リーダーシップ の商品レビュー
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本書はアメリカの海軍兵学校の生徒を主に対象として1959年に書かれたものの翻訳書。翻訳がこなれておらず、前半はあまり頭に入ってこなかったが、後半は具体的実践的な話になっており読みやすくなった。 海軍士官向けのリーダーシップ論であるが、企業におけるリーダーシップにも十分通じるもので、特にピラミッド型の大企業であればなおよく理解できると思われる。 ・リーダーシップは孤独な仕事 ・リーダーに共通と考えられる人格的特性 自信、知識、熱意、力強くかつ明確に表現する能力(口語・文章両方)、無能な不適任者をふるいにかける道義的勇気、大義のために何かをしようとする意思 国家に対する忠誠、肉体的勇気と精神的な勇気、名誉・正直・真実、信義、宗教的信仰、ユーモアのセンス、謙虚、常識と良い判断、健康・エネルギー・楽観主義 部下を名前で呼ぶ能力、寛容、良い聞き手、節制(酒に飲まれるな)、弁説の力、話しぶり、口頭による命令(明瞭で明確な指示)、集団の前で話すこと(わかりやすく、事前準備、コメディアンになろうとするな)、正確なスピーチ(読書や研究伝幅広い見識を持て)、書き言葉(言葉選びは細心の注意を払え、文章力を伸ばせ)、
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1959年に書かれた本。 戦後14年のアメリカ海軍が、非常に合理的にリーダーシップを捉えていた、ということがわかり驚きに満ちあふれている。 印象的な部分は、 ・心理学について歴史から書かれている ・軍隊は独裁的な組織であるが、平時は民主的でなければならない ・海軍は生き方である ...
1959年に書かれた本。 戦後14年のアメリカ海軍が、非常に合理的にリーダーシップを捉えていた、ということがわかり驚きに満ちあふれている。 印象的な部分は、 ・心理学について歴史から書かれている ・軍隊は独裁的な組織であるが、平時は民主的でなければならない ・海軍は生き方である といったところ。 精神主義一辺倒の日本軍との差があまりにも大きく愕然となるのと同時に、アメリカ人の合理性を思い知らされる一冊。
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陸軍に比べて、科学的で理路整然としてた(笑) 実践となるとなかなか難しい。 職場での、昇任試験に受かったので、覚悟を決めるために読んだ。 …それでどうしてアメリカ海軍士官候補生読本なのかというのは、それはそこ、私の感性の問題なのである。 正直、わが社の研修が不安になるくらい、...
陸軍に比べて、科学的で理路整然としてた(笑) 実践となるとなかなか難しい。 職場での、昇任試験に受かったので、覚悟を決めるために読んだ。 …それでどうしてアメリカ海軍士官候補生読本なのかというのは、それはそこ、私の感性の問題なのである。 正直、わが社の研修が不安になるくらい、向いている方向が違う。 判断力、指導力、行動力、を植え付ける方向の研修が多いわが社に比べ、アメリカ海軍はまず士官候補生に己を知れ、とくる。 それ、今現役?のわが社のお偉いさんにも言ってよーと思う。 いやいや、他人がどうこうじゃない。 自分がどうだ、とこの本は言っているのだから、私は私を知り、部下を知り、職務を知り、そこから行動していこう。 間違っても「俺が、偉くなりたい」「今自分がいるときだけでいい」なんていう方向に向かないように。
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リーダーシップとはひとりの人間がほかの人間の心からの服従信頼尊敬忠実な協力を得るようなやり方で人間の思考計画行為を指揮できかつそのような栄養を与えうる技術科学ないし天分 自分の時間や物質的利益を犠牲にしてもこの人格的な力を達成しようとする積極的意思があることを意味している リ...
