シリコンバレーから将棋を観る の商品レビュー
野球やサッカーであれば、自分はそんなプレーができなくても、ましてやそのスポーツを経験したことが無くても、観戦しながらダメだしや評価をする。いわゆる「観るスポーツ」として成り立つ面がある。 なのに将棋となると、観るにあたって将棋ができないと、更に強くないと評価をすること、語ること...
野球やサッカーであれば、自分はそんなプレーができなくても、ましてやそのスポーツを経験したことが無くても、観戦しながらダメだしや評価をする。いわゆる「観るスポーツ」として成り立つ面がある。 なのに将棋となると、観るにあたって将棋ができないと、更に強くないと評価をすること、語ることすらはばかられるような雰囲気がある。 著者はそのことに対し、そんなことはないよ、将棋だって他のスポーツ同様「観る」だけでも楽しんでいいんだよ、と伝えている。しかも観て楽しんでいる人は結構いるようだが、表立ってそれを言う人は少ないらしい(自分は将棋が強くない、という理由で)。 僕もそのようなうちのひとりにあたっていたが、この本を読んで少しほっとした。 読んでいて著者の将棋好きが伝わってくるし、棋士との交流が楽しげである。 また、著者は将棋界とネット社会を関連させて「知のオープン化」について語っていて興味深い。 ネットでは持っている知識を提供し、それを知った他者が更に改良を加えて、よりよいものに発展させる土壌がある。将棋でも現代では新手や構想をオープンにし、よりよい手を皆で探っていく状況にあるという。 オープンになることによって、簡単にある程度までの知識を得ることができるが、その先は混沌としていて地頭が求められる。 「高速道路とその先の大渋滞」 棋士の考えていることが現代社会にも通じるところがあり面白い。
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『シリコンバレー』と『将棋』という、一見まったく異質の世界だが、作者によって見事に、つながった。『将棋』については、正直初心者だが、『伝える』こと、『技術の革新』というテーマで読む方には非常に面白い。 ちなみに『どんな才能があふれいてる人であろうとも人生における『機会の窓』がひ...
『シリコンバレー』と『将棋』という、一見まったく異質の世界だが、作者によって見事に、つながった。『将棋』については、正直初心者だが、『伝える』こと、『技術の革新』というテーマで読む方には非常に面白い。 ちなみに『どんな才能があふれいてる人であろうとも人生における『機会の窓』がひらくことは多くなく、人によってはたった1回だけというケースもあるということだ。一瞬開いた『機会の窓』を活かせるか否か。残酷なことだけれど、それが人生を決定する。』という言葉が印象的だった・・
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(2009年08月21日読了) ・参考「人間における勝負の研究」米長邦雄。P10 ・世の中には沢山の「指さない、そして隠れた、将棋ファン」がいる。P14 ・羽生が問題視していたのは、将棋界に存在していた、日本の村社会にも共通する、独特の年功を重んずる伝統や暗黙のルールが、盤上の自...
(2009年08月21日読了) ・参考「人間における勝負の研究」米長邦雄。P10 ・世の中には沢山の「指さない、そして隠れた、将棋ファン」がいる。P14 ・羽生が問題視していたのは、将棋界に存在していた、日本の村社会にも共通する、独特の年功を重んずる伝統や暗黙のルールが、盤上の自由を妨げていること。P29 ・参考「羽生の頭脳」P39 ・羽生「高速道路を走りきった先に大渋滞がある」。情報を重視した最も効率の良い、しかし同質の勉強の仕方でたどりつける先には限界があり、そのあたりまで到達した者達同士の競争となると、勝ったり負けたりの状態となり、そこを抜け出すのは難しく、次から次へと追いついてくる人たちも加えて、「大渋滞」が起きる。その大渋滞を抜け出すにはそこに至るまでの成功要因とは全く別の要素が必要になるはず。P43 ・参考「歩を『と金』に変える人材活用術」P45 ・創造って、手間も時間も労力もものすごくかかるから、簡単に真似されると報われません。私も対局で新しい試みをやるんですが、ほとんどはうまくいかない。仮にうまくいっても周囲の対応力が上がっているので厳しいものがある。効率だけ考えたら創造なんてやってられない。。でも逆に考えると創造性以外のものは簡単に手に入る時代だともいえる。それ以外のことでは差をつけようがないので、最後は創造力の勝負になる。P46 ・現代将棋の要諦は「後回しに出来る手は、出来るだけ後にまわす」ことであると言う。最近私は仕事をする時に、できるだけこの「現代将棋の要諦」を参考にした「優先順位付け」をするように心掛けている。