蒼空時雨 の商品レビュー
零央はアパートの前で倒れていた紗矢を助け、帰る場所がないと言う彼女を居候させることに。一ヵ月後、彼女は零央に自分の事情を明かすが、彼にも秘密があり…という話。 途中、零央の高校時代の先輩である双子の姉妹のそれぞれの恋愛を描いた短編も挟んで、通して一つのストーリーになっている。 ス...
零央はアパートの前で倒れていた紗矢を助け、帰る場所がないと言う彼女を居候させることに。一ヵ月後、彼女は零央に自分の事情を明かすが、彼にも秘密があり…という話。 途中、零央の高校時代の先輩である双子の姉妹のそれぞれの恋愛を描いた短編も挟んで、通して一つのストーリーになっている。 ストーリーの仕掛けや、登場人物たちの個性や悩みは、ところどころ「それはない」と思いながらも興味深く読めて面白かった。 ラストはほっとできたけど、2人の心理描写がもう少し細やかならばもっとよかったのになあ、と思う。
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偶然の「雨宿り」から始まる、切ないラヴ・ストーリー。ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く...
偶然の「雨宿り」から始まる、切ないラヴ・ストーリー。ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があって…。巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞受賞作。 《ブックデータベース より》 《2010年2月5日 読了》
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大好きなイラストレーターさんが表紙を書いていたので、読んでみました。 個々の話ですが、最終的には繋がっているのし、とてもテンポよく読めました。 次の作品も期待したいと思います。
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この本は、とてもストレートな恋愛もので私にはここまですると思うようなところもありましたが、共感できるところもあったので。とても面白いです。
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100131読了。 20代半ばの男女の青春群像もの。 おもしろかったです。 ひとつひとつのお話も、ストーリー全体もきれいにまとまっています。 さわやかでいい話。
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7人の男女のそれぞれの恋愛模様が交差した物語。それぞれ抱えているものは深刻なんだけれど、不思議とドロドロというわけではない。なんか何処か爽やかでなので新鮮な感じがした。夏音好き。
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電撃小説大賞の中の受賞作。メディアワークス文庫 の第二弾でデビュー。 基本的にはド直球の恋愛小説。自分のような人間には ややまっすぐ過ぎて少々ツラい部分もあったス。 所々の台詞や内容には共感もあるんですが、やはり 丸呑みするほど人間が綺麗じゃないんですよね、自分は...。 でも、...
電撃小説大賞の中の受賞作。メディアワークス文庫 の第二弾でデビュー。 基本的にはド直球の恋愛小説。自分のような人間には ややまっすぐ過ぎて少々ツラい部分もあったス。 所々の台詞や内容には共感もあるんですが、やはり 丸呑みするほど人間が綺麗じゃないんですよね、自分は...。 でも、この結末で良かったと思えるくらいの心情は 持ち合わせていたようです。この展開上、一番の ハッピーエンドですものね。 登場人物が繋がって行く様はちょっとやり過ぎな感も あってエピソード自体が宙ぶらりんになっている印象の 残る双子姉妹の姉の方のストーリーが結構グっと来ます。 個人的にはこの話がメインでも良かったかも。
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“「……雨、止まないですね」 「そうだな……。雨は嫌いじゃないんだけど……。ちょっと、いくらなんでもこの土砂降りじゃ、傘いるよな」 私は思わず笑ってしまった。 「雨が好きだなんて、変わっていますね」 「……雨を見ていると落ち着くんだ。あと、真っ直ぐに延びた線路とかさ。見ているだけ...
“「……雨、止まないですね」 「そうだな……。雨は嫌いじゃないんだけど……。ちょっと、いくらなんでもこの土砂降りじゃ、傘いるよな」 私は思わず笑ってしまった。 「雨が好きだなんて、変わっていますね」 「……雨を見ていると落ち着くんだ。あと、真っ直ぐに延びた線路とかさ。見ているだけで、なんだか無性に落ち着く」 「線路?電車じゃなくてですか?」 「うん、線路。冬に雪が積もっててさ、そこを電車が走り抜けた後に残る、迷いがないみたいな真っ直ぐな線を、高架の上から眺めるのが好きなんだ。俺、死ぬ時は、線路の上で死にたい。馬鹿みたいって思うかもしれないけど」 少しだけはにかんだように笑って傘を取ると、舞原零央は帰っていった。 変わった人だなと、そう思った。雨が好きだなんて言う人に、私は人生で初めて出会った。線路の上で死にたいなんて言う人にも。 もう少し、雨の話を彼に聞いてみたかったのだけれど。 次の日には梅雨が明け、私はその機会を逸してしまった。 ワカマツさんの絵に惹かれて。 伏線は沢山と。あれ?と引っかかる部分が後に解き明かされていく感覚が楽しい。 視点を変えることによって、以外なところで繋がっている登場人物たちというのも面白い。 ただ少し、内容が薄かったというか、もう少し、紗矢と朱利のやりとりとか多くてもいいんじゃないかなと思った。 登場人物たちの奇妙な関係にはほんと、驚かされたとしかいいようがない。 読み終わったあと、ほっとするような。 あっさりはしていないけどすうっと馴染んでいく、後味が良い、雨の似合う本。 “「私が買った切符は、零央君と一緒ですよ。これからどうしようか、乗ってから考えようと思っていました。だから買ったのは最寄りの駅までの切符です。私には行くあてなんてないですから」 零央は少しだけ考えて、それから一度空を仰いだ。 大きく息を吸い込んで、私を見つめる。 「さっき、好きな人が出来たって言っていたよな」 「はい。言いました」 「それって、結論が出たってことだよな?」 朱利さんと零央君と。 私が迷っていたのは事実だ。 だけど、そう。だけど……。”
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