リーダーシップとはひとりの人間がほかの人間の心からの服従信頼尊敬忠実な協力を得るようなやり方で人間の思考計画行為を指揮できかつそのような栄養を与えうる技術科学ないし天分 自分の時間や物質的利益を犠牲にしてもこの人格的な力を達成しようとする積極的意思があることを意味している リーダーシップは様々な職業に応じて必要条件を異にしている 階級組織においては 階級が上がるにつれてリーダーシップの形態も徐々に変化していくといえる 時代の社会的技術的環境の変化にともなって何年にも渡るような 人びとが制度的な社会機構に身を置く場合 およそ制度の立脚する原則を理解することができればよりよいリーダーになれることは明白である 一国の軍隊の特性は その国民に基づく
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良く考えたら当たり前の事、思い返して見るといい先輩だと思った人がやっていたことがわかりやすく書いてます。海兵隊向けかもしれないが人間関係の本質は変わらないので日常に当てはめて読めます。
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昔から「平家、海軍、国際派」というように、海軍は進歩的な存在の象徴だったりします。 それは海軍が戦闘中も非戦闘中も(床下一枚は地獄なので)二十四時間体制で団結している必要性があるからだったのではないでしょうか。 この本はアメリカ海軍の士官候補生に向けて書かれています。 その性質上...
昔から「平家、海軍、国際派」というように、海軍は進歩的な存在の象徴だったりします。 それは海軍が戦闘中も非戦闘中も(床下一枚は地獄なので)二十四時間体制で団結している必要性があるからだったのではないでしょうか。 この本はアメリカ海軍の士官候補生に向けて書かれています。 その性質上、士官候補生は配属と同時にいわゆる指揮官として配属されることが多くて、 たたき上げの人からするといきなり年下の上官が来たりして、 それはそれで心中穏やかではなかったりするわけです (この辺の悲哀は「きけ、わだつみの声」などをご参照のこと)。 というわけでリーダーシップの本です。 優秀なリーダーの下では生き残ることができるのに、 そうでないリーダーの下では全滅、なんてことがありがちな軍隊で書かれただけあって、 生死をかけたリーダーシップ論に背筋を張りながら読むことができました。 部下にとって上官が生死の鍵を握っているのと同様に、 上官にとっても部下の動きは生命線なわけです。 そのような場面ではリーダーシップが取れること自体が、 命を懸けたミッションだったという部分で、 今のぬるい自分の立場に身に沁みました。
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■全体として何に関する本か 本書は、1954年にアメリカの海軍兵学校の生徒を対象に書かれた「Naval Leadership」の翻訳である。アメリカ海軍兵学校はメリーランド州に1845年の創立されて以来、アメリカ海軍の士官候補生養成のための訓練が行われている。カーター元大統領も...
■全体として何に関する本か 本書は、1954年にアメリカの海軍兵学校の生徒を対象に書かれた「Naval Leadership」の翻訳である。アメリカ海軍兵学校はメリーランド州に1845年の創立されて以来、アメリカ海軍の士官候補生養成のための訓練が行われている。カーター元大統領も同校の卒業生である。 軍隊におけるリーダーシップは人間にとって最も過酷な状況である戦場でも発揮できる強力な力でなければならない。学校を卒業した士官候補生が、真のリーダーシップを身につけるためには何をするべきなのかが書かれた文献である。 企業のマネジメントと軍隊のリーダーシップは別のものではあるが、企業であっても軍隊であっても組織のリーダーになる者に求められる資質は共通点が多いと感じる。 ■何がどのように詳しく述べられているか 平時戦時を問わず、部下から常に信頼され、組織を統制できるリーダーに求められる資質について書かれている。リーダーシップについて書かれたビジネス書は数多く出版されているが、ビジネス書は「リーダーシップの手法」について書かれたものが多いのに対して、本書では「リーダーの人間性」について詳細に書かれている。リーダーの地位に昇格できるのも、部下からの信頼を手にするのも、結局は当人の人間性こそが全てであり、リーダーになる者は、ただ人間性を高めることに注力すべきであると書かれている。 これは、戦場など兵士が自らの生命を懸けるような極限状態であっても、部下を動かすことができるのは、上官への尊敬や信頼といった人間的、精神的動機以外の何ものでもないからではないだろうか。 リーダーの人格的特性としては「忠誠」「肉体的勇気と精神的勇気」「正直」「信義」「信仰」「ユーモア」「謙虚」「自信」などが挙げられている。これらは決して真新しい要素ではないが、軍隊でリーダーとなるべき者は、これらの全ての要素を非常に高いレベルで備えていることが必要である。