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悪党 の商品レビュー

3.8

86件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2012/05/08

前に読んでいたのにもう一回読もうとした。でも冒頭で気がついたから印象深い作品だったんだな。 面白かったイメージがあるし。

Posted byブクログ

2012/03/05

 元刑事の佐伯は今、同じく元刑事の木暮所長が経営する「ホープ探偵事務所」で働いている。そこは他の探偵事務所と同様、浮気調査や失踪者の捜索などの仕事も請け負うが、ある依頼をきっかけに、犯罪前歴者の追跡調査に力を入れることになった。しかし佐伯は正直気がすすまなかった。なぜなら彼自身、...

 元刑事の佐伯は今、同じく元刑事の木暮所長が経営する「ホープ探偵事務所」で働いている。そこは他の探偵事務所と同様、浮気調査や失踪者の捜索などの仕事も請け負うが、ある依頼をきっかけに、犯罪前歴者の追跡調査に力を入れることになった。しかし佐伯は正直気がすすまなかった。なぜなら彼自身、姉がレイプされた挙句に殺されたという過去をもっていたからだ。  最初は連作短編のような形で、様々な事件の被害者側の人間が事務所に姿を現し、犯罪前歴者の追跡を依頼してくる。調査を報告した結果、ナイフで復讐を果たす者、言葉で復讐を果たす者、一緒に生活して責任を果たそうとする者・・・人によって行動は様々。そしてこれらの依頼の合間に、佐伯は自分の姉に暴行を働いた者たちを調査する。何をもって更生したと判断し、何をもって遺族や被害者達は加害者を赦せるのか。加害者達がどういう生き方をしていれば満足なのか?と問いかけられる部分が多数あるのだが、結局はどんな生き方をしていようとも赦せるものではないのだろう。テーマとしては考えさせられたが、物語としてはいまいちかなぁ。登場人物のほとんどが被害者遺族って・・・。木暮所長の食えない感じもあんまり好きじゃなかったなぁ。

Posted byブクログ

2012/02/12

犯罪被害者の家族を持つ探偵が主人公、8つの連作短篇。犯罪被害者の関係者の依頼で加害者のその後を追う…加害者は何をもって更正といえるのか、被害者は何をもって赦す事ができるのか。短篇でもちゃんと人間ドラマが描かれていて面白かった。

Posted byブクログ

2011/09/05

どんな「悪党」の話しかと思ったら犯罪被害者の遺族の話しでチョット暗くなった。 なぜか日本の法律は被害者より加害者の人権を守ることが好きなようだ。 もし自分のカミさんや子供が被害者になれば「目には目」と言う気持ちになるだろう。 たとえ相手が刑を終え反省していると言っても許すことは絶...

どんな「悪党」の話しかと思ったら犯罪被害者の遺族の話しでチョット暗くなった。 なぜか日本の法律は被害者より加害者の人権を守ることが好きなようだ。 もし自分のカミさんや子供が被害者になれば「目には目」と言う気持ちになるだろう。 たとえ相手が刑を終え反省していると言っても許すことは絶対にないだろう。 とても考えさせられる本だ。

Posted byブクログ

2011/08/01

短編集の要素も含まれているので読みやすかった。 途中気になってしょうがなくなるんだけど、やっぱり落ちに近づくにしたがって尻すぼみになっていくように感じるのが残念。 15歳の誕生日に姉が殺された。犯人は未成年者のためすぐに出所。 大人になった主人公は探偵になり、仕事と平行して犯人...

短編集の要素も含まれているので読みやすかった。 途中気になってしょうがなくなるんだけど、やっぱり落ちに近づくにしたがって尻すぼみになっていくように感じるのが残念。 15歳の誕生日に姉が殺された。犯人は未成年者のためすぐに出所。 大人になった主人公は探偵になり、仕事と平行して犯人の現状を突き止める。 罪を犯した者がどのような生活を送っていれば被害者家族は罪を受け入れ許す事ができるのか? 被害者家族はもとより、犯人の弁護人や出所した犯人の心理を描く作品。

Posted byブクログ

2011/07/26

薬丸さんの作品はこれで三作目。 主人公を含む多くの登場人物が毎回暗い過去を抱え、複雑に絡み合う。 最初に読んだ天使のナイフこそなんとなく許せたが、 三作も続くと、流石にまたかと嫌気が差してくる。 正直ご都合主義と感じざるをえず、 せっかく社会問題をテーマにしているのに全てがウソっ...

薬丸さんの作品はこれで三作目。 主人公を含む多くの登場人物が毎回暗い過去を抱え、複雑に絡み合う。 最初に読んだ天使のナイフこそなんとなく許せたが、 三作も続くと、流石にまたかと嫌気が差してくる。 正直ご都合主義と感じざるをえず、 せっかく社会問題をテーマにしているのに全てがウソっぽく感じてしまう。

Posted byブクログ

2012/09/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【悪党】 薬丸岳さん 木暮の経営するホープ探偵事務所で調査員をやっている佐伯修一 彼の姉ゆかりは修一が15歳の誕生日の日に近所に強姦し殺された。 犯人はすぐに捕まった。近所に住む札付きの不良少年たちだった。 彼は大学卒業後警察官になるが、彼の中には性的な犯罪者に対する 憎しみの炎が燃えさかっていた。 彼がかかわったある暴行事件で、彼は憎しみのあまり 警察官としての範疇を超えた行動を取り、逮捕され 警察官も懲戒免職された。 そんな彼をスカウトしたのが ホープ探偵事務所の木暮だった。 木暮も修一と同じく、ワケありの元警察官だった。 ホープ探偵事務所は木暮のアイデアで犯罪加害者のその後の 調査も請け負っていた。 犯罪被害者で、未だに犯人を許せずにいる修一に木暮は 依頼のあった被害者からの加害者の追跡調査を命令する。 修一は加害者全員が決して更正していない事実を目前に 突きつけられ、改めてゆかりを殺した犯人への復讐の誓いを 新たにする。 ☆ 薬丸岳さん、すごく力のある作家さんです。。 読み始めたら物語に引き込まれ、今日は寝不足です。(^_^;) 加害者が後悔も反省もしていないと知った時の犯罪被害者家族 の憤りを想像し改めて、性的な犯罪は許せないと思いました。 この本は重たい内容ですけど、すごくおすすめです。  

