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犬の力(下) の商品レビュー

4.1

87件のお客様レビュー

  1. 5つ

    40

  2. 4つ

    15

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2012/09/23

上巻とは異なり一気に読み込めます。 ラストは圧巻の文圧!止め時を見失う事必須です。 やっぱり海外の傑作は話の作りこみが違いますね。 かなりハマリました。 ブックオフで見かけたら是非購入してみてください。

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2012/08/07

すごい。ドン・ウィンズロウはもちろんだけど東江さんが訳してくださらなかったら違う作品になったろうな。

Posted byブクログ

2012/07/04

映像化すると面白いだろうなと思える場面がいくつもあり、刺激を受けた。 最後まで飽きさせずに読ませてくれるが、驚くような展開はとくになく、ちゃっちゃかと上巻の5倍くらいの早さで読み終えることができた。

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2012/07/01

 ドン・ウィンズロウ!  なんて、久しぶりなんだ。  ニール・ケアリー・シリーズがなんだか呆気なく幕切れとなってしまった(らしい)シリーズ最終作『砂漠で溺れるわけにはいかない』以来の日本お眼見えだったか。それが1996年の作品。本作は2005年の作品。ウィンズロウの上にその間...

 ドン・ウィンズロウ!  なんて、久しぶりなんだ。  ニール・ケアリー・シリーズがなんだか呆気なく幕切れとなってしまった(らしい)シリーズ最終作『砂漠で溺れるわけにはいかない』以来の日本お眼見えだったか。それが1996年の作品。本作は2005年の作品。ウィンズロウの上にその間9年の時間が経過していたのか。なんと!  だからというのじゃないだろうけれど、ニール・ケアリーのシリーズとはまた違った空気。違いすぎるくらいに。作者名を伏せたらすぐに回答が出ないくらいに。その代わり全部読み終えたら、何となくわかりそうな気もするけれど。独特のテンポ。音楽的な語り口は、柔らかな青春スパイの日々を描くにしても、血も涙もない皆殺し現場を描くにしてもあまりにリズミカルで淡々と淀みがない。  しかしそれだけではない。何かが違う。透明感はそのままだ。しかし透明感は、ぴんと張り詰めた鉄線のように危険な匂いがする。ひりつくような熱気が血のような鉄分のにおいを運んでくるのかもしれない。とにかく決定的な部分でウィンズロウの物語世界はよりハードでタフな方向に色合いを変えた。  それも本作の場合、大河小説でもある。作者の最長編記録であることは言うまでもない。三人の同郷の男の人生を幼少の頃からそのいずれかの死に至るまで(正確には殺し合うことになる)の腐れ縁を延々と描いたビルディングス・ロマンだ。その間、殺し合いや追跡や逃走や化かし合いや、恋人の獲り合いや、裏切りやらが山ほど積み重なり、それらばかりが淡々と、ただただ砂漠の獣たちの獰猛な闘いみたいに、ばかみたいに繰り返されるのだ。本当にばかみたいに。  アート・ケラーはDEA捜査官、パレーラ兄弟はヤクの元締め。片方には正義、片方には無法の自由と金があり、お互いに凌ぎを削ってサバイバルを繰り返している。他には何の人生も残されていないみたいに。他には幸せの選択肢なんてどこにもないみたいに。  それにしても死闘で築き上げられた一台国境絵巻。こんなタフ・ワールドを書く作家ではなかったよな、というのがウィンズロウに対する今までの勝手な解釈だった。ところがどっこい、奇なんか少しもてらわずに、まったくストレートに物語を語り続けることのできる人だったのだ。けれんみも何もなく、本当に特徴なありゃあしない。ただただ銃をぶっ放して、鮮血と砂が交じり合う乾いた大地の物語。そして美女の悲鳴とコヨーテの遠吠えが交じり合う。  サム・ペキンパの世界だ、まるで。  だけど決して嫌いじゃないぜ、この世界。

