ワーニャ伯父さん/三人姉妹 の商品レビュー
私もワーニャとほぼ同じ四十六歳になった。この戯曲は、死ぬことが出来ず、それでも生きていかなくてはならない、中年の嘆きを取り上げた戯曲であり、中心人物のいない複数視点の同時立脚的なポリフォニー的な物語である。
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映画「ドライブマイカー」きっかけで読みました。 若い頃はあまり分からなかったけど、歳を重ねてテェーホフの良さが少し分かるようになってきた気がする。 ワーニャ伯父さんに出てくる登場人物たちは、基本的にみんな人生に絶望を抱いている。 ロシアの厳寒な気候や土地、時代、ジェンダーなど、そ...
映画「ドライブマイカー」きっかけで読みました。 若い頃はあまり分からなかったけど、歳を重ねてテェーホフの良さが少し分かるようになってきた気がする。 ワーニャ伯父さんに出てくる登場人物たちは、基本的にみんな人生に絶望を抱いている。 ロシアの厳寒な気候や土地、時代、ジェンダーなど、その原因には様々なものが絡んでいると思うけど、誰もが自分の人生に非本来性を感じていて、それをどうすることもできずに、ただただ生きている。 最後のソーニャの言葉は、それでも生きていかなくてはいけないと、力強く、そして優しく、全ての者の背を押すように届けられている。 三人姉妹。登場人物たちがそれぞれてんでバラバラな印象。共通理解を得ることもなく、一人ひとりが懸命に生きている。 あらゆる諦念と、自分が死んだ後の遥か先に夢見る発展と進歩。全てがどうしようもなく変わることもなく、死ぬまで日常は続いていく。 死が訪れるまで、生きている私たちは何を得て、何を失い、やり過ごしていくのだろうか。
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戯曲。 ワーニャ伯父さんがドライブマイカーにでてきたので読んでみました。 ワーニャ伯父さんじたいはなにがおきるわけでもなく、伯父さんが主人公なのか?な。 働かないといけない。 200.300年後の人たちにむけて。 強くあらねば。 宣言するけど、それが果たされるとも思えない。 ...
戯曲。 ワーニャ伯父さんがドライブマイカーにでてきたので読んでみました。 ワーニャ伯父さんじたいはなにがおきるわけでもなく、伯父さんが主人公なのか?な。 働かないといけない。 200.300年後の人たちにむけて。 強くあらねば。 宣言するけど、それが果たされるとも思えない。 首吊りの表現ってどういう意味だったのだろう。 3人姉妹。 恵まれた境遇。 なぜモスクワへ、中心へ彼女たちは行きたかったのか。周辺にいる人たちの首都 中心への憧れ?
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ドライブ・マイ・カーの予習として「ワーニャ伯父さん」だけ読んだ。 一回目は登場人物の関係性やそれぞれのキャラクター造形などがなかなかつかめず、自分で関係図を書いたりしながら読んでいたので、ほとんど内容が頭に入らなかった。何も起こらない話だなという印象しかなかった。二回読んで何とか...
ドライブ・マイ・カーの予習として「ワーニャ伯父さん」だけ読んだ。 一回目は登場人物の関係性やそれぞれのキャラクター造形などがなかなかつかめず、自分で関係図を書いたりしながら読んでいたので、ほとんど内容が頭に入らなかった。何も起こらない話だなという印象しかなかった。二回読んで何とか分かってきた。 何というか、侘しい話だなと思った。登場人物それぞれに侘しさを抱えている。個人的にはワーニャ伯父さんよりもソーニャの侘しさが身にしみた。まだ若いのに、あの狭い環境でずっと生きていかなければならないというのはどんなに侘しいことだろう。 また、アーストロフの造形も印象に残った。話の本筋とはあまり関係ないが、エコロジストである。 「人間に立派な頭や物を作り出す力が授けられているのは、人間に与えられているものを増やすためなのに、これまで人間は毀すばかりで、作り出そうとしてこなかった。おかげで、森はますますまばらになり、川は干あがり、野鳥は逃げ出し、気象はそこなわれ、日に日に大地はやせ細っているのです。(P.30)」
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チェーホフは36歳で「ワーニャ伯父さん」を書き、40歳で「三人姉妹」を書き、そして44歳で亡くなった。何という老成だろう。「ワーニャ伯父さん」では自分の人生が絶望だったと知る。「三人姉妹」では夢が次々と押しつぶされていく。人生とはそもそも絶望なのだ、その冷徹な現実を淡々と描きだす...
チェーホフは36歳で「ワーニャ伯父さん」を書き、40歳で「三人姉妹」を書き、そして44歳で亡くなった。何という老成だろう。「ワーニャ伯父さん」では自分の人生が絶望だったと知る。「三人姉妹」では夢が次々と押しつぶされていく。人生とはそもそも絶望なのだ、その冷徹な現実を淡々と描きだす。それでも人生を生きていくしかない。酸いも甘いも経験した、大人のドラマ。
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解説と訳者あとがきが素晴らしい。チェーホフ初心者に、その味わい方を丁寧に教えてくれる。再読したときの味わいが全く変わった。 チェーホフ、良い。
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「ワーニャ叔父さん」 まだ途中だけど、男の人たちが、やたらグチっぽいのね(笑) 読んでいて、ギクリと自分のなかにも思いあたるような愚痴。
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ドライブマイカーを見て、初めて読もうと手にした。 なんとも人間臭く、いかんともしがたい鬱々とした思いを募らせるワーニャとそれでも生きていかなければと話すソーニャの強さが印象的であった。
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チェーホフの登場人物は、私が口にするのを躊躇い胸に閉じ込めている本音を、どうしてこうすんなりと口にしてしまうのか。現実に翻弄されて、自分がしがみついてきた美しい幻想を壊されても、生きていかねばならない人々の姿。終わりが来ることを救いにすれば、目の前の幸せを味わえるようになるのだろ...
チェーホフの登場人物は、私が口にするのを躊躇い胸に閉じ込めている本音を、どうしてこうすんなりと口にしてしまうのか。現実に翻弄されて、自分がしがみついてきた美しい幻想を壊されても、生きていかねばならない人々の姿。終わりが来ることを救いにすれば、目の前の幸せを味わえるようになるのだろうか。
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ペシミスティックな美学? 何かありそうで、結局何もなく、 誰も幸せにならない。 庶民の暮らしと悩み。 中年ワーニャの文学には、死も許されず、 未来は暗くそのまま続く。 チェーホフなりのユーモアは、 その『間』において、俳優により表現されそう。 エレーナにはなかなか惹かれない...
ペシミスティックな美学? 何かありそうで、結局何もなく、 誰も幸せにならない。 庶民の暮らしと悩み。 中年ワーニャの文学には、死も許されず、 未来は暗くそのまま続く。 チェーホフなりのユーモアは、 その『間』において、俳優により表現されそう。 エレーナにはなかなか惹かれない。
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