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コミュニティを問いなおす の商品レビュー

3.8

55件のお客様レビュー

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2014/12/14

京都府の南に「私のしごと館」という、それは立派な建物がある。職業体験のできる場所で、小学校や中学校の体験学習にも利用されているようだ。ところが、それがどうも採算が合わないらしい。その建物をどうするかでずいぶんもめているようだ。維持するだけでも相当なお金がかかる。壊してさら地にする...

京都府の南に「私のしごと館」という、それは立派な建物がある。職業体験のできる場所で、小学校や中学校の体験学習にも利用されているようだ。ところが、それがどうも採算が合わないらしい。その建物をどうするかでずいぶんもめているようだ。維持するだけでも相当なお金がかかる。壊してさら地にするのにもまた大きなお金が必要となるのだろう。私も何度か訪れたことがあるが、なんでまたこんな大きな箱物を作ってしまったのだろうかと思う。本書の前半には具体的にそういうモノをどう使ったらいいかのヒントが書かれている。地域の住民がうまく活用できるサロンやホールとなればよいのだが。さて、2ヶ月以上かけて読んでいるので(途中他の本に気移りしながら)前半の内容はほとんど忘れているのだけれど、後半の原理的な話だけでも十分に読み応えがあった。独我論から2500年ほど前に同時多発的(ギリシャ、インド、中国、イスラエル)に起こった普遍的な価値原理へ。そして、いま必要とされている新たな思想――それは有限性と多様性を重要な要素として持つ――の確立。図書館のリサイクル位置でもらっていた手付かずの伊東俊太郎「比較文明論」も読んでみなければいけない。いままた読み始めている梅棹忠夫の文明論、それからいま気になって仕方ないレヴィ=ストロースの思想などとも比較しながら読んでみたい。

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2014/10/24

取り扱われているテーマが広範で、私には少し難解。 情報系の本ではなかった様だ。 アンジェラアキの「手紙」に何かを感じるという共通点は、著者と私が同年代だからなのかも。

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2014/01/08
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歴史より地理を、時間よりも空間を—(pp275)  過去より未来は確実に良くて、産業化されていない地域=遅れた地域という直線的な思考でなく、地理に対応した地域の特徴を捉えること。  社会福祉に、都市政策の視点を導入し、どのような効果があるのかを多面的に検証する内容。その切り口として、「コミュニティ」が取り上げられている。 http://picsec.blog.shinobi.jp/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E3%83%BB%E9%83%BD%E5%B8%82/%E3%80%90%E6%9C%AC%E3%80%91%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%92%E5%95%8F%E3%81%84%E7%9B%B4%E3%81%99%E3%80%80%E5%BA%83%E4%BA%95%E8%89%AF%E5%85%B8%E8%91%97%EF%BC%882009%EF%BC%89

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2013/12/05
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※このレビューにはネタバレを含みます

 戦後の日本社会とは、「農村から都市への人口大移動の歴史」であった。都市に移った日本人は都市的な関係性を築いていくかわりに「(核)家族」という、閉鎖性の強いコミュニティをつくった。これは家族の利益を追究することが、個人のパイの取り分の増大にもつながるという意味で一定の好循環を作っていた。しかし、経済が成熟化し、そうした好循環の前提が崩れるとともに、家族のあり方が流動化・多様化する。それはかえって個人の孤立を招き、「生きづらい」社会や関係性を生み出した。  このように社会的紐帯がゆるんでいくことは、人々が個人個人でしたいことをして生きるという理想を実現し始める反面、イエやムラなど前近代に起源がありながら、経済成長を支えるなどした社会的準拠枠の喪失を意味する。  そのような状況下、新たなコミュニティ作りが模索される。そこにはどのような解決策が存在するのか?  大学の講義と卒論にて使用。

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2013/11/06

25 かつてジェーン・ジェイコブズが、コミュニティは定住者と一時的な居住者とを融合させることで社会的に安定する、そして長期間その場所にとどまる人々が継続性を提供する一方で、新参者はクリエイティブな融合を生み出す多様性と相互作用を提供する 37 「集団が内側に向かって閉じる」

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2013/11/06

現在の社会は経済が成熟し、経済成長の好循環が崩れるとともに、会社や家族のあり方が大きく流動化、多様化しています。そこでは、個人の孤立を招き「生きづらい」社会や関係性を生み出す背景となっています。保健医療福祉のあり方は根本的な改革が求められています。是非ご一覧下さい。 九州看護福...

