北の日曜日 の商品レビュー
北の大地かおるコラムに大器の片りん《赤松正雄の読書録ブログ》 北海道と沖縄―東京に各県がアンテナショップをだしても、ことごとく赤字で悩んでいても、この両県だけは黒字。それほど人気が高い。この地に一定期間勤務できたらどんなに嬉しいか。新聞記者の世界でも同様に違いない。飯田政之『...
北の大地かおるコラムに大器の片りん《赤松正雄の読書録ブログ》 北海道と沖縄―東京に各県がアンテナショップをだしても、ことごとく赤字で悩んでいても、この両県だけは黒字。それほど人気が高い。この地に一定期間勤務できたらどんなに嬉しいか。新聞記者の世界でも同様に違いない。飯田政之『北の日曜日』は、読売新聞北海道支社前編集部長(現文化部長)として札幌に二年間勤務した折りに書いたコラムを集めたもの。全編に北の大地の香を漂わせつつ、幅広い知的蓄積を感じさせて惹き付ける。 実は、初当選直後に公明党担当記者としての彼と付き合った。柔和な物腰はおよそ伝統的な政治記者のイメージとはほど遠い。彼のコラムを読んでいて、突然に橋本五郎・読売特別編集委員を思い起こした。橋本さんは読売本紙上に「五郎ワールド」なる連載をしている。なかなか読み応えのある中身で、欠かさずに目を通す。連載10年分を抜粋して年初に『範は歴史にあり』といったタイトルの書にまとめられた。 この橋本さんを尊敬し、仰いでいたのが飯田記者だった。ある時、「赤松さんは橋本さんと気が合うよ」というので、一緒に懇談したことがある。橋本氏とは、ほぼ同世代、大学同窓ということもあって、たちまちに打ち解けた。以前に私が毎日新聞紙上に寄稿(「イラク特措法案と自衛隊派遣」03年6月30日付)した際に、「政治家の良心がみなぎった文章で感激した」といった趣旨の言葉を電話で頂いた。『公明』5月号では井上義久幹事長と対談し、政権交代で「全能の幻想」が生まれたと指摘したうえで、「陳情の一元化」を民主主義の危機だと糾弾していた。 この橋本さんとはちょうど一周り下になる飯田さん。目標にしているはずの先輩に、追いつく日も遠くないと思われる。
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