凍裂 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
後味がいいかといえば決してそうではない。 しかしながら心模様を表現している箇所で、共感したり、 感心したりしたところが随所にあった。 自己愛性人格障害。育て方、環境にも依る。 興味深い。恐ろしい。
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何の問題も無さそうな家族だったのに、妻が夫を刺すという事件が起きた。事件の動機は一体何だったのか?知人や友人、そして家族の会話から、その真意に迫るストーリー。 ええと。うーんと。1つの事をラストまで引っ張り続けるにはちょっと内容が単純かな、と。でも、読み易いです。
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誰に聞いても評判のよい妻が夫を刺した。しかも商売道具の包丁で。 妻を知る人はみな首をかしげる。 …なぜ、あの人が? 妻の動機を探る中で、いろんな家族が出てくる。 夫婦が思いやりをもって接し、子どもも自然にそれを学ぶ家庭。 自分がまだ大人になりきれず、子どもを育てる資格もない母親...
誰に聞いても評判のよい妻が夫を刺した。しかも商売道具の包丁で。 妻を知る人はみな首をかしげる。 …なぜ、あの人が? 妻の動機を探る中で、いろんな家族が出てくる。 夫婦が思いやりをもって接し、子どもも自然にそれを学ぶ家庭。 自分がまだ大人になりきれず、子どもを育てる資格もない母親。 そんな母親を見て育ち苦悩する息子。 外から見ていただけではわからない、家庭の姿。 とても身につまされながら読んだ。 何度も泣いた。 不幸な連鎖はどこかで断ち切らなくてはならない。 一方で一人の努力が周囲の人間を助け、幸せの輪を広げていくこともできる。 睦子がいろんな人に語りかけていた言葉があまりにも温かく、それだけにそんな人が起こした行動との落差にため息が出る。 なんともやりきれない。
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一見何の問題もない幸せな家庭。なのにそこで起こった殺人未遂事件。被害者は誰からも好かれる性格で、傍目には幸せな主婦。まったくといっていいほど見えない動機を探り出すミステリ。 さまざまな関係者によって徐々に語られるバックグラウンド。終盤に向けて、じわじわと嫌な雰囲気が増してきます。...
一見何の問題もない幸せな家庭。なのにそこで起こった殺人未遂事件。被害者は誰からも好かれる性格で、傍目には幸せな主婦。まったくといっていいほど見えない動機を探り出すミステリ。 さまざまな関係者によって徐々に語られるバックグラウンド。終盤に向けて、じわじわと嫌な雰囲気が増してきます。そして彼女が犯行に至ったそのきっかけ。そりゃ……刺すわ、って思いましたよ。かなり酷い。 この事件、はたしてどっちが加害者でどっちが被害者だったのか。やりきれない気分になりました。
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料理研究家として活躍していた水原睦子が突然、義父の通夜の席で自分の夫・勝一を文化包丁で刺し、殺人未遂の現行犯で逮捕された。仕事も順調であり、周囲の評判もよかった彼女が、なぜ自らそんな環境をぶち壊すような犯行に出たのか。 彼女が一体どんな悩みをかかえていて、どんな動機で事件を...
