落語論 の商品レビュー
個人的な事情を言えば,ぼくはもうすぐ早起きして朝早い電車に乗らなければならないんですが,午前5時の時点で堀井憲一郎『落語論』(2009,講談社現代新書)を読んだ興奮を抑えられずにいます。本書の「あとがき」によれば,著者は締切りに追われて綱渡りで本書を書いたようです。ありえない時間...
個人的な事情を言えば,ぼくはもうすぐ早起きして朝早い電車に乗らなければならないんですが,午前5時の時点で堀井憲一郎『落語論』(2009,講談社現代新書)を読んだ興奮を抑えられずにいます。本書の「あとがき」によれば,著者は締切りに追われて綱渡りで本書を書いたようです。ありえない時間で書かれた本の感想はありえない時間に言ったほうがいいと思って,いまのうちに感想を書いておきます。 本書は三部構成で,「本質論」,「技術論」,「観客論」から成っています。 落語とはなんであるかを解説しようとする文章をぼくはこれまでいくつか読んできましたが,本書の「本質論」を読んで,ぼくは生まれて初めて溜飲が下がりました。落語の演目には正典がなく,落語の本質は演題にもなくサゲにもなく,ストーリーにもあらすじにも意味がない。じゃあ,落語を落語たらしめているものはなにか。それはセリフである,というのが著者の意見です。こんな落語論を,ぼくは初めて読みました。同じ著者の『落語の国からのぞいてみれば』を読んだとき,ぼくはぼくなりに「落語グルーヴ」が落語を落語たらしめているという意見を述べましたが,著者はぼくの言いたかったことをはるかに上手に説明してくれていると思いました。 http://tabula.hp.infoseek.co.jp/jul08.html#18 それと,本書の「究極の落語とは何か」の項で,著者は,故桂枝雀のある発言を引用しています。ああ,堀井さんもアレに引っかかってたのか,と思いました。同じ発言をぼくもどこかで引用したはず,と思ってパソコンを検索してみたら,ぼくは,くらもちふさこの感想文で桂枝雀の発言を引用していました。 http://tabula.hp.infoseek.co.jp/jan05.html#6 引用する場をまちがえた気がします。すいません。
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落語のすべてはセリフに宿る 頭ではなく気で圧倒する 客の機嫌を伺う。「誰にも嫌われない」が理想状態 言葉よりも音が大事=歌である 心地いい音を出す。自分の1番良い声を把握する ボケに力を入れない。 テンポとギャグの按配がうまさの秘訣 (ギャグはテンポを崩すが必須) 落語とは業の肯...
落語のすべてはセリフに宿る 頭ではなく気で圧倒する 客の機嫌を伺う。「誰にも嫌われない」が理想状態 言葉よりも音が大事=歌である 心地いい音を出す。自分の1番良い声を把握する ボケに力を入れない。 テンポとギャグの按配がうまさの秘訣 (ギャグはテンポを崩すが必須) 落語とは業の肯定 落語を語るのは嫉妬がもと 落語から受ける衝撃は、身体的衝撃 落語は異世界へのトリップ剤 落語は凡人(強さと弱さ)と生死の肯定
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■目次 第1部 本質論(ライブとしてのみ存在する 意味の呪縛を解く 落語はペテンである ほか) 第2部 技術論(落語は歌である 音の出し方のポイント 「間」が意味するところ ほか) 第3部 観客論(好き嫌いからしか語れない 落語の多様性 嫉妬という名の原動力 ほか) ■レビュ...
■目次 第1部 本質論(ライブとしてのみ存在する 意味の呪縛を解く 落語はペテンである ほか) 第2部 技術論(落語は歌である 音の出し方のポイント 「間」が意味するところ ほか) 第3部 観客論(好き嫌いからしか語れない 落語の多様性 嫉妬という名の原動力 ほか) ■レビュー ・
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裏で落語界を守る正義の味方、堀井憲一郎さんの「落語論」は納得出来ること、新たに思い至ることなどが満載。いつも冗談まじりの表現ですが、今回は妙に真面目に、真摯に語っておられるような。落語ファン必読の一冊。
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「落語はトリップするための道具だ」の堀井論に激しく同意した。クスリはリスクを伴うが、落語に身体的副作用はありません。精神的な中毒性はあるけれど。また、メモはとるな、に納得、そして溜飲が下がる。まったく落語を聴きながらメモを取っている一般人は何がしたいんだか。ブログに書くため?ケッ
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