砂漠の塩 の商品レビュー
死に場所を求め中東を彷徨う男女の物語。 本来結ばれるべき二人が素直になれず、別の相手と結婚したことが悲劇の始まり。その相手に少しでも“非”があれば、普通に(?)不倫に走れたかもしれないが、泰子の夫保雄は驚くほどの善人。その善良さが、泰子の心を追い詰めていき、結果的に死への逃避行...
死に場所を求め中東を彷徨う男女の物語。 本来結ばれるべき二人が素直になれず、別の相手と結婚したことが悲劇の始まり。その相手に少しでも“非”があれば、普通に(?)不倫に走れたかもしれないが、泰子の夫保雄は驚くほどの善人。その善良さが、泰子の心を追い詰めていき、結果的に死への逃避行へと向かわせる… 泰子は身勝手だけど、善人過ぎる夫の存在が、自分を責めているように感じられるところは、ちょっと共感出来ます。やっぱり旦那は愚痴を言われる位がちょうどよいかも(笑)
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1965年から約1年間、『婦人公論』に連載された作品らしい。配偶者のある幼馴染の男女の不倫、そして海外、エジブト・シリア・サウジアラビアにまたがる大砂漠での心中。妻を探しにを追った夫は、現地での道中、タクシーとトラックとの事故で死亡し、心中で生き残ってしまう妻、といったちょっと安...
1965年から約1年間、『婦人公論』に連載された作品らしい。配偶者のある幼馴染の男女の不倫、そして海外、エジブト・シリア・サウジアラビアにまたがる大砂漠での心中。妻を探しにを追った夫は、現地での道中、タクシーとトラックとの事故で死亡し、心中で生き残ってしまう妻、といったちょっと安易なストーリー。連載当時、海外旅行がまだ庶民にとって夢の時代、さらに舞台となるアラブの世界は日本人にとって未知なる地という時代的な背景や要因はあれど、当時の評価が気になる。
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情死の話。 本当にはた迷惑な情死だ。 誰にも死体を見られず死にたい、という願望は、自分たちのことしか考えていない。捜索する人々や家族のことも全く考えていない。 芥川龍之介が何度も心中に失敗して最後に成功する、などは知っているが、やっぱり今の時流にあわないと言うか、心中というものがいまいち理解できない。 今は不倫も離婚も当たり前だから。 サスペンスとして描いてあって、心中に至る泰子の心の機微などがもう少し共感できれば楽しめたかな。 後半の真吉が生死をさまようあたりから、ぐっと読ませる筆力は感じた。そこまでがすこしたるい。 いずれにしても、とっとと離婚して再婚すればすむ話。 禁断の愛という二人の世界に酔っているとしか思えない。
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不倫の男女がカイロで落ち合う。妻を追う夫。女から消えない贖罪の意識。イスラム教の神の存在とダブる。終章への流れが感動的。中東の描写も著者が行ったと思われるほど緻密でリアル。清張の作品のなかでも一押し。13.3.17
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今まで読んだことのある清張の中では異色のストーリーだった。ミステリー要素は少なく、太宰とかが書きそうな、不倫+情死の話。そして、それを追いかける夫。中東のロードムービー的なところも多く、清張にありがちな知識のひけらかし(=無駄が多い)が垣間見れたので、若干めんどくさかったけど、真吉が死んじゃうんじゃないか、保雄が見つけちゃうんじゃないか、とハラハラした。あと、カイロとかアンマンとか、砂漠とか、大好きな中東が舞台になっているだけに、知ってるわかる、と共感できた。 ラストシーンは、ちょっと悲しかったな。そういうオチ⁈っていう残念感。
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読み始めは退屈でした しかし、そのあとがさすが清張作品 中盤からは、引き込まれるように読みました 最後は悲しすぎるかな
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不倫の末、誰にも見つからないところで死のうとエジプトへ向かった男女の行く末を描いた作品。 淡々とした文章の中に律義さや葛藤が垣間見えたのが印象的。 愛というものは、わたしたちの身を焦がし、時に凍えさせもするのだろう、まるで砂漠のように。
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不倫心中の物語。 主人公泰子は一命を取りとめたのだが、恋人、夫、環境、今まで築いてきたすべてを失ってしまう。 (築いてきたものを棄てて心中を図ったのだから、当たり前ですが) 正気すらも失った彼女が今後どのように生きていくかは 読者の想像に委ねられていますが、 自分がその立場だっ...
不倫心中の物語。 主人公泰子は一命を取りとめたのだが、恋人、夫、環境、今まで築いてきたすべてを失ってしまう。 (築いてきたものを棄てて心中を図ったのだから、当たり前ですが) 正気すらも失った彼女が今後どのように生きていくかは 読者の想像に委ねられていますが、 自分がその立場だったら…耐えられそうにない。 でも、スタートでもある。
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