夏至 の商品レビュー
スケールの大きい句が魅力だ。「老鶯の胸張ってゐる声ならむ」「寝返りて蠍座と向き合へるかな」「一枚の朴葉の下の微生物」「星々の軋み合ふかに星月夜」「果てしなき永久凍土月ひとつ」「水神を女とおもふ春うれひ」「それは少し無理空蟬に入るのは」「藍甕に浸けてもみたし洗ひ髪」「明日知らず雌鹿...
スケールの大きい句が魅力だ。「老鶯の胸張ってゐる声ならむ」「寝返りて蠍座と向き合へるかな」「一枚の朴葉の下の微生物」「星々の軋み合ふかに星月夜」「果てしなき永久凍土月ひとつ」「水神を女とおもふ春うれひ」「それは少し無理空蟬に入るのは」「藍甕に浸けてもみたし洗ひ髪」「明日知らず雌鹿雄鹿として眠る」「鷹消えていつか青空見てゐたり」「天の底払ふや雪の二三片」「立てず聞けず食へず話せず冬の父」「死のひかり充ちてゆく父寒昴」「甲種合格てふ骨片や忘れ雪」「鶴にけふ北の空のみあり帰る」「老いも死も父先んじて母に夏」「笑ひたくなるほど肥後の長なすび」「大正の佳き世のことを生身魂」「アカショウビンの声の水玉ころがりぬ」「千年の樟に今年の若葉かな」「遠き遠き兄の口笛麦の秋」「面をもて接す二つのしやぼんだま」「カルデラはひかりの器福寿草」「原つぱも不敗の独楽も疾うに無し」
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