二つの同時代史 の商品レビュー
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2015.04―読了 大部の書だが、近頃、こんなに愉しく読めた書はない。 とりわけ、前半部を占める 大岡・埴谷のそれぞれの成長史や青春時代を縦横に語り尽くした、Ⅰ意識の目ざめ~Ⅴ戦前から戦中、はその対称性とともにとても面白い。 大岡の小林秀雄や中原中也との文芸的青春時代、 埴谷の哲学.政治思想を巡っての知的・政治的遍歴の数々‥、 老いてなおとどまるところを知らぬ大岡の知的探求、 まさに『死霊』そのままの如きというべき埴谷の饒舌的ボレロ。 それぞれに圧倒的なまでの困難な時代を生き、 「一身にして二生」を経て対談に向き合う二人が、畏るべき記憶力によって、 明治.大正から昭和を駆け抜ける饒舌な丁々発止の掛合いは、 知的刺激満載で圧巻。
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140510 中央図書館 戦後の文学界でのボス二人が、人生の総決算のごとく、生い立ち、文学者としての目覚め・活動履歴、仲間の文学者エピソードを、笑い飛ばしながら、我先に口先で紡いでいく。その量がものすごい。 大岡には、なぜかしらないけれどPinkFloydを連想させられる。基本に...
140510 中央図書館 戦後の文学界でのボス二人が、人生の総決算のごとく、生い立ち、文学者としての目覚め・活動履歴、仲間の文学者エピソードを、笑い飛ばしながら、我先に口先で紡いでいく。その量がものすごい。 大岡には、なぜかしらないけれどPinkFloydを連想させられる。基本に忠実な文芸であくまで端正で、功成り名遂げるというところが似るのか。
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