幕末の動乱 の商品レビュー
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2024.9.21 読了 本書は河出書房の<現代人の日本史>シリーズの1パートとして作者が担当したもので、吉宗時代から幕末までを評論している。幕末動乱の遠因は"享保の改革"から始まったとしている点がユニーク。田沼意次の再評価、一橋家の2代目治済(はるさだ)の暗躍、鳥居耀蔵の妖怪ぶり、薩摩の調所広郷と並び立つ加賀藩の銭屋五兵衛の密貿易の凄まじさと末路の哀れさなどなど目から鱗の数々。
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清張まだ若かりしころ(といっても50代だが)の作であるためか、文章が非常に軽快でよい。もってまわった文章を書く司馬遼太郎に代表される英雄史観と対極的な「民衆史観」によって立つ清張は、本書で歴史の流れの必然性をわかりやすく語りかける。しかも個別の人物についても俗説取り混ぜて紹介し、無味乾燥に陥らない。ひたすら英雄の偉業を崇め奉る癖のついた頭のブレインストーミングに好適。
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本書では、八代将軍吉宗から十二代将軍家慶までを扱っている。 享保の改革から天保の改革までを弱者からの視点から俯瞰して いる。 著者は歴史の流れというのは、1人や2人の力で止めることは できないという。そして幕府崩壊がどこからみても必至だという、 ところに焦点を絞って書い...
本書では、八代将軍吉宗から十二代将軍家慶までを扱っている。 享保の改革から天保の改革までを弱者からの視点から俯瞰して いる。 著者は歴史の流れというのは、1人や2人の力で止めることは できないという。そして幕府崩壊がどこからみても必至だという、 ところに焦点を絞って書いている。 また、鎖国下での海外との交流など知らなかった事が多く面白い。 解説では、研究の進展によって誤りとなっている記述もあるそう であるが、その内容はいまだに色あせていない。
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目のつけどころが清張。 幕末と言えば黒船前後だと思うが、清張によるとその萌芽は 吉宗の時代に出てくるという。 田沼意次を高く評価している点も興味深い。
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