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日本の難点 の商品レビュー

3.8

101件のお客様レビュー

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2012/02/27

宮台氏は2000年代に入りリアリズムになった。 90年代の自分探しの末、氏にシンクロして自殺してしまった若者の事件を機に変わった。 氏が生きる意味を考える事をやめたことで、自分も前に進む事ができたので感謝している。

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2012/02/21

面白いところもあった。教育論のところなどは共感もできた。 2009年に書かれたこともあり、 今ではかなり懐かしく感じる部分も。

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2012/02/09

この本を読んで、やっぱり社会と宗教は違うなあと思うんだけど、どこにその本質的な違いがあるのかもやもや。

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2012/01/18

(「BOOK」データベースより) 現代とは「社会の底が抜けた時代」である。相対主義の時代が終わり、すべての境界線があやふやで恣意的な時代となっている。そのデタラメさを自覚した上で、なぜ社会と現実へコミットメント(深い関わり)していかなければならないのか。本書は、最先端の人文知の成...

(「BOOK」データベースより) 現代とは「社会の底が抜けた時代」である。相対主義の時代が終わり、すべての境界線があやふやで恣意的な時代となっている。そのデタラメさを自覚した上で、なぜ社会と現実へコミットメント(深い関わり)していかなければならないのか。本書は、最先端の人文知の成果を総動員して、生きていくのに必要な「評価の物差し」を指し示すべく、「現状→背景→処方箋」の3段ステップで完全解説した「宮台版・日本の論点」である。

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2011/11/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

社会学者宮台慎司が、日本が抱える様々な問題を包括的に論じた本。 1人間関係 2教育 3幸福 4米国 5日本 五章に分けてものすごく色々なことを論じている。 0、はじめに 「社会の底が抜けた」 1、コミュニケーション・メディア論 「人間関係の流動性の上昇、すなわち関係を重ねることで蓄積される入れ替え不可能性が否定されている。」 これは実感できる。SNSなど希薄化するコミュニケーションを想像したい。今日たまたま会った人とFacebookで友達になる。10年以上の付き合いの親友も同じ「友達」として並ぶ。そこに序列はない。 facebookも友達の親しさを決められるようにしているが、それは単に写真の共有などのプライバシーの問題。関係の蓄積は考慮されない。 2、若者論・教育論 「コミュニケーションの二重化」 オフラインとオンラインの二重化。どう対応するか? むしろこれからは境界がなくなるのでは 「クレーマーの言い分を聞くことと、それを真に受けることは別問題」 その通りだが、危害を及ぼされそうになった時はどうしようか 力つきました… 11月1日に読書会で使用

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2011/10/25

社会システム論の観点から、重層的な日本の思考的再編を試みている。 「コミュニケーション」「教育」「幸福」「米国」「日本」の5つの章からなる構成。 面白かったのは第2章「教育」。 「ダメなものはダメだ」と言えることと、「本気を感染させられるすごい奴」の論考は興味深かった。 「『...

社会システム論の観点から、重層的な日本の思考的再編を試みている。 「コミュニケーション」「教育」「幸福」「米国」「日本」の5つの章からなる構成。 面白かったのは第2章「教育」。 「ダメなものはダメだ」と言えることと、「本気を感染させられるすごい奴」の論考は興味深かった。 「『いじめたらいじめられる』なんて理屈で説得できると思うのはバカげています。 世の中、弱い者いじめだらけだし、それで得をしている大人がたくさんいるのですから。 そうじゃない。『いじめはしちゃいけないに決まってるだろ』と言う人が どれだけ『感染』を引き起こせるかです。 スゴイ奴に接触し、『スゴイ奴はいじめなんかしない』と 『感染』できるような機会を、どれだけ体験できるか。 それだけが本質で、理屈は全て後からついてくるものです」(pp51-52) 本書の内容は決して平易ではない。 また語気も荒く、全肯定や全否定が並ぶ文章に些か違和感を覚える読者もいるかも。 ただ、著者はあえて相応の文意と難易度を設定して書いている、気がします。 事柄の理解は目的ではなく過程。その理解を下敷きに変えることが目的だから。かしら。

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2011/10/08

本人もあとがきで触れているように、「宮台版・日本の論点」。 執筆されたのが、少し前ということもあって、多少ネタは古くなった感はあるものの、論じられているテーマの多くは、(というか殆どは)解決されず、未だ「日本の難点」となっているものばかり。 今後の日本をイメージする上で、読ん...

本人もあとがきで触れているように、「宮台版・日本の論点」。 執筆されたのが、少し前ということもあって、多少ネタは古くなった感はあるものの、論じられているテーマの多くは、(というか殆どは)解決されず、未だ「日本の難点」となっているものばかり。 今後の日本をイメージする上で、読んでおくべき一冊であるし、行政的な施策提言が盛り込まれつつも、最終的には、チェ・ゲバラに代表される「感染的模倣=ミメーシス」が社会を変えるという締め。明治、戦後と憂国の志士が胸に抱き続けたであろう観念は、クルーグマン教授よろしくグローバル化した空間経済圏においても、変わりはない。

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2011/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

非常に幅広いフィールドを持つ著者。 近年の若者文化を、「関係性から記号性へのシフト」とまとめ、 社会の包摂性の欠如に大きな危機感を抱く。 国家は個人の自立ではなく社会の自立を支援すべきと喝破する。 感染的模倣の重要性を説く。それは合理性、利己性を超えた衝動に突き動かされて行動する姿に影響される姿。 裁判員制度に伴う正統性の危機(ポストモダン)に関する問題。 環境問題の重要なポイントは、「地球環境が政治問題を超える」のではなく、そうした主張も含めて政治問題の内部にあるということ。 〈システム)の外を生きる「我々」-のために〈システム〉が手段として利用されるのではなく、〈システム〉が作り出した”理想のワタシ”のために〈システム〉自体が応えるマッチポンプ。自己の自明性の空洞化が生じ「自分探し」のブームの到来。

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2011/08/19

社会学の知識がほとんどない自分にとっては、かなり読み応えがあり、とくに著者の主張については難解な内容も多い1冊でした。それでも何とか読み切れたのは、著者の考えのベースにある、「底の抜けた社会」を感じていたからかもしれません。 自分にとって、依るべきコミュニティは存在しません。家...