Posted byブクログ

2012/06/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

全てが実話。 麻薬を巡る壮絶な謀略と殺戮。 とてつもないスケールの30年の長きに渡る復讐劇。 その展開が圧巻で、私は何度も息をのむ。 米国政府、CIA、麻薬カルテル、マフィア、バチカンの、それぞれの思惑。 次々と暴かれる裏切り。そして、裏切りの裏切り。 信じていた味方は敵だった。 用意周到綿密に練られた作戦のシナリオが、いつしか出たとこ勝負にぶち当たる。 主人公達はもはや全員が一匹狼状態。 麻薬捜査官、殺し屋、マフィア、娼婦、 4人の主人公全員に感情移入をしてしまう程、 誰もが熱く、それぞれの道に命掛けだ。 そして容赦なく展開する想像を絶する地獄絵図におぞけを震う。 麻薬戦争の、マフィアの、男の、世界に引き込まれて、 完全に戻れなくなっている。・・・ちなみに私は女ですが。 一気読み。 といいたいところだけれど、1000ページ以上の長編の ラスト10ページが、どうにも勿体なくて、1ページずつ戻りながら読んだ。 ラスト数ページを数えても、一体誰が生き残るのやら、ハラハラドキドキ。 読後、衝撃を何日も引きずるなんてことは、 多感な時期に読んだ『風と共に去りぬ』以来かもしれませぬ。 興奮冷めやらず、日を追うごとに改めてドン・ウィンズロウの凄さに感嘆。 これは、間違いなく、過去最高のヒットです。 これを読まずして、あなたは死ねるか。。。。 男の世界にどっぷり浸りたい人、お薦めです。 === 『犬の力』とは、旧約聖書の詩篇22章20節『わたしの魂を剣から、わたしの愛を犬の力から、解き放ってください。』から来ている。  22章は、苦難と敵意にさいなまれる民がその窮地からの解放を神に願うくだりだ。 『剣』も『犬の力』も民を苦しめ、いたぶる悪の象徴という意味合いで使われている。 (訳者あとがきより抜粋)

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2012/05/10

上巻ラストの神がかった怒濤の展開をどう収束させるのか、ワクワクしながら読んだ。期待以上の読みごたえに大満足。悪の思惑が複雑に絡み合う駆け引きの描写も間延びするどころか緊張感を増していく。風呂敷を盛大に広げながらも最後まで人間ドラマに徹したところも良い。

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2012/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たくさんの登場人物と組織を整理しながら読むのが面倒臭かった 結局30年たってもコカはなくならず、どこかで誰かが儲けている。 最後に、アート・ケラーは法に守られて生きているが、それは「余生」にすぎない

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2012/04/15

先の読める展開とステレオタイプの登場人物で、ハリウッド映画のような大雑把な味わい。 それでも娯楽小説として結構読ませる。

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2012/03/20

凄い物語だった。ドン・ウィンズロウの作品はデビュー作しか読んだことなかったが、もっと読後感はスカッと軽いもので、こんなにハードコアではなかったはず。時にコーマック・マッカーシーを思わせるほど、文体にも無情さが漂う。 物語は、メキシコの麻薬戦争を舞台にした数十年。終わりのない、血...

凄い物語だった。ドン・ウィンズロウの作品はデビュー作しか読んだことなかったが、もっと読後感はスカッと軽いもので、こんなにハードコアではなかったはず。時にコーマック・マッカーシーを思わせるほど、文体にも無情さが漂う。 物語は、メキシコの麻薬戦争を舞台にした数十年。終わりのない、血で血を洗う争う戦争。正義はどこにあるのか、見失いつつあるなかで、悪と立ち向かう怒りに似た犬の力が暴走する。 麻薬捜査官と、高級娼婦、殺し屋、カルテルのドンが絶妙に絡み合いながら物語は進む。 面白すぎて、止まらなかった。

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2012/03/11

物語はDEAのアート・ケラー、麻薬カルテルのバレーラ兄弟との戦いをメインに据え、殺し屋のカラン、売春婦のノーラ、バラーダ枢機卿のエピソードを絡めながら濃厚に展開する。とにかく面白い。特に戦闘の描写は非常に映画的。キャラクターの設定も秀逸で、登場人物への愛着もわいてくる。 東江一紀...

物語はDEAのアート・ケラー、麻薬カルテルのバレーラ兄弟との戦いをメインに据え、殺し屋のカラン、売春婦のノーラ、バラーダ枢機卿のエピソードを絡めながら濃厚に展開する。とにかく面白い。特に戦闘の描写は非常に映画的。キャラクターの設定も秀逸で、登場人物への愛着もわいてくる。 東江一紀の翻訳も素晴らしい。登場人物の性格、生立ちの把握が完全に出来ていないと、これだけの翻訳はできないと思う。 お勧め、必読の犯罪の大河小説。

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