ワーニャ伯父さん/三人姉妹 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
「ワーニャ伯父さん」といい「三人姉妹」といい、登場人物すべての背中が重い・・・ 「ワーニャ伯父さん」ではソーニャ、ワーニャにスポットがあたり最後のコメントが強烈に記憶に残るが、ワーニャが憎んだセレブリャコフもソーニャが失恋したアーストロフも否、全ての登場人物が幸福になっていない。 「三人姉妹」も同じ。希望が絶望に変わってゆく。 しかも、最後の台詞に強引なる希望のようなコメントではなく、「それでも生きていかなくてはならない。」「私たちの人生、まだ終わりじゃないの、生きていきましょう」と残りの人生片方の翼がもぎとられもう決して飛べないのに「そのまま」生きていこうとするのだ。ロシアだから「バーン!!」とやってしまえば・・・ だが、悔いの無い人生だけではなく思いっきり悔いの残る人生、全く思い通りにならず失敗ばかりし、人に嘲笑され、尊敬されず道端で倒れ誰も助けてくれず死んだとしても「あれもそれも人生だ」と言ってくれているような気もする。
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『三人姉妹』のイリーナが、イタリア語で窓とか天井をなんていうのか思い出せない、人生は過ぎ去っていって二度と戻ってこないと嘆くところがやたら印象的で、あまりに気に入ってつい原文まで調べてしまった。『ワーニャ伯父さん』も、ワーニャが過去しなかったことについて悔やむシーンを、かなり強烈...
『三人姉妹』のイリーナが、イタリア語で窓とか天井をなんていうのか思い出せない、人生は過ぎ去っていって二度と戻ってこないと嘆くところがやたら印象的で、あまりに気に入ってつい原文まで調べてしまった。『ワーニャ伯父さん』も、ワーニャが過去しなかったことについて悔やむシーンを、かなり強烈に思い出せる。どうにもならない現状と過去への後悔がひたすら目に付いて、今ですら気持ちは分かるんだけど、20年後こんなふうに閉塞感と悔恨を抱えて生きてたくはないなって思った。
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ロシア文学を読むのはとても久しぶり。恐らく去年の夏頃から全く読んでいない。 実は戯曲を読むのは初めてなのだが、中でも"間"の存在が良かった。解説にも書かれてあったが、この存在は大きい。 また、出てくる主人公がみな心に闇を抱えているという点もロシアらしい。そ...
ロシア文学を読むのはとても久しぶり。恐らく去年の夏頃から全く読んでいない。 実は戯曲を読むのは初めてなのだが、中でも"間"の存在が良かった。解説にも書かれてあったが、この存在は大きい。 また、出てくる主人公がみな心に闇を抱えているという点もロシアらしい。そして無駄に涙っぽく、激しやすい。 戯曲なのでこの誇張は必要かもしれない。 ただ、チェーホフの素晴らしい点はロシア文学特有の重さを見事に外した点ではないか。本を読んでいるときのイメージというものが明らかに軽い。そして明るい。 読後もけっして重い気分にはならず、むしろ爽快な気分になれたように思う。 やはり、ロシア文学は素晴らしい。
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初チェーホフ! 慣れると思ったよりすらすら読めて驚きでした。 ワーニャ伯父さんの方だと、最後のところが言いたかったんだなと気づき、何だか納得です。 三人姉妹: 登場人物が多くて混乱しましたが、少しだけチェーホフがわかってきたような感じがします。 辛いながらも生きていこうと思うよ...
初チェーホフ! 慣れると思ったよりすらすら読めて驚きでした。 ワーニャ伯父さんの方だと、最後のところが言いたかったんだなと気づき、何だか納得です。 三人姉妹: 登場人物が多くて混乱しましたが、少しだけチェーホフがわかってきたような感じがします。 辛いながらも生きていこうと思うようになっていく登場人物が悲しくもあり、希望でもあるように思いました
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[コメント] NHK BS「週間ブックレビュー」2010/11/14 10:00- イッセー尾形氏紹介
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20歳の頃、「桜の園」を読んだときには知的にとりすましたような印象しか受けなかったチェーホフだけど、年を取ったせいか、この本読んだら泣けてしょうがない。一字一句、ずきんとくる。 生きることの悲しさ、分かり合うことはない、夢は崩れさるとう痛々しい現実。その中でも、何かに希望を見つけ...
20歳の頃、「桜の園」を読んだときには知的にとりすましたような印象しか受けなかったチェーホフだけど、年を取ったせいか、この本読んだら泣けてしょうがない。一字一句、ずきんとくる。 生きることの悲しさ、分かり合うことはない、夢は崩れさるとう痛々しい現実。その中でも、何かに希望を見つけて生きていこうとする登場人物達すべては皆孤独だ。
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