料理研究家として活躍していた水原睦子が突然、義父の通夜の席で自分の夫・勝一を文化包丁で刺し、殺人未遂の現行犯で逮捕された。仕事も順調であり、周囲の評判もよかった彼女が、なぜ自らそんな環境をぶち壊すような犯行に出たのか。 彼女が一体どんな悩みをかかえていて、どんな動機で事件を起こしたのか。水原勝一の同僚や娘、睦子の親友や兄弟など、いろんな人物が事件後に彼女の生い立ちや現在の生活を語る中で、徐々に見え始める真実。一見幸せそうに見える人間が、本当にそうかは決してわからないといういい例を描いたものだとは思うが、最後まで引っ張るわりには真相が予想通りのものだけなので、ミステリとして読むと少し残念に思える。表面に見えるものだけが暴力ではなく、こういう暴力(はっきり言ってしまえばモラル・ハラスメント)もあるんだという問題提起作としてはいい作品だと思うので、最初からそのつもりでいた方がいいかな。睦子が離婚を申し立てているのに対し、結局命をとりとめたにせよ刺された側の夫が離婚を望まず応じないというのが、このモラ・ハラの一番不可解で恐ろしい部分を表していると思う。 モラ・ハラ加害者は世間的な体裁を気にします。 人から暴力夫などと思われることはプライドが許しません。 とっさに手が出ることもあるでしょう。 その場合でも、傷が残らない程度に加減する狡猾さがあるんです。 自己愛性人格障害の傾向を持つ加害者は、 周囲によく見られたいと思っている。そのため外面がいい場合が多い。 対外的には善人と映るので、 被害者本人でさえ虐待を受けているとは思っていないのだ。 モラ・ハラ被害の病理の深さの一因がここにある。
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帯に惹かれて読んでみたものの そこまでセンセーショナルな内容ではなく ややパンチが足りない ただ、人を思いやる気持ちが丁寧に描写されていて 時折ウルっとくる瞬間がある。
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「モラル・ハラスメント」「自己愛性人格障害」此の二つが此の小説のテーマ。う〜ん、考えさせられた。自分にも多少にかかわらず、そういう傾向があると、再認識、自覚したからだ。まぁ、やっぱ不味い事なのだろうな。でも、モラルを破る奴は許せないし、許さない。自分可愛さや自分勝手なだけでなく。...
「モラル・ハラスメント」「自己愛性人格障害」此の二つが此の小説のテーマ。う〜ん、考えさせられた。自分にも多少にかかわらず、そういう傾向があると、再認識、自覚したからだ。まぁ、やっぱ不味い事なのだろうな。でも、モラルを破る奴は許せないし、許さない。自分可愛さや自分勝手なだけでなく。そりゃあ僕だって、清廉潔白な人間ではない、叩きゃ、埃の一つや二つは間違いなく出るだろう。でも、過ちを反省し、繰り返さない様に努力はする(相方にはよく指摘される)様にはしている、つもり。日曜日の朝、通勤時間にカーラジオで聴いている、コミュニティラジオの番組で紹介されていた。日頃の僕なら、まず手を出さないであろう、家族ドラマのジャンル。書店で手に取り、パラパラと頁を捲ると、そこそこに面白そうじゃん。返す手で図書館で頼んだ。ちょっと、違うかも知れないが、現代の家族ドラマの大家、重松清に繋がるんじゃないか。尤も最近の、薄暗い内容の作品だけど。
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喜多由布子「凍裂」 誰にでも優しく素敵なお料理の先生が、夫を包丁で刺し怪我をさせるところから話が始まります。 一人の人間に対して、見る角度が違うとこれほど違って見えるのか。人間の浅はかさや優しさを、色々な人の目を通して語られます。人は色々な事情を抱え、それでも周りに気付か...
喜多由布子「凍裂」 誰にでも優しく素敵なお料理の先生が、夫を包丁で刺し怪我をさせるところから話が始まります。 一人の人間に対して、見る角度が違うとこれほど違って見えるのか。人間の浅はかさや優しさを、色々な人の目を通して語られます。人は色々な事情を抱え、それでも周りに気付かせないよう明るく生きている。それぞれがそれぞれに抱える問題を、自身も問題を抱えた先生がすべてを優しく包み込んでいた。この包容力が、この本の最大のテーマだと私は思いました。 特に話が佳境に入り、愚かで残酷などこにでもいる母親像に苦しめられる娘達に、自分を重ね合わせ、登場人物と同じように胸のつかえを取ることができました。 この世の中完璧な人なんていないけれど、私を含め悪気のない一言に苦しめられる人々にこの本を送りたい気持ちです。
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言葉は凶器にもなります。 モラハラ・・・ あんがい、身近にあったりするんだよね・・・。 **:: K、前回おなじプログラムを受けていた友人が 亡くなったそう・・・。 オチるな!! KKKKK!
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