  3. 3つ

    99

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

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2023/12/09

 本屋大賞二位、大藪春彦賞受賞作。  上記の評価も宜なる哉、読み応えのあるエンターテイメント作品でした。  自転車ロードレースを題材としながらミステリ要素も内包。中盤以降は頁を捲る手が止まりませんね。  スポーツ競技としての自転車ロードレースは日本では余り人口に膾炙していま...

 本屋大賞二位、大藪春彦賞受賞作。  上記の評価も宜なる哉、読み応えのあるエンターテイメント作品でした。  自転車ロードレースを題材としながらミステリ要素も内包。中盤以降は頁を捲る手が止まりませんね。  スポーツ競技としての自転車ロードレースは日本では余り人口に膾炙していませんが、欧羅巴(特に仏蘭西)ではそれなりに人気と伝統のあるスポーツのようです。  とはいえ最近では街中でロードバイクに乗っている人を見掛けることも多く、ロードレースを題材にした漫画『弱虫ペダル』が人気を博してアニメや舞台になっています。  自分も『弱虫ペダル』のアニメを観ていたので大体は理解している心算でしたが、考えてみれば特異な競技です。  個人競技のように見えて実は団体戦でもある。表彰台に上がれるのは一人だが、その一人のエースの為に他のチームメンバーはアシストとして身を挺する。正に一将功成りて万骨枯るという犠牲を前提にする稀有なスポーツといえるでしょう。  チームの為の献身とスポーツマンシップ。その一方で確かにある個人的な勝利への渇望と栄誉。ロードレースという競技が持つ二面性とその相剋をヒューマンドラマに昇華しています。まさに小説の神髄は人情なり、ですね。

Posted byブクログ

2023/11/18

10年ぶりくらいの再読。 内容はうろ覚えだけど、とにかく衝撃的な面白さだったという興奮の記憶は残っている。 そして、またしてもやられました。 『勝利は、ひとりだけのものじゃないんだ』 「スポーツ」 × 「ミステリー」の世界。 自転車ロードレースの知識がなくても、全く問題なし。...

10年ぶりくらいの再読。 内容はうろ覚えだけど、とにかく衝撃的な面白さだったという興奮の記憶は残っている。 そして、またしてもやられました。 『勝利は、ひとりだけのものじゃないんだ』 「スポーツ」 × 「ミステリー」の世界。 自転車ロードレースの知識がなくても、全く問題なし。 スポーツ小説のような展開から、一気にミステリーっぽい雰囲気へと変わる。 気持ちいいくらいに何度も裏切られる衝撃と疾走感が気持ちいい。 有名な世界大会というと「ツール・ド・フランス」。日本ではまだ知名度の低いロードレースという競技。実は個人戦ではなく、チームプレーだそうです。 それを知って俄然おもしろさが増してくる。 チームのエースである石尾選手は何を考え、どういう選手なのかーー。 すべてを理解して涙が込み上げました。 臨場感のあるレース、過去の事故に対する疑惑、ハラハラ感。目まぐるしい展開に目が離せません!! ラストの一行にまで心を奪われ、更なる展開の予感に気分が高揚した。 スポーツミステリーだけにとどまらず、人間ドラマも楽しめる作品。 一読の価値ある作品だと思います。 続くシリーズ作品 2. エデン 3. サヴァイブ 4. キアズマ 5. スティグマータ

Posted byブクログ

2023/11/12

高校時代に陸上を辞め、ロードレースチームの一員となった白石誓。 優勝することへの意欲を見出せない中、ジャパンカップのメンバーに選ばれる。チームの過去の事件、元彼女との再会を経て走る意味を見出せるのか。 意外な切ない結末が印象的な作品だった。

