極楽カンパニー の商品レビュー

原宏一【著】

2013/05/22

日本の高度成長を支えた一家のその後の話。もし我々が会社べったりの生活をおくらず、週休二日しっかり休みサービス残業なんぞもってのほか、各休日もしっかり休み、家族万歳プライベート優先の生活を送っていたら、という問いに対する読者の反応は様々だろう。私は急激な高度成長はなくても、円熟しバランスの取れた人間らしい社会ができていただろうと期待。江戸の世から日本人は奉公制度が浸透しているし、労働は原罪の贖いという考えもないのでちょっと自信がないけど、少なくともあの年でここまで自分のことしか見ない大人が良しとされることはないと思いたい。

2013/02/17

発想はすごく面白い。
文章もすごく上手。
でも、なんだろうこの物足りなさは…。
ずっと平坦というか、予定調和を乱さないというか。
内容は面白いんだけれどなぁ。

あと、久々にこんなにひどい解説読んだな。
こりゃ解説でも感想でもなく、あらすじです。

2015/09/17

定年退職後所在なくなった元仕事人間たちが会社ごっこを始める。これがおもしろい！ごっこ会社にはどんどん人が増え、ごっこ取引先を生み出張ごっこまで行われる。
若い人は退職後も仕事に縛られて、なんて思うかもしれないが会社ごっこをしているお父さんたちの輝きは素直に眩しい。
その少し外側にいてお父さんを支えるお母さんも良かった！仕事人間に縛られることに葛藤しながらもお父さんには生き生きしていてほしいと願う。
また読もうかなと思える一冊。

追記:今流行りのレンタルオフィスでのシニア起業がこれに発想が似ているのかな。定年後も変わらず通い働ける場所が欲しいというシニア世代の需要を上手くビジネスにしたよね。

2012/08/04

バブルで頑張ったオジサンたちには、千差万別十人十色の人生があったらしい。バブル崩壊後の自分たちにも、千差万別十人十色があるけれど。

2012/07/05

仕事人間も悪くない。お父さんたちばかりを責められないな、と社会背景を知って思った。
会社なくなったら、やっぱりつながりのきっかけがなくてさみしいよねぇ。
でも悪い奴がいるのはけしからん。悪役も必要だろうとは思うけど、腹が立った。
息子の彼女が男前で好き。

2012/01/02

本当にこのビジネスやっていけるんじゃ？！
と半ば本気で妄想しながら一気読み。
こういう会社勤めをしているorしたことがある人なら
共感できることも多いんじゃないかなぁ・・・。
私もニヤリとしたり、あーあるある！などと思いながら
お父さん達の本気のごっこ遊びを応援してました。

・・・が。ごっことは言え“みんなで仲良く楽しく平和に”
では終わらず。
“あのクソ社長め～～～”
“コイツなんて奴だ！”
・・・・・・・！！etc
かなり感情移入しながらハラハラドキドキ。
・・・でも、誰が悪いとは一概に言い切れないのかな。

二人のおっさんがお遊びで始めたことが、全国規模の一大ムーブメントに
発展していくのは気持ちがいいし、
お母さんの肝っ玉母さんっぷりもステキ。
“まったくお父さんったら”とか言いながらも笑って世話を焼くお母さんって好きなんです。

私はこのお父さん達の足元にも及ばない小娘だけど、強引な鶴の一声に泣いたり、お偉方の思い付きに振り回されたり・・・
グチリながらもなんだかんだ楽しんじゃってるあたり、企業戦士カイシャインの一員だなぁ(笑)

2011/01/25

極楽カンパニーは面白かった。それでいてシュール。
定年退職したサラリーマンが架空カンパニーを作っちゃうって話。架空って言ってもペーパーカンパニーとかバーチャルカンパニーというのではなく、カイシャ（それは喫茶店だったりカラオケボックスだったりするんだけど、おおまじめに会社オフィスの仕立てになっている）に通って、会議をしたり、売上計画作ったり、営業会議ではつめられたり、上司とお昼ごはんに行ったり、夜は愚痴をこぼしながら飲んだり・・・お金とモノがうごかないだけで、なんら会社と変わらない日常を送っているお父さんたち。

シアワセそうなのよ。
毎日、カイシャという空間に身を運んで、そこで繰り広げられるカイシャ特有の根回しとかしきたりを守るって生活が送れるってことが。

サラリーマンは気楽な稼業・・・なーんて思っている人は今の世の中では少ないかもしれないけれど、もしかしたら、いろんな手順や仕立てが決まっているサラリーマン社会って楽しいものなのかもしれないなーなんて思った

営利を目的にしているのではなく会社での生活の再現を目的にしていた「株式会社ごっこ」なんだけど、そこはやはり、上昇志向のある人で上に行くためには多少のルール違反もいとわないって人は必ず出てくるもので、今回も分社化？した「株式会社得意先」の詐欺まがいの行為によってこの活動自体が危うくなる。

なんと、それを救ったのが「せっかくお父さんが定年退職になって、もう早起きもしなくていいし、あたしのサラリーマンの妻人生も終わり、これからは悠悠と過ごすんだ！って思っていたのに、これじゃあサラリーマン時代と変わらない激務だし、あたしは相変わらずお父さんの身の回りの世話をしなくちゃならないの？」と怒っていたお母さんだったっていうのが、ぐっと深い。

ありそうで、なさそうで、でも身につまされるお話でした。
カイシャって楽しいんだよね、でも、会社に依存する生き方はきっと楽しくないんだよね。

2011/01/18

2011年初読了。
会社というのは不思議なものですな。
私だったらこうはいきませんｗ
あと、少人数から始まったムーブメントがやがて大きな流れへと、
というストーリは燃えます。

2010/08/14

「極楽カンパニー」戦後経済を支え定年退職したひとたちがバーチャルな会社ごっこに興じて活き活きする。なすべきことがなくなり時間をもてあましたときひとは何を考え何をして過ごすか。サラリーマン生活は様式美らしい。共感はともかく、そして会社はともかく、仕事がなくなるのはぼくには恐怖だ。

2010/07/28

私も、定年になったらこうなってしまうのかもと思われる作品。定年後にバーチャルカンパニーをつくるという話だがおもしろかった。気軽に読める。でも定年を迎える人にプレゼントしていいかどうかは、人をみて判断したほうが。