社会学の知識がほとんどない自分にとっては、かなり読み応えがあり、とくに著者の主張については難解な内容も多い1冊でした。それでも何とか読み切れたのは、著者の考えのベースにある、「底の抜けた社会」を感じていたからかもしれません。 自分にとって、依るべきコミュニティは存在しません。家庭も、地域も、家族も、会社も、ネット社会も、自分がなすべき役割を演じる場、つまりロールプレイの舞台でしかなく、「素の自分」を受け入れてくれるコミュニティにはなりえないといえます。 結局どこに行ってもうわべの付き合いしかできていないし、それゆえに友達や師と仰ぐ人物に出会うこともありません。とはいえ、現代社会がうわべの付き合いしか許さない社会だと理解しているので、私はそこで生きていくしかないと割り切っています。 実際には、うわべではない、心からの付き合いというのが、現代社会にも残っているのかもしれません。自分もそれを見つけられれば、本当の意味での友人や師を得ることができ、人間的にももう一段二段と成長できるのかもしれませんが、そうだと信じるにはまだ時間がかかりそうです。 さて、この書籍は、米国でオバマ大統領が就任した直後、日本で民主党が政権を奪う前に書かれたものです。政治的な見解については、日本の民主党の政策に重なる部分があるのですが、著者がその後どのように考えているのか、興味を持ちました。これはもっと新しい著書に書かれているのだと思いますが。 底の抜けた社会、自分の感覚ではコミュニティが存在しなくなった社会で、声の大きな人間が皿に声を張り上げるようになっています。社会の歯止めが利かなくなっているんですね。著者の宮台氏は、基本的にそのようなクレームを一切真に受けない、声の大きなものに決して迎合しないという態度を取っていますが、それだけ自分の発言に自信と責任を持っているのだろうと感じました。 ただ、正しいというのとは違う。政治も社会も教育も同じですが、人の判断は「必ず」誤る、そして「判断しないこと」も判断だという立場にいます。だから誤ることを前提とした社会の構築が必要であり、現代の日本社会に決定的に欠けているのが、誤り前提の視点だということです。この考え方は自分の中にはなかったし、非常に印象深く受け取りました。 社会自体が誤りを受け入れていないから、目の前の問題を解決すればよくなるか、それでダメなら社会全体をひっくり返すしかないと考えてしまい、結局何ら手が打てなくなる袋小路にはまっています。 それをどうすればいいのか、自分にはわかりません。宮台氏も何かを伝えようとしているのですが、自分には難解で理解しきれませんでした。 最後に、 「周囲に『感染』を繰り広げる本当にスゴイやつは、なぜか必ず利他的です」。 このフレーズは、すごくわかる。リーダー論でもあり、自分が師を見つけられない理由にもつながってくるのではないかと思うのです。

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2011/07/31

著者初の新書ということで注目を集めた本だけに購入。久しぶりの社会学本で学部時代にゼミで学び議論しあった用語が新鮮に感じられた。しかし言葉が難解で著者は、「本書が難解だとすれば表現の難易度というよりも社会そのものの複雑さによる」としているが、平易な文章に読み慣れた私には、いささか読...

著者初の新書ということで注目を集めた本だけに購入。久しぶりの社会学本で学部時代にゼミで学び議論しあった用語が新鮮に感じられた。しかし言葉が難解で著者は、「本書が難解だとすれば表現の難易度というよりも社会そのものの複雑さによる」としているが、平易な文章に読み慣れた私には、いささか読み砕くのに時間がかかった。  しかし、時事的な内容を盛り込みながらここまで人間関係・幸福・教育・米国・日本を、社会学的な概念装置で串刺しにして明らかにできる氏の明晰さには改めて驚かされる。彼はシニカルな笑みをたたえながら、決して情に流されないスタイルでモノを語る人だなと昔から感じていたが、安易にそこに流されるのではなく、逆に「抽象度を上げて」語ることで逆に問題点を的確にあぶり出そうとする、彼なりの真摯さなのだなと改めて感じた。  利他的に生きる者への「感染」、<生活世界>の再構築、社会的な「包摂」の可能性を、グローバリズムの現実を直視しながら探っていく、社会学者としての使命に裏打ちされた良書であった。  また、本書を読むことで社会学という学問の有効性を再認識した。ありがちな政策論、ノウハウ本、ビジネス書、経済本においては、目に見える物事を題材に、具体的な社会のあるべき姿を議論しがちである。しかし社会学というパースペクティブを通すことで、トピックの抽象度を下げずに、いわばメタ認知的な用語を駆使して議論を積み重ねることで、そこから導き出される「解」を組み合わせながら、現実を考えていくことができる。具体的な政策が本書では出てこないことにこそ、逆に、抽象度を下げずに、正確に正解を出そうとする社会学の地道さ・有効性をを感じることができ、その意味では本書は、「社会」というものを真摯に考える人すべてにとってのスタートでありゴールの一冊だと言えよう。

Posted byブクログ