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大学の誕生(上) の商品レビュー

4.1

12件のお客様レビュー

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2023/10/18

明治維新、教育制度を西欧にキヤッチアップさせる国策。 伊藤博文は、①憲法②教育が国家の背骨。 東京帝国大学を先行させるが、問題は国全体のシステム。 帝国大学からのアプローチと、初等・中等教育の充実が噛み合わない。日本語と外国語のギャップ。予科3年の負担。 大学制度の拡充が鍵。帝国...

明治維新、教育制度を西欧にキヤッチアップさせる国策。 伊藤博文は、①憲法②教育が国家の背骨。 東京帝国大学を先行させるが、問題は国全体のシステム。 帝国大学からのアプローチと、初等・中等教育の充実が噛み合わない。日本語と外国語のギャップ。予科3年の負担。 大学制度の拡充が鍵。帝国大学だけでは財政負担が限界。 私立大学の活用が不可欠だが、定見が定まらない。 早稲田大学・慶応義塾大学はさすが王道。

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2020/04/29

藩校や寺子屋から、東京大学や各地の帝国大学へかわっていったのか。 私塾がどのように大学に変わったのかわかる。 発足当初は明確な理念、富国強兵、殖産興業を旗印に国づくりに必要な人材を育成する、欧米に頼る人材を国内に輩出することを目的として大学は設置された。 その後制度が整備され...

藩校や寺子屋から、東京大学や各地の帝国大学へかわっていったのか。 私塾がどのように大学に変わったのかわかる。 発足当初は明確な理念、富国強兵、殖産興業を旗印に国づくりに必要な人材を育成する、欧米に頼る人材を国内に輩出することを目的として大学は設置された。 その後制度が整備される反面、各大学の個性は薄れる形に。 国立大学が国立大学法人となり、改めて大学はなぜ存在するか、大学の総体ではなく個別のアイデンティティが問われるようになる。現代の大学の位置付けを考えるための一助になればと思い本書を手に取った。解は得られないが歴史は非常に面白い。ある意味本書は会社で言う創業者の思いを伝え聞くようなものかもしれない。 そうすると、何代も後のサラリーマン経営者がいまの大学の経営にリーダーシップを持つことは難しいのかもしれない。

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2020/04/03

PhDの研究のために読む。 明治維新から150年くらいが経つが、いかに短時間当時の構造が現状を規定しているかが分かる。特に、帝国大学=東大の怪物ぶりが興味深い。 また、私学のルーツもよく理解し、いわゆるアカデミアではないことがよくわかった。 今後、色々と読み返すことになるだろ...

PhDの研究のために読む。 明治維新から150年くらいが経つが、いかに短時間当時の構造が現状を規定しているかが分かる。特に、帝国大学=東大の怪物ぶりが興味深い。 また、私学のルーツもよく理解し、いわゆるアカデミアではないことがよくわかった。 今後、色々と読み返すことになるだろう。

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2016/10/23

日本の大学の設立の経緯、特に東京大学がどのような経緯で誕生し、国立と私立がどのように位置付けられていたのが良く分かる。大学論考える上では必須本だなぁ。

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2014/08/05

教育社会学の第一人者の手による,日本の高等教育の本格的な通史.上巻では帝国大学の誕生から講座制の導入,それらに対抗する私学の動きを追う.

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2014/07/06

日本の大学がどのように成立していったか,丁寧にまとめられていて,おもしろかった。新書とはいえ,2冊で重厚な内容ではあるが,大学職員なら読んでおくべき。

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2013/08/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

東京大学が帝国大学になり、また東京帝国大学になっていった背景でなぜ変遷を辿ったのか、その中で、教育とは?大学とは?で英米仏独など各国の大学を参考にしようとした背景・・・興味深いものがあります。そして明治時代の帝国大学の士族・平民別の学生構成割合などは当たり前でしょうが、士族が多いということに改めて新鮮な印象を持ちました。そして法学校が明治・中央・法政と誕生したが、各々が米・独・仏法を専門としていたということは全く初耳で、これも面白かったです。帝国大学以外の専門学校群が大学となる経緯も今から考えると不思議な気がします。帝国大学以外では札幌農学校と東京高等商業専門学校の2つが学士資格を与えていたという歴史も面白いですし、何から何まで勉強になる本でした。著者は各大学の「○年史」を引用しており、迫力があります。

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2011/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 日本の大学はどのような経過をたどって生まれたのだろうか。 本書は、その黎明期のダイナミックな展開を二巻にわたって、つぶさに描くものである。 上巻では、明治一〇年の「東京大学」の設立と一九年の帝国大学誕生の成立から説き起こす。 その後、帝国大学が自己変革していくさまと、帝国大学に対するかのように生まれる官立・私立の専門学校の隆盛へと物語は進んでゆく。 人と組織が織りなす、手に汗握るドラマ。 [ 目次 ] プロローグ 帝国の大学 第1章 帝国大学以前 第2章 帝国大学の発足 第3章 帝国大学の整備 第4章 専門学校群像 第5章 「私立大学」の登場 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2019/01/16

通常の教科書ではほんの数行で済ませる過程を長編小説のように描いた大学制度のドラマ。 大正7年に大学令が発布され、帝国大学以外の官公私立大学の設置が認められるまでが、上巻と下巻で書かれている。 大日本帝国の財源が乏しい中、急速に高等教育制度を奇跡的に整備できたことが、臨場感を持っ...

通常の教科書ではほんの数行で済ませる過程を長編小説のように描いた大学制度のドラマ。 大正7年に大学令が発布され、帝国大学以外の官公私立大学の設置が認められるまでが、上巻と下巻で書かれている。 大日本帝国の財源が乏しい中、急速に高等教育制度を奇跡的に整備できたことが、臨場感を持って味わえる。 最初はフランス・ドイツ・アメリカの大学のいいところ取りだったそうだ。 わが社はたどっていくと当時でいう「低度大学」か。歴史は冷酷だな。 日本型グランゼコールというネーミングがおもしろいと思う。 グランゼコールはもちろんフランスの制度。

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2010/11/13

大学は知識、学問の蓄積、伝達、創造の場である。変化は第一にその大学の知識、学問の創造、すなわち研究機能の重要性の高丸という形で起こった。カトリック教会の支配から抜け出した大学の中で、知識は四代にそれまでの古典学と神学を中心とした閉ざされた体系から開かれた体系へと変化していく。 ...

大学は知識、学問の蓄積、伝達、創造の場である。変化は第一にその大学の知識、学問の創造、すなわち研究機能の重要性の高丸という形で起こった。カトリック教会の支配から抜け出した大学の中で、知識は四代にそれまでの古典学と神学を中心とした閉ざされた体系から開かれた体系へと変化していく。 帝国大学なんて単なる官僚養成機関だった。 専門教育を受けるためには学生はあらかじめ十分な外国語能力を身につけている必要があった。 フランスと日本という2つの中央集権的な国家が早急な産業化、近代化の推進をはかろうとしたとき、高度の専門的能力を持った人材養成の場として選択したのが大学ではなく専門学校(グランド・ゼコール)という高等教育機関だった。 私立大学といってもアメリカ的なリベラルアーツ型のカレッジの設立は、維新後に布教のために日本にやってきた、プロテスタント系の宣教師たちによっても試みられた彼らにとって最重要なのは神学校の設立だったが、文明開化とともに英語熱に応え、布教をはかる手段としての学校設立だった。立教、明治学院、青山学院などはプロテスタント系。しかしまだアメリカのカレッジにも遠く及ばなかった。

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