現在の社会は経済が成熟し、経済成長の好循環が崩れるとともに、会社や家族のあり方が大きく流動化、多様化しています。そこでは、個人の孤立を招き「生きづらい」社会や関係性を生み出す背景となっています。保健医療福祉のあり方は根本的な改革が求められています。是非ご一覧下さい。 九州看護福祉大学 学長 二塚 信

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2013/07/01

先生に勧められた本でしたが、なかなかに抽象的だったのであまり自分の中で消化しきれませんでした。 *印象に残ったところ P110「ある地域に不足しているものが、ほかの地域では過剰に存在したりする」 理由は「これまで日本をユニットとして考えてきたこと」「時間軸に沿って問題が改善・進歩...

先生に勧められた本でしたが、なかなかに抽象的だったのであまり自分の中で消化しきれませんでした。 *印象に残ったところ P110「ある地域に不足しているものが、ほかの地域では過剰に存在したりする」 理由は「これまで日本をユニットとして考えてきたこと」「時間軸に沿って問題が改善・進歩していくとの発想が強かったこと」 空間的な解決、つまり場所を変えることで物事が改善するということがありうる。 *めも[都市計画] 地域の計画の大枠を規定した非拘束的地域計画=Fプラン 建物の細部を規制する拘束的地区計画=Bプラン これらの二層制の土地利用計画

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2013/06/20

社会保障、福祉、住宅、都市といった縦割りの各政策を繋ぎ、課税・財源の在り方まで論じています。内務省の発想?

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2013/06/02

人のつながりの形と、地域社会の課題をつなげて考えている一冊で、複雑化している問題の各論について考えるのと同時に全体感としての方向性をどっちに向けていくべきなのかという部分を考える助けになる本だなと思いました。 道に迷って迷って「あ、こことつながってたんだ」って思う瞬間と同じような...

人のつながりの形と、地域社会の課題をつなげて考えている一冊で、複雑化している問題の各論について考えるのと同時に全体感としての方向性をどっちに向けていくべきなのかという部分を考える助けになる本だなと思いました。 道に迷って迷って「あ、こことつながってたんだ」って思う瞬間と同じような、この問題とこの問題はこうつなげるとうまくいくのでは、っていう瞬間が読んでいて何度かあって、自分でも実践できそうなことは取り組んでってみようと思っています。^^

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2013/05/06

タイトルそのままで、コミュニティーとは何か?必要なのか?どうして今重要なのか?を語る一冊。 キーワードの1つである”定常化社会”すなわち成熟した経済社会の本質的な人間の価値の見直しと、そこにこそ本質的な価値創造性がある。本来、いずれの社会であっても、本質的な人間としての社会的価...

タイトルそのままで、コミュニティーとは何か?必要なのか?どうして今重要なのか?を語る一冊。 キーワードの1つである”定常化社会”すなわち成熟した経済社会の本質的な人間の価値の見直しと、そこにこそ本質的な価値創造性がある。本来、いずれの社会であっても、本質的な人間としての社会的価値創造が在るべきであるが、定常化社会であるからこそ、そこに気づかねばならなくなったという逆説的な現在なのかもしれない。 歴史的な社会構造の変化は、パイの分配への競争に向かい、そしてそこからの脱出という繰り返しがある。簡単に言えば、モノの消費から時間・空間の体感、言い換えると、欲望の見せびらかしから幸せという内的な感覚へと向かうということである。 社会現象的に言えば、都市化と過疎化の分離から引き戻しという現象が起きるともいえよう。 ところで、コミュニティーとは、外部に開いた性質のモノ。つまり、外部と接するときの1つの文化を持った固まり。 そして、外部とのつながりの交わりに文化の混乱が起こり、そこに創造性が生まれる。ということは、おっきく言うと、都市と田舎という2つの大きな塊となっている今の日本で、その2つの交わりを起こすところに創造性が起こるというともいえる。 しかし、ここでもう1つ大切なことは、都市と田舎という間にある傾斜的な意識である。創造性は、補完的な関係、つまり、相互に尊重し合うフラットな関係の間で起こるのであって、いずれかがいずれかを支配するような意識(簡単に言えば、都会が田舎を営利的に活用するといった感覚)では、永続的で本質的な創造は起きないと思うのである。 人は一人では生きていけないという。というが、果たして本質的にそれを実感しているかというと、その感覚は希薄なように感じる。というのは、当たり前に自身の周りの生活が豊かであるから。そして、当たり前に親がいて、20才とは言わないまでも、ほとんどの私たちは、生まれてからしばらくは生きることを全力に外部から守られる当然があるから。無くなって初めて知るということである。 今この定常化社会の最先端である日本に自身が身を置くことを貴重なタイミングとして、この先の社会がまた新たなモノの消費から時間・空間の体感を繰り返すスタート地点とするのではなく、その共生となる社会構造を創造することを始めたいと思うのである。 すなわち、ここで生きたい。そして、子供の子供にもここで生きてほしいと誇れて生きていけると安心できるところ、社会にするということである。

Posted byブクログ