七宝 の商品レビュー
INAXギャラリーの企画展に合わせて刊行されたもの。正方形の珍しい判型。 従来の展覧会図録のように大判で分厚く解説がびっしりあるものではなく、コンパクトながらしっかり作品が見られて、解説も適度な分量で見やすい。写真は説明的すぎず作品の風合いが感じられる。デザイン・造本自体が秀逸だ...
INAXギャラリーの企画展に合わせて刊行されたもの。正方形の珍しい判型。 従来の展覧会図録のように大判で分厚く解説がびっしりあるものではなく、コンパクトながらしっかり作品が見られて、解説も適度な分量で見やすい。写真は説明的すぎず作品の風合いが感じられる。デザイン・造本自体が秀逸だと思う。 並河靖之の作品紹介が主だが、七宝の種類・技術・作業工程・歴史についてもふれられている。 <感想> 並河工房の作品はため息が出るほど美しい。伝統工芸品には型通りの美しさしか見出せない私でも、手元に置いて愛玩したくなるほど惹きつけられる。文様に現代的センスがあるからだろうか。釉薬の透明感のある艶もよい。 伊藤若冲の精緻な絵画が好きな人は気に入るかもしれない。 清水三年坂美術館はよかったが、並河靖之七宝記念館にもぜひ足を運びたくなった。 <メモ> ・七宝の定義 「金属の素地にガラス質の釉薬を焼き付けて装飾としたもの」 ・幕末に始まり、愛知県の遠島村(とおしまむら)を中心に生産 ・日本の七宝の三種類の技法 (1)象嵌七宝…素地に文様の形の窪みを作り、そこに釉薬を充填する (2)有線七宝…素地に金属板で文様形の壁を立て、その内外に釉薬を置く (3)琺瑯(ほうろう)…素地にそのまま釉薬で絵を描く(琺瑯鍋などの日用品) ※中国では有線七宝、西欧では象嵌七宝が優勢 ・1893年シカゴ万博博覧会で、日本の美術工芸品の一部を美術館に並べることに成功。それまで西洋では絵画・彫刻・建築のみが美術とみなされ、工芸は応用美術と呼ばれる低い位置付けだった。 ・近代七宝の発展者 (京都)並河靖之…有線七宝を極めた (東京)濤川(なみかわ)惣助…無線七宝を発明 ・粂野締太郎(くめのていたろう)…有線を極めた細密美 ・古代エジプトのツタンカーメンのマスクも七宝
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INAXギャラリーで実際に見て感動した七宝の世界。タイトル通り、細密な幻想世界に眩暈すら感じます。現物は手に入らないので本でじっくり堪能。
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INAXギャラリー久しぶりにいったが四ツ橋から本町に移転していた。こんどはコレ。年末に大阪でやるのでぜひ見たい。
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