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日本の難点 の商品レビュー

3.8

101件のお客様レビュー

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2017/08/26

ん~… 言いたいことは分かるし、概ね筆者に同意しますが、議論があっちこっちしていて理解しづらく、しかも「その理屈をこの理屈と重ねる!?」みたいなところがあって若干の強引さが気になりました(特に序盤から中盤)。 僕の評価はA-にします。

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2015/10/28

宮台さんはなんとなく「右寄り」という印象があって敬遠してたんだけど、僕には合わないところも、もちろんありつつも、参考になることも書かれていて面白かった。でも個人的には自分と違う意見って、改めて自分を知るなぁ・・・。

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2015/08/20

社会学の観点から現状を精緻に分析した挙句に、「長期的な視点での危機から脱却する方策は分かっているのだが、仕方なく目の前の利益を取る」のではなく、「あえて不合理に利他的な道を選ぶ」という突飛な解決策にたどり着いた。本当に叙事詩を読んだみたい。

Posted byブクログ

2023/08/01

現代の日本が直面しているさまざまな問題に対して、著者が解決の道筋をクリアに示した本です。 著者には、一問一答式でさまざまな問題に回答を示した『これが答えだ!』(朝日文庫)という本もありますが、本書はそれよりももうすこし説明がくわしく、とくにパーソンズやルーマン、ギデンスといった...

現代の日本が直面しているさまざまな問題に対して、著者が解決の道筋をクリアに示した本です。 著者には、一問一答式でさまざまな問題に回答を示した『これが答えだ!』(朝日文庫)という本もありますが、本書はそれよりももうすこし説明がくわしく、とくにパーソンズやルーマン、ギデンスといった社会学者たちの考えを現実の問題にあてはめる著者の「手つき」を見て学ぶことができるという意味で、おもしろく読むことができました。 「生活世界」が自明視され、便利な「システム」を利用すると素朴に信じられていた時代が「モダン」(近代)であるとすれば、「システム」が生活世界の全域を覆ってしまい、社会の「底が抜けた」感覚がひろがるのが「ポストモダン」です。ポストモダンでは、人びとは共同体のくびきから解き放たれて、あらゆることが再帰的な自己決定の対象となります。正統化の危機に直面するポストモダンにおいても、社会がまわりつづけるためには「みんな」への「価値コミットメント」が必要です。そして、ミードとパーソンズに始まる現代社会学は、「如何にして「みんな」への「コミットメント」は可能か」という問いを追求してきたのだと著者は述べます。 そのうえで著者は、ロマン主義的な「生活世界」への回帰を唱える「馬鹿保守」を批判し、「システム」の全域化というポストモダンの現状を認めたうえで、「生活世界」を再構築することに向けての再帰的なコミットメントの必要性を主張し、「社会の自立」と「社会的包摂」が急務だと論じています。

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2014/07/26

現代世相の斬り方が気持ちよい。「本気」度が、あれば人はついてくるというのは、わかる。アメリカの成り立ちを宗教的に捉え、日本との比較によって日本の現状を論じるあたりは、とても参考になる。

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2014/06/30

この人の言葉の選び方が好きだ。 専門的な語彙と平易な語彙のバランスが心地いい。 こんな風に、社会で起っていることをきちんと堀下げて考える事って、やっぱ大事。

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2014/06/18

 90年代の氏の著作に感銘を受けつつ、その後15年以上放置状態にあったが、本作でひさびさに宮台節を聴く。  難点が故か、結構難しい・・・。これ以上平易に記述不能と氏は言うので、もっとほりこんだ読みが必要かもしれない。が、そうさせようと思うほどのパワーを感じる次第。結局どうなのよと...

 90年代の氏の著作に感銘を受けつつ、その後15年以上放置状態にあったが、本作でひさびさに宮台節を聴く。  難点が故か、結構難しい・・・。これ以上平易に記述不能と氏は言うので、もっとほりこんだ読みが必要かもしれない。が、そうさせようと思うほどのパワーを感じる次第。結局どうなのよという点についても、ある程度明快な結論を提示している点がすっきりしていて良い。しばしばそうでない論客がTVではお目にかかれるもので。  無論色んな視点から書にある各種問題は論じることができる。が自ら言うように、一通りの課題群を一気通貫で論じるという意義は非常に深いと思う。明日への思考の一助となるということで、勝手に気をはいている状態になった。

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2014/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者の本は初めて。人間関係や教育、日本の社会や民主主義について章立てして著者の考えを述べています。 関心を惹かれる部分は多かったですが、まずは日本の民主主義について書かれた中での”民主主義の不可避性と不可能性”の部分が印象に残りました。 単語の概念が難しい(ここに限らず…)ですが、”民主的決定であれば正しいということはあり得ないし社会の複雑化に伴って益々あり得なくなる。かといって、一部のエリートに任せてもうまくいくわけでもない。そうなると民主的決定に任せるしかなくなる。” ”この状況を何とかするには、民主的なプロセスで「様子を見る」→そこでの社会学的啓蒙を通じて民主主義を社会的なものにしていく他ない” と。この後半部分は具体的にはイメージしにくいですが、別の個所でこうも述べています。 ”社会には移ろいやすい庶民感覚や生活感覚をあてにしてはいけない領域があり、感情的反応から中立的な長い歴史の蓄積を参照できる専門家をあてにすべき領域が確実に存在し(例示で司法制度)、その領域を毀損すると庶民感覚や生活感覚に従う「市民政治」自体が疑念の対象になる。” この辺りを読んでいて思い出したのは、トクヴィルが150年以上前に主張した民主主義に拙速さを求めるべきではないということ。恐らく日本でしばしば耳にする、”参議院廃止”や”政治にも企業なみの意思決定速度を”などは、個人的にはやはり少々危険な気がします。 他にも、国家(行政)は、”個人の自立”ではなく”社会の自立”を促すべきとの主張や、子育てに関する興味深い主張が展開されています。

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2013/12/11

「ポストモダンでは、第一に、社会の「底が抜けた」感覚(再帰性の主観的側面)せいで不安が覆い、第二に、誰が主体でどこに権威の源泉があるのか分からなくなって正統性の危機が生じます。不安も正統性の危機も、「俺たちに決めさせろ」という市民参加や民主主義への過剰要求を生みます。 不安や正統...

「ポストモダンでは、第一に、社会の「底が抜けた」感覚(再帰性の主観的側面)せいで不安が覆い、第二に、誰が主体でどこに権威の源泉があるのか分からなくなって正統性の危機が生じます。不安も正統性の危機も、「俺たちに決めさせろ」という市民参加や民主主義への過剰要求を生みます。 不安や正統性危機を民主主義で埋め合わせるのは、体制側にも反体制側にも好都合です。体制側は危機に陥った正統性を補完でき(ると信じ)、反体制側は市民参加で権力を牽制でき(ると信じ)るからです。」 社会の底が抜けたポストモダンにおいて、関係性の学である社会学に何ができるのかはよく分からなかったけれど、立脚する大地のない思想は根付かないので、いつも上からか下からか眺めているだけなんじゃないかと思われる。

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2013/09/02

「普遍主義の不可能性と不可避性」の視点から日本の課題を分析する一冊。ポストモダンを生き抜く視点を提示してくれます。

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