Posted byブクログ

2011/05/14

自らも犯罪被害者家族である一人の探偵が、犯罪者、被害者、そしてその家族等、いろいろな立場で犯罪に関わった人間のその後を調べる依頼を受ける。調査を進めるに従い、どちらの側にもそれぞれの立場ゆえの心の葛藤があり、それを主人公は目の当りにしていく。そして、短編連作集という形により、最後...

自らも犯罪被害者家族である一人の探偵が、犯罪者、被害者、そしてその家族等、いろいろな立場で犯罪に関わった人間のその後を調べる依頼を受ける。調査を進めるに従い、どちらの側にもそれぞれの立場ゆえの心の葛藤があり、それを主人公は目の当りにしていく。そして、短編連作集という形により、最後には自らの心の葛藤にも決着をつけるような展開になっている。 非常に難しいテーマである。結局のところ、どちらの側にもこれが正しい、という答えは見つからないだろう。しかしながら、どこかで区切りをつけなければ人間は前に進めないだろうとも思う。ラスト、これが主人公にとって前に進む区切りとなってくれることを願う。

Posted byブクログ

2011/04/24

復讐は復讐を生み出すだけ。 わかってはいても被害者遺族は、 法の裁きでだけで納得できるものではないと思う。 考えますね。

Posted byブクログ

2011/02/19

自らが犯した不祥事で職を追われた元警官の佐伯修一は、今は埼玉の探偵事務所に籍を置いている。決して繁盛しているとはいえない事務所に、ある老夫婦から人捜しの依頼が舞い込んだ。自分たちの息子を殺し、少年院を出て社会復帰しているはずの男を捜し出し、さらに、その男を赦すべきか、赦すべきでな...

自らが犯した不祥事で職を追われた元警官の佐伯修一は、今は埼玉の探偵事務所に籍を置いている。決して繁盛しているとはいえない事務所に、ある老夫婦から人捜しの依頼が舞い込んだ。自分たちの息子を殺し、少年院を出て社会復帰しているはずの男を捜し出し、さらに、その男を赦すべきか、赦すべきでないのか、その判断材料を見つけて欲しいというのだ。この仕事に後ろ向きだった佐伯は、所長の命令で渋々調査を開始する。実は、佐伯自身も、かつて身内を殺された犯罪被害者遺族なのだった・・・。『天使のナイフ』で江戸川乱歩賞を受賞した著者が、犯罪者と犯罪被害者遺族の心の葛藤を正面から切り込んで描いた、衝撃と感動の傑作社会派ミステリ。 (「BOOK」データベースより) テーマは重い。 主人公:佐伯修一は中学生の頃に姉を殺された。見知らぬ少年に暴行された上で殺害されたのだ。加害者たちは未成年ということで、数年間だけ刑に服して表面的には他の人たちと変わることなく暮らしている。被害者の遺族は身内を殺されたという傷を一生背負って生きているのに。 警察官となった修一は、ある不祥事から懲戒免職となり、探偵となった。その経緯は最後のほうで明らかになる。なるべくしてなった、という感じだ。 ある時、息子をリンチで殺された夫婦が探偵事務所を訪れる。少年院から出た加害者を捜して欲しいという依頼だった。加害者はあくどい手段で金儲けし、羽振りの良い生活を送っていた。その報告だけでは夫婦は満足しなかった。「彼を赦すべきか、赦さざるべきか、それを知りたい。赦すべきならばその材料を知りたい」と、再度依頼する。 自分自身も家族を殺された被害者遺族である修一が、殺人を犯した人間を赦す材料など見つけることができるのだろうか。結果、彼が報告した内容によって、新たな悲劇が起きる。 それ以降、探偵事務所の所長は、犯罪被害者をターゲットにして、加害者の消息を探すという業務を表面に打ち出して仕事を受けるようになる。所長の真意はわからない。 被害者遺族は加害者を赦すことができるのか。どうすれば赦されるのか。赦せないまま憎しみを抱き続ける苦しさ。それを昇華させる術はあるのか。そして、加害者はいつまでたってもその罪を背負って生きていくべきなのか。心の底から反省し、謝罪したなら、被害者遺族は加害者を赦すだろうか。どれだけ謝罪を受けても、失ったものは戻ってこないのに。 いろんな元犯罪者が出てきて、いろんな被害者遺族が登場する。依頼を受けるたびに自分の中で燃え続ける憎しみの炎と対峙しなければならない修一。依頼をこなす傍らで、姉を殺した加害者たちを探し続ける。どれだけの時間が流れようが、被害者側の時計は止まったままなのだ。出所した加害者たちは新たな人生を歩み始めている。理不尽だ。 「悪党」とは、誰のことだろう。やはり加害者か・・・。もし、被害者遺族が復讐を遂げたなら、今度は加害者となり「悪党」となるのだろうか。どこかで憎しみの連鎖を断ち切らなければならないはずだけれど、難しい。 昨日の夕方に読み出して、今日の昼には読了。重いテーマの割にはサクッと読めてしまった感が否めない。それぞれの事件が軽く流されているような気がしないでもない。そのあたり、少しもったいないと思う。

Posted byブクログ