ドレの神曲 の商品レビュー
有名だが、ページ数が多くて中々読む気が起きないあの神曲の挿絵入りのダイジェスト版である。 ドレの目を奪われるような刺画が添えられていることもあり、神曲の概要がスムーズに理解できた。 本家の神曲に挑戦してみようと思わせてくれる隠れた名著である。
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挿絵と本文のどっちがメインかわからなくて、正直言ってしまうと読みづらい本だったけれど、ダンテの神曲もドレの作品も素晴らしい。 久しぶりにダンテの神曲を読み返そうと思い手に取った本だったけれど、読み返すのはまた別の本にするわ。
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・気がつけば人生は半ば 見わたせば暗き森深く 道らしき道のひとつすら無く ・何が大事かを 知る ことだ。理屈を超えて 見る ことだ。何故と思う事は良いが、その時下手に理屈を探さぬことだ。人が理詰めで行ける道には限りがある。全てをあるがままに、景色のように見るがいい。全ては不...
・気がつけば人生は半ば 見わたせば暗き森深く 道らしき道のひとつすら無く ・何が大事かを 知る ことだ。理屈を超えて 見る ことだ。何故と思う事は良いが、その時下手に理屈を探さぬことだ。人が理詰めで行ける道には限りがある。全てをあるがままに、景色のように見るがいい。全ては不思議、全ては自然。映る心を知ることだ。 ・光は力 智は光
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授業用:文章は読みたいけど視覚イメージが欲しい人向き。できたら、ちゃんと読んでほしいけれど、ドレの挿絵がみごとなので、気になる人はどうぞ
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古典を読むにはこのくらいのライトさが有難いです。かなり意訳された本文もさることながら、ドレの素晴らしい版画の数々が視覚的に理解を助けてくれます。 本作は700年ちかく前にダンテによって書かれたものですが、それ以前は地獄や天国という概念のみが存在するだけで、ダンテが本作で表現したよ...
古典を読むにはこのくらいのライトさが有難いです。かなり意訳された本文もさることながら、ドレの素晴らしい版画の数々が視覚的に理解を助けてくれます。 本作は700年ちかく前にダンテによって書かれたものですが、それ以前は地獄や天国という概念のみが存在するだけで、ダンテが本作で表現したような具体的なイメージは存在しなかったのだとか。その解釈の余地の広大さが近代以前の人々を魅了した宗教たる所以であるのかなぁとぼんやり思いました。そしてそれから500年後、ドレがダンテの作品を版画によって視覚化するのです。 漫画「鬼灯の冷徹」は私のとても好きな作品ですが、そちらに描かれている日本の地獄とダンテの描いたキリスト教の地獄はかなり趣が違うようです。煉獄はおそらく日本にはないし、キリスト教の地獄はかなり大雑把にまとめられているような気がします(笑) 日本の地獄は272もあり、罪の種類もかなり細かくカテゴライズされていて、もはや今はそんな罪ないんじゃ、、、みたいな現代に対応しきれないような地獄もあります。かなりシステマチック。 キリスト教の地獄は、(本書は意訳版なので省略されているのかもしれませんが)罪の分類が少なく、責め苦も日本の地獄に比べたらちょろそう、、(笑) ただこれもダンテが初めて具象化したってことなら納得です。 私が本作で一番好きだったのは、この部分。 「蜂はどんなに遠くへ行き、花の中にもぐりこみ向きを違えて出てきても、誰にも教えられることなく、おそらく考えることすらせずに、一直線に巣へと向かう。渡り鳥が故郷を目指す、流れを超えて川を上る魚は決して誤ることがない。おそらく人間にとって愛とは、そうした初原の力なのだ。」 そうであれば、良いなぁ。
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要約されたものをさらに10分で速読した訳だが・・・ ジコモの元はジャーコモなんだな。煉獄はさほど煉獄って感じはしなくて、やはり冒頭の地獄編がいちばんしんどい。確かこの文献を元にして、実際の地獄やその建物?のサイズを再現しようとしている人たちがいるというニュースを見た気がする。ビバ...
要約されたものをさらに10分で速読した訳だが・・・ ジコモの元はジャーコモなんだな。煉獄はさほど煉獄って感じはしなくて、やはり冒頭の地獄編がいちばんしんどい。確かこの文献を元にして、実際の地獄やその建物?のサイズを再現しようとしている人たちがいるというニュースを見た気がする。ビバイタリア
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政争に敗れ、国を追われた男がいた。足の行く先、そして心の行く先も判然とせず、迷える彼の前に姿を現したのは、とうに亡くなったはずの偉大なる詩人であった。詩人に導かれ、男は地獄の底へと下り、そして煉獄を通り、天国を目指していく――。 古典文学の傑作の一つであるダンテの『神曲』と...