Posted byブクログ

2023/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自転車ロードレースをテーマにした小説。 ミステリー作品というよりかは、スポーツや人間ドラマに軸を置いた作品だと感じる。個人の勝利が焦点となりやすいスポーツ小説においてチームとしての勝利を目指そうというスポーツはそう多くは無いと思う。自分の中のエゴとチームに対する貢献という中で葛藤している姿がとてもリアルだった。 前半の息の詰まるような試合描写や心理描写で圧倒され、後半の仲間の死という場面にとても驚かされました。誰が彼を死に追いやったのかというミステリー面の強い後半の怒濤の展開が面白かった。「サクリファイス」という言葉の意味。その意味を知ったときの衝撃たるや。まさにそれだった。そんな彼らのドラマを是非読んでみてほしい。 この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。 白石誓:梶裕貴 伊庭和実:中村悠一 石尾豪:神谷浩史 赤城:安元洋貴 篠崎:福島潤 斎木:三木眞一郎 初野香乃:潘めぐみ マルケス・イグナシオ:村瀬歩 袴田一平:小野大輔

Posted byブクログ

2024/02/04

サイクルロードレースの世界を描いたスポーツミステリ。とにかく読みやすい。遅読の私がわずか半日で読了。 欧州では人気スポーツだが、日本ではマイナー競技のロードレース。私も本書を読むまで全く無知であったが、専門用語や競技ルールも物語を通してすんなり入ってきた。ロードレースは団体競技で...

サイクルロードレースの世界を描いたスポーツミステリ。とにかく読みやすい。遅読の私がわずか半日で読了。 欧州では人気スポーツだが、日本ではマイナー競技のロードレース。私も本書を読むまで全く無知であったが、専門用語や競技ルールも物語を通してすんなり入ってきた。ロードレースは団体競技であり、“エース”を勝たせるためにチームメンバーは自分を犠牲にしてアシストに徹する。その特異なルールであるが故に生じる他チームとの駆け引き及びチーム内の心理戦が面白い。クライマックスへの持っていき方もスピード感がある。純情で思いやりのある主人公白石誓のキャラクターは、好感が持てて応援したくなる。シリーズ続編にも期待。 週刊文春ミステリーベスト10 5位 このミステリーがすごい! 7位 本屋大賞 2位 ミステリが読みたい! 5位 大藪春彦賞受賞(2008年) 《サクリファイス》シリーズ 1.サクリファイス 2.エデン 3.サヴァイヴ 4.キアズマ 5.スティグマータ

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2023/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 自転車の選手に必要なのは、心肺機能と足の筋肉の持久力と瞬発力、そして、駆け引きと戦略。エースかアシストか、スプリンターかクライマーか、ワンデーレースかグラン・ツールか。近藤史恵「サクリファイス」、2007.8刊行、2010.2文庫。本作品の圧巻はラスト、真の選手と偽の選手の対比が圧巻です。偽の選手によって真の選手が命を落とす(自らの意思でレースを中断させるために)ストーリー、私には後味の悪い話ではありました。

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2023/10/30

前知識なく読み始めたので、途中まで「よく知らないスポーツの世界の話」を読んでいるつもりでいた。それにしては随分と暗いトーンだよなぁと、勝手な期待とのギャップを感じていたので、最後にミステリーだと分かって、そこは腑に落ちた。ただ、ミステリーとしては、少なくとも自分の好みとは合わなか...

前知識なく読み始めたので、途中まで「よく知らないスポーツの世界の話」を読んでいるつもりでいた。それにしては随分と暗いトーンだよなぁと、勝手な期待とのギャップを感じていたので、最後にミステリーだと分かって、そこは腑に落ちた。ただ、ミステリーとしては、少なくとも自分の好みとは合わなかった。

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2023/10/11

スポーツ小説は初めてだったけれど、サスペンスがうまく効いてて飽きることなく読めた。 ロードレースの知識皆無でも楽しめる作品だった!

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2023/10/02

面白い!スポーツの小説ってやっぱりいいなと思いました。テレビで見るスポーツも面白いのですが、本の場合だと選手の内面が映し出されるので、選手の一人称視点で場を感じることができます。 物語はテンポがよく、章ごとに新鮮味があって、中だるみなく楽しく読むことができました。

Posted byブクログ

2023/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本屋大賞ノミネート作ということで読んでみた。 最後まで飽きずにあっという間に読み終えてしまった。 自転車競技については全くの素人だったけど、まるでレースを見ているかのような、とても臨場感のある内容だった。 袴田が社会的制裁を受けずに香乃とゴールインしたことは腹立つけど、結局チカにも石尾さんにも何一つ勝てていなくて、その点ではスッキリした読了感だった。

Posted byブクログ