逆に、これらの要素が一つでも欠いていれば、軍隊で部下から真の信頼は得られない。 ■その本は全体として真実か、どんな意義があるのか 真実であろう。人間性だけがリーダーの資質ではなく、教養、専門知識、体力など必要な要因は数多い。しかし、軍隊であっても一般組織であっても、人間性こそが最も大切であり、人間性を磨くことを怠ってはならないと改めて考えるようになった。 ■一番面白かったのはどこか、なぜ自分は面白かったのか 「規律と士気」に関する記述が面白かった。規律と士気(モラール)は切り離せない関係で、どちらが先に来るかは鶏と卵の論争同様、無意味であるという。士気のない軍隊には規律はありえず、規律のない軍隊に士気はありえない。これは軍隊に限らず、全ての組織に当てはまることであるとされる。 規律とは、「厳しさ、自由の制限、服従」といったマイナスなものではなく、民主主義の基盤である。規律は『全体の利益のために行う規制への服従、秩序ある努力の調整を目的とする規則の遵守』を意味する。 組織には、大小様々な規律がある。その中には、本当に不必要な規律もあるかもしれないが、ほとんどの規律が「組織の利益のため」つまり、組織の目的を達成するために設けられた規律であろう。士気は、組織が目的を達成しようとする熱意のようなものであるので、規律と士気は同じことである。 ナポレオンは、士気は物に比べて三倍も重要であると喝破したという。軍隊に限らずあらゆる組織において、組織の構成員の心理状態が重要であることは言うまでもない。私も最近、組織の抱える問題点は士気などの心理的な要因が大きいように感じていた。 本書では、リーダーの第一次的責任の一つとして「自分の組織内に規律を教え込むこと」を掲げている。規律にも士気にも特効薬のようなものはなく、リーダーが組織の目的に適合した形で根気よく醸成していくしかない。組織全体の士気を高めるには時間と労力を要するが、ナポレオンの言うとおり、組織の士気は物よりも遥かに重要であるため、その労を惜しむべきではない。
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軍隊とはいえど、ヒューマンスキルが必要であり、命令だからと言って機械的に指示を実行するわけではないというのは意外でした。 また、昔は学歴によって階級が決定される傾向があったが、現在は学歴や知識に差がなく、下手すると知識、経験についても部下の方が上であることも多いということ、戦争...
軍隊とはいえど、ヒューマンスキルが必要であり、命令だからと言って機械的に指示を実行するわけではないというのは意外でした。 また、昔は学歴によって階級が決定される傾向があったが、現在は学歴や知識に差がなく、下手すると知識、経験についても部下の方が上であることも多いということ、戦争が始まると人員が急激に増え、戦争が終わると急激に軍隊の人員が減る。人員が急激に増えてもオペレーションできるリーダーシップというのはどういうものかと、考えさせられました。
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50年前の本とは思えない。 軍隊も企業も組織という点では一緒だと思えた。 特に大企業には、軍隊の考え方は参考になると思える。 リーダーシップの本は色々あるが、同時にフォロアーシップを求めている点が納得できる。 本当のトップ意外は、リーダーであると同時にフォロアーでもある。 高次元...
50年前の本とは思えない。 軍隊も企業も組織という点では一緒だと思えた。 特に大企業には、軍隊の考え方は参考になると思える。 リーダーシップの本は色々あるが、同時にフォロアーシップを求めている点が納得できる。 本当のトップ意外は、リーダーであると同時にフォロアーでもある。 高次元でのバランス感覚と尊敬される人でないといけない事、が求められている。 定義だけでなく、現実的な例を述べているので、参考になる。
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士官室の作法には、 ・食堂の勘定などはすみやかに支払うこと ・艦上での賭け事、飲酒、避けるイ所持の禁止 ・食事には遅刻しない などが載っています。 面白いところでは、 飲酒の規則。 ・一人飲みしない ・勤務中に飲まない ・空腹時に飲まない ・疲労時に飲まない ...
士官室の作法には、 ・食堂の勘定などはすみやかに支払うこと ・艦上での賭け事、飲酒、避けるイ所持の禁止 ・食事には遅刻しない などが載っています。 面白いところでは、 飲酒の規則。 ・一人飲みしない ・勤務中に飲まない ・空腹時に飲まない ・疲労時に飲まない ・早飲みしない ・毎日飲む習慣をつけない ・飲みすぎたら、たえず動いたり、ダンス、食事、談話したりすること次回にはひと飲み減らすこと などなど。 頭が痛いですね。
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