奇縁まんだら 続 の商品レビュー
横尾忠則のカラーイラストが各章に2枚づつ入る豪華なオリジナル単行本。2冊目。 引き続き瀬戸内晴美が交友のあった文壇人を語っていく。開高健、柴田錬三郎、江國茂、福田恆存、円地文子、有吉佐和子、武田泰淳、井上光晴など。変わったところではテナーの藤原義江、淡谷のりこ、フランソワーズ・...
横尾忠則のカラーイラストが各章に2枚づつ入る豪華なオリジナル単行本。2冊目。 引き続き瀬戸内晴美が交友のあった文壇人を語っていく。開高健、柴田錬三郎、江國茂、福田恆存、円地文子、有吉佐和子、武田泰淳、井上光晴など。変わったところではテナーの藤原義江、淡谷のりこ、フランソワーズ・サガン。最後は恋人だった小田仁二郎という現在はほぼ忘れられた人。 「文壇」とか「直木賞」とかが一種独特の世界だった昭和の世界の雰囲気がよく伝わってきます。 この本に取り上げられている作家は名前のみ知っていて読んだことがない人が多い。そもそも瀬戸内晴美の小説を読んだことがない。ちょっと読んでみようか。 この頃、純文学作家が各娯楽的小説を「中間小説」と呼んで「オール読物」とか「問題小説」とかの月刊誌にでていた。私は「本の雑誌」と「SFマガジン」しか読まない方だったのでずっと縁がなかった。 今はどっちかというとSF,ミステリ、ホラーなどのジャンル小説全体が「エンターテインメント小説」として主流になり「中間小説」というようなものはあまりないと思う。
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菊田一夫:演劇界の大ボスと言う威厳めいたものはどこにも感じられなかった。飄々とした風貌はむしろ人に警戒心を与えない親しみやすさを持っていた 開高健:3泊4日の間中、車の中でも、旅館でもホテルでも開講さんは容器に喋り続け、飲み続け、食べ続けた。その健啖ぶりは恐ろしいほどで、これなら太るわけだとうなづけた 柴田錬三郎:シバレン自身もメガネをかけた端正な顔をしていたが、狂四郎的ニヒルな表情をして、いつでもこったおしゃれな服装をしていた。つまらなさそうな、あるいは不平そうな仏頂面をしていた。めったに笑顔見せなかった
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いうことなし。まず寂聴さんのお人がらが聞き出す本音、サービス精神旺盛と言うのがよくわかる。お金も気もちも出し惜しみする人にはわからない思いやり。最高の本だった。
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楽しみながらじわじわ読むので、通読に時間がかかります。日経に連載中から楽しみにしてましたが、本になると、また違った印象。
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おすすめ度:80点 2008年1月12日~12月28日日本経済新聞日曜日付朝刊連載分。計28人との交遊録。(「円地文子」「萩原葉子」「島尾敏雄」は本書のための書き下ろし。) ほとんどが同業者作家たちとの交遊録。作者の記憶力と軽いタッチの筆力によって、皆がとても魅力的な人物に見えてくる。 最終章の「小田仁二郎」だけは他の人物評と明らかに違っており、文章への重みを感じた。それもそのはず、彼はかつて作者の情人(不倫相手)であった。彼は筆者にとって特別な存在であった。 「私は彼とこの世でめぐりあわなければ、果して小説を今まで書きつづけてこられたかどうか怪しいと思っている。 彼との八年間の半同棲の間に、私は文学の高さ、低さという根本的なことを教えられた。また、文学というものは、必ずしも才能だけで成りたつものではなく、そこに不可思議な運がつれそってはじめて立ちゆくものだということも教えられた。 他者の才能にばかり感嘆し、その都度、自分の才能に自信を持てなくなる私を、彼は歯がゆがって、常に私を励ましつづけてくれた。」
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城夏子さんの章で書かれていた「ほろよい鍋」。 すっっごく美味しそう。日本酒7;水3という贅沢な鍋で豚しゃぶ。 なんたることだ。 手帳にメモして、いつか絶対試したい。
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また楽しみました。 前巻では皆生きていたことを嬉しく思い身近に感じたりしたのですが、故人は故人なのでお墓の写真をじっくり見ると、死んでしまった事実をより認識させられ、何だかぽっかり寂しくも思いました。 以前に読んだ星園すみれ子先生のユリ子さんとヨシ子さんという名前は、多分宮本...
また楽しみました。 前巻では皆生きていたことを嬉しく思い身近に感じたりしたのですが、故人は故人なのでお墓の写真をじっくり見ると、死んでしまった事実をより認識させられ、何だかぽっかり寂しくも思いました。 以前に読んだ星園すみれ子先生のユリ子さんとヨシ子さんという名前は、多分宮本百合子と湯浅芳子から来ている気がします。 この本の続編がまた出るととっても嬉しいです。 やっぱり寂聴さんの心根が美しいのだと思います。 あとそれが全面に押し出された笑顔も素敵です。 周りに沢山の方が集まりたくなるの、分かります。
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決められた枚数の中に押し込んでその人の個性を端的に語る手腕はさすが。 円地文子、有吉佐和子、淡谷のり子、フランソワーズ・サガン、森茉莉、萩原葉子など、女流作家らとの交友が特に興味深かった。
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「作家は記憶力」とは著者の言だが、本書はその証明。良い思い出を選んで書いているのだろうが、たまにその人への嫉妬や憾みがちらちら混じる。対円地文子とか、対有吉佐和子とか、もっと熾烈な関係だったのでは。
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その続き。いわゆる文壇っていうものが存在していたありし日の記憶っていうか。すごいエネルギッシュな人たちばかりで、これで群れたら、すっごいカオスだなって思う。(09/9/3)
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