政争に敗れ、国を追われた男がいた。足の行く先、そして心の行く先も判然とせず、迷える彼の前に姿を現したのは、とうに亡くなったはずの偉大なる詩人であった。詩人に導かれ、男は地獄の底へと下り、そして煉獄を通り、天国を目指していく――。 古典文学の傑作の一つであるダンテの『神曲』と、それを効果的に図像化したドレの画を用いた大人向けの絵本。ダン・ブラウンの『インフェルノ』から『神曲』に興味を持ち、原作より読みやすいと思われるこちらを読んでみた。 ただの地獄極楽見物記かと思いきや、自らの苦い過去を地獄を通して振り返り、煉獄を通ることで7つの罪を清め、身も心も軽くして天国へと向かう。その過程は正しく「魂の彷徨」で、基督教色は強いがそれ一色ではないので日本人でも受け入れやすく、重厚で、文学である。 地獄も天国も己の内に有り。卑小でも存在する自身の信念を見失った時、読み返したくなる書籍の一冊。
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彼の描いた地獄・煉獄・天国が、後の芸術家たちに与えた影響はとても大きいらしい。こんなに具体的に書ききったのは、ダンテが初めてなんやって! その500年後、ドレが挿絵を描ききったー!全部版画。星って全部でいくつあるのかわからないけど、その星の数より多いんじゃないか、というくらいの...
彼の描いた地獄・煉獄・天国が、後の芸術家たちに与えた影響はとても大きいらしい。こんなに具体的に書ききったのは、ダンテが初めてなんやって! その500年後、ドレが挿絵を描ききったー!全部版画。星って全部でいくつあるのかわからないけど、その星の数より多いんじゃないか、というくらいの無数の線が、凹凸明暗を織りなして、ダンテの世界観を形にした。版画だから、多くの人の目に触れられたのがとってもすごいよね。 亡者も悪魔も怖いし、ベアトリーチェは眩しすぎる(絵が)。あの世を旅するダンテは、ちょこちょこ人間っぽい愚かなところを出して、ヴェルギリウス(あのめっちゃ有名な詩人の。世界史で出てくるやつね)に怒られている。キリスト教の世界観なんだけど、ギリシャ神話の神様も出てきて華やか。亡者が語るエピソードには、その時代の実話も含まれているらしい。現代と古典と神と人間が紡ぎあげた神曲。まさにルネサンスや! 愛と希望と信じる心で、ただ見たままを感じること。そうは言われても、やっぱり余計なこと考えちゃうよなー。
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ダンテの「神曲」。歴史の教科書にルネッサンスの頃の有名な作品として一行くらいで紹介されている記憶しかない、あの古典作品。意訳が読みやすく、ギュスターヴ ドレの挿し絵が一ページごとに入っており、まるで絵本のようだ。この本を読んで初めて知ったのは、天国と地獄と、もうひとつ煉獄(れんご...
ダンテの「神曲」。歴史の教科書にルネッサンスの頃の有名な作品として一行くらいで紹介されている記憶しかない、あの古典作品。意訳が読みやすく、ギュスターヴ ドレの挿し絵が一ページごとに入っており、まるで絵本のようだ。この本を読んで初めて知ったのは、天国と地獄と、もうひとつ煉獄(れんごく)があるということ。ここにいる人たちは天国を目指して煩悩的なものを取り除く修行をするのだけど、ダンテの時代でもギリシャ時代の詩人がいたり、徳の高そうなローマ法王がいたり、天国までは相当長い道のりらしい。そうかと思えば、現世に残された人が故人を思って祈り続けてくれると修行が劇的に短縮されることもあるらしい。ダンブラウンの「インフェルノ(地獄)」は実は煉獄とも多いに関係があることが分かった。インフェルノを読むまでは、ダンテの「神曲」を手に取ろうとも思わなかったけど、良いきっかけになった。
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大学時代、学校の図書館で【完全版】を借りて読みました。大きなサイズで見るドレの緻密な版画はとにかく衝撃的で、以来私の中で『神曲』といったらドレ抜きでは想像できない程に。 1冊6000円の本なんて、貧乏学生の身にはとても手の出せない高嶺の花。 でも絶対大人になったら手に入れてみせ...
大学時代、学校の図書館で【完全版】を借りて読みました。大きなサイズで見るドレの緻密な版画はとにかく衝撃的で、以来私の中で『神曲』といったらドレ抜きでは想像できない程に。 1冊6000円の本なんて、貧乏学生の身にはとても手の出せない高嶺の花。 でも絶対大人になったら手に入れてみせる!って決意してから早15年。 店頭でこの【普及版】を発見した時は、1ミリの逡巡もなくレジに向かっておりました。恐らく過去最速の衝動買いだったと思います。 自分の本棚にドレの『神曲』がある……というだけで幸福な気持ちになり、何となく並べっぱなしになっていましたが、昨日読了。 とにかく、絵も訳文も脚注も全てが素晴らしい。 孫の代まで大切にします。(でもやっぱり【完全版】も欲しい……。)
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