1,800円以上の注文で送料無料

無印ニッポン の商品レビュー

3.5

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    3

  3. 3つ

    10

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/07/27

三浦の話より、堤清二の昔話が面白い。◆自分自身、池袋で中学孝行6年過ごしてきて、セゾン文化に育てられました。中小零細企業が前近代的という先入観が間違いではないかとか、地方の均一化が地方を壊すとか,整理し始められていて読み応えあり。

Posted byブクログ

2009/10/04

「郵便局の中にコンビニが作れる」ということでしか、郵政民営化が庶民に与えるプラス影響を説明できなかった竹中平蔵(p.25)。世の体勢に反することができず、「役所は立派なシンクタンクだ」ということも書けない新聞社(p.35)。伝統のない住宅地=東京郊外が故郷にもかかわらず、ファスト...

「郵便局の中にコンビニが作れる」ということでしか、郵政民営化が庶民に与えるプラス影響を説明できなかった竹中平蔵(p.25)。世の体勢に反することができず、「役所は立派なシンクタンクだ」ということも書けない新聞社(p.35)。伝統のない住宅地=東京郊外が故郷にもかかわらず、ファスト風土化の視点から金沢、弘前、長野などの地方を含む「日本」を抽象化して語る東浩紀・北田暁大(pp.63-65)。六本木・表参道両ヒルズや駅ナカなど、パッサージュ(街路)型の街づくりの逆コースを行き、都市文化の衰退を招いている「都市のイオン・モール」=パッケージ型開発(p.140)。などなど、「存在そのものがアイロニー」(堤、p.162)な著者たちから、消費社会の諸相への批判的視線が次々と注がれる。最近の報道でも、銀座など都市の高級地の地価が下がる一方で、ユニクロやヤマダ電機などがそうした土地に店舗を構えるようになったというが、こうした高級地の低廉化といった現象を考えるうえでも大きなヒントになる一冊。 読了後読み返してみると、特に東・北田批判の文脈から「京都でも大阪でもいいんですが、都市には風土性がやっと残っているが、地方には消えているという、不思議な状況になっている」(三浦、p.70)という言葉の意味を考えさせられた。ここで紹介した部分以外にも含蓄の多い対談本だが、どこかの書評にあったように中公ラクレで出してもよい中身ではある。

Posted byブクログ

2009/10/07

セゾングループを率いた堤清二と元社員であった三浦展による対談集。自らがカスタマイズする自由を持った、消費者主権を訴求するという無印良品のコンセプトや、都市論(イオンモールの様なパッケージ型からパサージュ型へ)、モノを買うより消費もヒトとの繋がりを満たす共費へ、等多事総論的な対談集...

セゾングループを率いた堤清二と元社員であった三浦展による対談集。自らがカスタマイズする自由を持った、消費者主権を訴求するという無印良品のコンセプトや、都市論(イオンモールの様なパッケージ型からパサージュ型へ)、モノを買うより消費もヒトとの繋がりを満たす共費へ、等多事総論的な対談集。無印良品は反体制商品です、というのが面白かった。

Posted byブクログ

2011/09/26

数年前、東京から地方に異動することになったとき「なんとかなるさ」と思っていた。でも、行ったあとすぐ「なんともならない」ことがあることに恐怖して、事あるごとに帰京した。帰京ができないときは近くの大都市に行った。そのくらい、そのときは「そこにないもの」を欲していた。今考えると愚かだよ...

数年前、東京から地方に異動することになったとき「なんとかなるさ」と思っていた。でも、行ったあとすぐ「なんともならない」ことがあることに恐怖して、事あるごとに帰京した。帰京ができないときは近くの大都市に行った。そのくらい、そのときは「そこにないもの」を欲していた。今考えると愚かだよなぁ、自分は。いまや、「便利になった」と実感することは、東京をはじめ大都市にあるものが大都市でないところで同じように存在して、その恩恵を享受できることなのかもしれない。地方でちょっと暮らしてみて、また都会に戻ってきたら、都会は、どこもかしこも金太郎飴なことに気づいて、ちょっと息苦しい。堤さんが池袋のデパートで具体的なモノとしてみせた数多くの装置を消費者として多く感受した私は、この本を読んで、堤さんが経営者というより、感情を表現する表現者だったのだ、と改めて思う。一方で、あのときの西武はそれまでの社会であまり意識されなかった「個人の生き方」を前面に押し出しながら、実は根っこの部分は古い体質の西武王国だった。見た目では革命を起こしながら、既存の何かを抱えたまま、社会のなかでいつのまにか瓦解した。読みながら、「愛は飾らない」という名コピーが頭の中を何度も反芻した。読みながら、何十年後かの自分、そして、この国のことを考えると、正直なところ、ちょっと怖れおののいた。それは多分、考えることをした、から。

Posted byブクログ