書くこと、ロラン・バルトについて(1) の商品レビュー
スーザン・ソンタグによる、文学・映画・絵画評論集。 特に文学評論では、マシャード・デ・アシス、ダニーロ・キシュ、フアン・ルルホ、ボルヘスなど、今まで寡聞にして知らなかった作家の作品のことを知ることができた。
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早いもので、スーザン・ソンタグが逝ってしまってから、この12月28日で5年が経とうとしています。 『反解釈』(1971年竹内書店、1996年ちくま学芸文庫)は、まさに衝撃的な書物でした。 目からうろことはこのことで、その後1974年に出た『ラディカルな意志のスタイル』(晶文社...
早いもので、スーザン・ソンタグが逝ってしまってから、この12月28日で5年が経とうとしています。 『反解釈』(1971年竹内書店、1996年ちくま学芸文庫)は、まさに衝撃的な書物でした。 目からうろことはこのことで、その後1974年に出た『ラディカルな意志のスタイル』(晶文社)の書名が表すように、テーマや内容よりも形式=スタイルの方がはるかに重要であると、彼女は喝破したのでした。 いや、そんなに堅苦しくはなく、いとも軽やかに宣言したのでした。普通ならわかっていることですが、誰も面と向かって言わなかったことを、こうしてズバと言ってくれたスーザン・ソンタグという人を、一目置くのは当然のことで、その後どんなに難解な本も読んできましたし、たとえコソボ空爆や米同時多発テロに対するアフガンに向けての武力行使を支持した彼女の思想性を真っ向から非難したりはしませんでした。大問題で理解しにくいことではありましたが。 本書は、ボルヘスへの手紙をはじめ、フォスビンダーの『ベルリン・アレクサンダー広場』について、文楽覚え書、そしてロラン・バルト追悼などなど、長短合わせて18編のエッセイを収めたもので、また新たなインスピレーションを受けること間違いない、彼女の鋭くきらめく感性と論理で、私たちを挑発してやまない本です。
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