P78 ・参考「野球術」ジョージ・ウィル。P99 ・参考「勝負の視点」青野照一。P127 ・シリコンバレーの技術者連中の中にも10人に1人くらいの割合で、優れて社会性を秘めたタイプがいる。こういう人たちがのちに技術者出身ながらの経営者に転ずる事が多い。弱に若い頃からあまりにも社会性を強く持ちすぎていると、一つのことへの集中と没頭が途切れやすく、一途に一つの技術的専門を究めていく競争の段階で負けてしまいがちで、一流技術者になれないケースが多い。物静かだけれど芯が強くて、しかも社会性を秘めたタイプが、若き日の膨大な時間を投資して技術を究め、そして40歳を過ぎてから人間の総合力を発揮して経営者になっていく。P136 ・個人の手に負えないほど大きなことが周囲で起きた時に、私たち一人一人にできる事とはそれほど多くないと言う事。P143 ・参考「定跡からビジョンへ」羽生・今北。P146 ・参考「好機の視点」P170 ・参考「決断力」羽生。P182 ・谷川浩司、棋士には勝負師と研究者と芸術家の3つの側面がある。 ・野球などで、どんなに両チームの実力が均衡していたとしても1試合1試合がそんなにギリギリのところで接戦になるわけではないが、将棋はその確立が非常に高い。P240 ・羽生「答えがないときに何をすべきか、それが一番悩むところだ」P251 ・「超一流」=「才能」*「対象への深い愛情ゆえの没頭」*「際立った個性」P289
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大好きな梅田望夫さんの著書。日系ビジネスでも米倉(一橋)教授が推薦されていた。 著者が、将棋への愛に溢れ、永年の夢ともいえる将棋との本格的な関わりを心から喜んでいることがわかる。私は将棋のルールは全くわからないけど、2008年の将棋の名戦の「リアルタイム観戦記」には、「この次どう...
大好きな梅田望夫さんの著書。日系ビジネスでも米倉(一橋)教授が推薦されていた。 著者が、将棋への愛に溢れ、永年の夢ともいえる将棋との本格的な関わりを心から喜んでいることがわかる。私は将棋のルールは全くわからないけど、2008年の将棋の名戦の「リアルタイム観戦記」には、「この次どうなったの?!」とぐいぐい引き込まれた。 しかし、梅田さんは、人の描写が本当にすばらしい。例えば、124ページの棋士に共通する気質の描写。208ページの渡辺明棋士についての描写。そもそも人物観察ができないと書けない記述だけど、表現がとても豊富。この描写方法をお手本にしたいと思う。 他の梅田さんの本のインパクトがあまりに強く、本著はそれらと比較するとインスパイア度は低かったので、星を3つとしておく。 でも、心にひっかかる記述がひとつあった。 「将棋の世界では、情報に関する革命的な変化が急激に起きており、時間が非常に凝縮して、インターネットの世界のスピードよりも速く動いている。(中略) そして、グーグルに対抗できる日本最高知性は、産業界にいるのではなくて、羽生善治なのだ。」 〜 今後の日本を考えて行くうえでは、どうこの情報を処理したらいいんだろう。いつか何かの形で結びつくと思う。記憶の片隅にとどめておこう。 読んだ日: 8月11日 読んだ場所: 平塚→東京の東海道線内
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作者は『ウェブ進化論』(未読)で「Web 2.0」を流行らせて有名になった人です。現在はネットの世界から身を引いてるそうです。本書は、素人にわかりやすく現代将棋の楽しさを紹介してくれます。「将棋を指さない将棋ファン」のために、現代将棋の最高峰を究めたプロ棋士たち(特に羽生義治)の...
作者は『ウェブ進化論』(未読)で「Web 2.0」を流行らせて有名になった人です。現在はネットの世界から身を引いてるそうです。本書は、素人にわかりやすく現代将棋の楽しさを紹介してくれます。「将棋を指さない将棋ファン」のために、現代将棋の最高峰を究めたプロ棋士たち(特に羽生義治)の活躍が描かれます。昔将棋にハマった人は、きっと面白いと思うはず。 作者のネットでの発言は、過激に反応されることがよくあるけど、私は共感することの方が多い。
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09/04/26読了 将棋の世界の変革。その内因と外因をしっかり捉えて、将棋ファン以外にもわかる言葉で書いている。名著だと思った。
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将棋を観ることの面白さ奥深さを書かせたら、梅田さんの右に出る者はいないと思います。観戦記がものすごく面白いんだー!
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