闇の底 の商品レビュー

薬丸岳【著】

2017/07/08

期待してた薬丸岳の新刊。が…残念！なんつーか読了後、心がぐにゃぐにゃする！むにゃむにゃ！
子どもへの性犯罪が起きるたび、かつて同様の罪を犯した前歴者が殺される。サンソンと名乗る犯人は、これは世直しだとして警察やマスコミに声明文を送る。そしてサンソンを追う刑事・長瀬もまた、性犯罪で妹を失った遺族だった、ってのがざっくりストーリー。
途中「犯人わかちゃったー」と思わせる仕組みにしておいて、その実、意外性はバッチリで、やられた感もあるけど、なんだか納得いかない感じ。
しかもラストは長瀬がサンソンに依頼され、サンソンを殺害。サンソンは永遠に捕まらない…。
だけどこれで児童への性犯罪がなくなるとは思えないよ。再犯率が高い性犯罪を起こした人間には、去勢手術を行うべきだと思う。それが一番安全。

2017/04/28

薬丸さん4作目！

ミステリとしては
めちゃくちゃ騙されて
めちゃくちゃ面白かった！
ミスリードがほんとに上手い！
まさか！って騙されてばかりで
楽しめました。
でも内容は楽しむこととは
程遠く。。
幼女を狙った殺害、誘拐。
これらの罪を犯した犯人を惨殺する
殺人鬼サンソンの存在。

日本でもミーガン法を適用される
べきだと思う、、
サンソンはみんなの中にいる。
サンソンを出現させないためにも
犯罪を減らすために
なんとかしなくてはいけないよね。

2017.4.26 読了

2017/04/16

今日の夕方も、９歳の女児の死体を全裸で遺棄したのが、女児の通う小学校の保護者会会長、というニュースの続報をテレビで見ました。
殺された女の子の家族も、逮捕された容疑者の家族も、これからは辛い日々だろうと想像します。

この作品も、そんな辛い日々を送る物語です。
劇場型犯罪を扱った警察小説という要素が強く、『天使のナイフ』『虚夢』『悪党』のように、悲しすぎて読み進めるのが辛い、ということはありませんでしたが、それでも辛い内容です。
ラスト・シーンは、憎しみの連鎖が続いていくような辛い未来を予想させる結末でしたが、フリーペーパーでの薬丸岳氏の自著解説を読むと、３通りのラスト・シーンがあったそうです。
きっとどれも辛い結末だったのでしょうね。

2016/12/23

被害者と加害者の苦悩。
サンソンの正体。
何が正義で何が悪か。

子供の性犯罪が起こる度に起こる、同様の前歴者が殺される事件。
なんだかやりきれない結末だった。

2023/11/27

重いテーマですが、気分が沈むことなく読めるのは、筆力があるからでしょうか。ミステリー要素と社会問題がうまく絡み合っています。登場人物に感情移入できませんでしたが、読書ペース変わらずに読むことができました。

2016/08/28

２つの事件の同時進行。
幼い頃、妹を事件で亡くした被害者家族の少年が刑事になり、同じような事件を担当する。幼いころの自分と同じ立場に感情移入しながら事件解決に尽力するころ、一方で幼女殺害の加害者達がサンソンと名乗る何者かによって殺される事件が相次いで、そちらの事件に配置換えされた元被害者家族の刑事は自分を苦しめた加害者を守る立場に置かれる。
葛藤の中、下した決断。
読了後眠れなくなります。
.
こういうのをミスリードっていうんだね。分かってはいたんだ、きっと違うんだ、こー見せかけてきっと違うんだって。その安心も束の間、からの衝撃。
ちょっと読んだの後悔したもんw
待って！頑張って！って思いながら読んだの初めてかも。
薬丸岳さんすごい。

2016/07/19

犯罪被害者の家族でありながら警察官を志した時点で、最後の選択は説得力に欠ける。
またラストは不穏な空気で終わった方が良かったような気がする。
ミステリーとしても途中から結末は予測できたが、テーマを考えさせらるという点で★3つ。

2016/02/12

幼女が性犯罪の犠牲になる度に、過去幼女に性犯罪を起こした犯人を殺す「サンソン」。
決して捕まらない「サンソン」を追う警察。
過去に妹を性犯罪で殺され、警察官になった長瀬。

「天使のナイフ」がよかったので読んだ薬丸作品第二弾。
どうも動機的に納得がいかなくて、結末がイマイチでした。

2015/08/22

理不尽な社会訴えそっちに逃げてる感。
犯人わかれば良しではない。
無力感残ったまま。

って・・・
自分で答えを見つけるのがしんどいからそんな事言ってしまうのかな。とも思う。

2015/05/18

どうしようもなくやるせない、完全な解決策を見いだせない、そんな社会の問題を題材にする薬丸岳
今回は幼女への性犯罪です
再犯率が非常に高いとされるこの犯罪
法によって裁かれた彼らが罪を償い社会へと戻ってくる
彼らは会心したのか・・・・・・

幼女への性犯罪が起こるごとにかつて同じような事件を起こした幼児性愛者が殺される
処刑人は『サンソン』と名乗った
『サンソン』の行方を追う若き刑事・長瀬
彼もまた妹を幼児性愛者によって殺された被害者家族であった
『サンソン』とは何者なのか
長瀬は『サンソン』を追いつめることができるのか
それとも・・・・・・・・・・・・・・
正義とは悪とは・・・ってお話

もちろん重いテーマの物語で加害者や被害者家族の心情と事件を問題定義しながら進んでいくんだけど、『サンソン』は誰ぞや???ってとこも見どころ
しっかり読んでいけば予想は付きます
が、ここは薬丸氏の思惑に乗ってしまいましょう
二転三転する犯人像

コイツか、アイツか、やっぱりコイツか!!!!!!!!!!!!

さすが、薬丸岳!!!

秀作です!!!!