抱擁 の商品レビュー
違和感を感じた。どこでとか、なにがっていうのは具体的には説明出来ないのだけど、読んでいる途中にぞくってした。あ、強いて言うのであれば、語りの女。彼女に一種の狂気みたいのを感じた。語りの女が語れば語るほど違和感も増し、するするとページをめくる指も早くなった。「抱擁」ってありきたりの...
違和感を感じた。どこでとか、なにがっていうのは具体的には説明出来ないのだけど、読んでいる途中にぞくってした。あ、強いて言うのであれば、語りの女。彼女に一種の狂気みたいのを感じた。語りの女が語れば語るほど違和感も増し、するするとページをめくる指も早くなった。「抱擁」ってありきたりの題名が手抜きだ、と思っていたのだけど、読後そっけないようで熱いその二文字の言葉にぬたっとくる。
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手探りで進むような、心許ない気分。どちらに転がるのか、どこに辿り着くのか、どきどきしながら読みました。
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2010.07.前田侯爵家の緑子の小間使いとして働くこととなった主人公のわたし.緑子には以前、ゆきのという小間使いがいたが夫が二・二六事件の首謀者の一人で後を追って亡くなったという.緑子はどうやらこの世界ではないゆきのと通じているようだ.ミセス・バーネットに相談したところ、ポゼス...
2010.07.前田侯爵家の緑子の小間使いとして働くこととなった主人公のわたし.緑子には以前、ゆきのという小間使いがいたが夫が二・二六事件の首謀者の一人で後を追って亡くなったという.緑子はどうやらこの世界ではないゆきのと通じているようだ.ミセス・バーネットに相談したところ、ポゼス(possess)されていうるのは、わたしだと言われる.ある日、わたしは緑子に向かってプチナイフを振りかざす.ところが、何かの力が加わりナイフを落とす.最後、前田家に挨拶に行った際、緑子は私に抱きつき、「さよなら、ゆきの」と言った.面白いような、よく分からないような.
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2.26関連と聞いて読んでみたけど、そんな関係なかった(笑) 面白いんやけど、主人公が普通の子やったはずやのに急にぶっとびだしたり、書いてくれないことが多かったりして、いまひとつ腑に落ちないというかすっきりしない感じ。
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金原瑞人さんがこの本をおすすめ!と書いてあって、興味を持って読んでみました。 一貫して一人の女性のモノローグで語られるこのお話、最後まであきることなく読み終わりました。 が......。 最後のところがわたしには理解できず、モヤモヤとしたものが。。 結局これってどういうことなの?...
金原瑞人さんがこの本をおすすめ!と書いてあって、興味を持って読んでみました。 一貫して一人の女性のモノローグで語られるこのお話、最後まであきることなく読み終わりました。 が......。 最後のところがわたしには理解できず、モヤモヤとしたものが。。 結局これってどういうことなの??
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この人の作品は期待したのといつもちょっとずれる、でも印象的な場面が残る。相性あんまりよくないのかもしれない。 もっと長くねちっこかったらどっぷり浸れたかもしれない。 でも読み返したらお嬢様と私の幻想の共有ってものがもっと不気味に見えてくる気もする。
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華族のお屋敷に小間使いとして働きにでた「わたし」。「わたし」が面倒をみる少女・緑子の不思議な行動。彼女の前の小間使い・ゆきのの悲劇。二・二六事件。 船橋図書館 2010年3月24日読了
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内容(「BOOK」データベースより) 二・二六事件から間もない、昭和12年の東京。前田侯爵邸の小間使として働くことになった18歳の「わたし」は、5歳の令嬢・緑子の異変に気づく―。歴史の放つ熱と虚構の作り出す謎が濃密に融け合う、至高の物語。
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これは。。。ヘンリー・ジェイムズの名作「ねじの回転」の別バージョン。設定はよく似ている。昭和十一年。二・二六事件の直後、東京市の郊外に建つ、さる華族の大邸宅に、幼いお嬢様の小間使いとして上がることになった主人公が体験する、不思議なお話。まだ若い主人公の役目は、乳母でもメイドでも家...
これは。。。ヘンリー・ジェイムズの名作「ねじの回転」の別バージョン。設定はよく似ている。昭和十一年。二・二六事件の直後、東京市の郊外に建つ、さる華族の大邸宅に、幼いお嬢様の小間使いとして上がることになった主人公が体験する、不思議なお話。まだ若い主人公の役目は、乳母でもメイドでも家庭教師でもなく“小間使い”。屋敷の中でも外出先でも、常にお嬢様のおそばにいて遊び相手になる役目。そんな風にお嬢様と暮らしていると、お嬢様が時々見せるふとした仕草に気づく。それは、誰もいない空間に向かって、さも誰かを目で追っているような仕草。そして驚愕のエンディングが訪れる…。ジェイムズの描いたゴシックホラーの雰囲気を、上手く日本の歴史の中に折り込んでいて、その陰鬱で重厚なイメージは上手く描かれている。主人公が語る不思議な体験の謎は、最後の最後に背筋の寒さと引換に解かれるが、辻原氏が何故今ごろこんな小説を書いたのか、その謎は未だに解けずに残っている。祖父ちゃんの名を鼻にかけている少年や、長いこと休学しているにもかかわらず未だに除籍にならない不思議な高校生探偵にも、この謎は解けないだろうな〜。「ねじの回転」を再読しよう!
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