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日本の難点 の商品レビュー

3.8

101件のお客様レビュー

  1. 5つ

    17

  2. 4つ

    44

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

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2021/03/10

初版から干支が一回りしているのに論旨が全くぶれていないことと難点が相も変わらず難点であり続けている事実を突き付けられて驚き、おののく。 この十二年でこれらイシューへの氏の対処はより過激で直截的な言動に変わった。もどかしかったのだろう。 「クズ」「ケツナメ」「ウヨ豚」「ヒラメ・キ...

初版から干支が一回りしているのに論旨が全くぶれていないことと難点が相も変わらず難点であり続けている事実を突き付けられて驚き、おののく。 この十二年でこれらイシューへの氏の対処はより過激で直截的な言動に変わった。もどかしかったのだろう。 「クズ」「ケツナメ」「ウヨ豚」「ヒラメ・キョロメ厨」「言葉の自動機械」「法の奴隷」・・・。 これらのキャッチが生まれる前夜、起源が余すところなく記されていて興味深い。 「これがのちのケツナメである・・・」というナレーションが聞こえてきそうだ。

Posted byブクログ

2021/02/17

本著から10年過ぎて日本情勢はどう変わったのだろうか。肌感覚ではあまり進展を感じない事の方が多い。むしろ諸外国との付き合い方、日本の立ち位置では難度が増しているのかもしれない。感染症による世界レベルの危機、オリンピック延期など日本にとっては改めて自国を見つめ直すチャンスなのかもし...

本著から10年過ぎて日本情勢はどう変わったのだろうか。肌感覚ではあまり進展を感じない事の方が多い。むしろ諸外国との付き合い方、日本の立ち位置では難度が増しているのかもしれない。感染症による世界レベルの危機、オリンピック延期など日本にとっては改めて自国を見つめ直すチャンスなのかもしれない。難しい話も多々あったが、今だからこそ考えさせられる一冊だった。

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2020/12/25

社会学者の宮台真司氏が、現在(2010年発行)の日本が抱える様々な問題について語った本。 何やら小難しくて訳が分からない部分も多々あったが、こんな風に色んな角度から日本について語れるその知識に圧倒された。 世界にも日本にも、どうにもならないような問題に満ち満ちている事があらた...

社会学者の宮台真司氏が、現在(2010年発行)の日本が抱える様々な問題について語った本。 何やら小難しくて訳が分からない部分も多々あったが、こんな風に色んな角度から日本について語れるその知識に圧倒された。 世界にも日本にも、どうにもならないような問題に満ち満ちている事があらためてわかった。

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2019/01/06

Amazonなんかのレビューを読むと、なんでわざわざこんな分かりにくい言い回しをするんだ!と非難轟々のようです。 確かに、オリジナルな用語を注釈なしで使っている場面も目立つし、分かりやすい章節と分かりくい章節が混在している印象は受ける。 全体にスノッブ臭が漂っているのも確か。 け...

Amazonなんかのレビューを読むと、なんでわざわざこんな分かりにくい言い回しをするんだ!と非難轟々のようです。 確かに、オリジナルな用語を注釈なしで使っている場面も目立つし、分かりやすい章節と分かりくい章節が混在している印象は受ける。 全体にスノッブ臭が漂っているのも確か。 けど、全体を通読すると、言いたいことは明瞭で至極シンプルなんじゃないかと思います。 (ちなみに自分は宮台氏の著作を読むのは初めてです。) 現代国語の問題解くわけじゃないんだから、あんまり一字一句全てを理解しようと思わなくてもいいなじゃないか…と思ってしまうのですが。 コミュニケーション、教育、政治、宗教、安全保障、農業…とテーマは幅広いですが、日本の社会から包摂性が失われてしまったことがすべての根底にあり、それを取り戻すための処方箋が必要だ、という問題意識はいたって明確。 個人的には、本来の新自由主義においては「小さな政府」と「大きな社会」を両立する考えであったという話と、日本の裁判員制度への批判を展開した部分に、深く感銘を受けました。

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2018/12/30

1.どの話が印象に残ったか?それはなぜか? ・関係の履歴からシーンの羅列へ(p27) →人間関係をわかりやすく表現している ・重武装化に賛成してくれるなら謝罪は何回してもかまわない(p37) →戦略あれば手段は選ばず ・人間はなぜか利他的な人間の「本気」に「感染」する(p52) ...

1.どの話が印象に残ったか?それはなぜか? ・関係の履歴からシーンの羅列へ(p27) →人間関係をわかりやすく表現している ・重武装化に賛成してくれるなら謝罪は何回してもかまわない(p37) →戦略あれば手段は選ばず ・人間はなぜか利他的な人間の「本気」に「感染」する(p52) →感染させられる人間になりたい ・コミュニケーションの2重かによる疑心暗鬼(p59) →ネット普及の功罪? ・早期教育に駆られる親は子供から見て「スゴイ奴」からほど遠い(p93) → 早期教育気になってましたが、やめます。 ・完璧なゾーニングは「多様な者たちの共生」の原則に反する(p143) → お受験もゾーニング? ・大統領選挙は「分裂」と「再統合」の模擬再演(p157) → だからあの盛り上がりかと納得 ・安全保障とは総合パッケージ(p180) → 国を俯瞰することが重要。国の危機は軍事的行動だけではない ・議院内閣制は2権分立(p183) → はっきり言ってもらえてこれまでの違和感解消 ・誰かなんとかいってやれよ問題(p240) → 自分で考えることを教えられていない結果 ・わかっているけど仕方ない(p274) →日本人全体の悪い癖。自分も時々出てくる。  2.本から得た事をどう生かすか? ・若者論・教育論 子供の教育に活かしたい。子供から見て「スゴイ奴」と思われる親になるために「利他的」を実践。  たくさんのものを見せて経験させる。 3.突っ込みどころ ・全体的に、わざわざ難しい言葉を使ってないか?

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2018/10/15

敵ではないことはわかる。 しかし、内容はかなり難しい。専門性を問われる。解説的なものではないというか、おれが正しいのだから、俺以外のやつはみんな間違っているがごとく。そういうところは、賢いとはとても思えない。少なからず人としては浅い。 個人的は、批判だけならだれでもできると思...

敵ではないことはわかる。 しかし、内容はかなり難しい。専門性を問われる。解説的なものではないというか、おれが正しいのだから、俺以外のやつはみんな間違っているがごとく。そういうところは、賢いとはとても思えない。少なからず人としては浅い。 個人的は、批判だけならだれでもできると思う。 それは、最終章だけば少しヒントになるかもしれない。

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2021/08/08

かなり乱暴に要約すると、最近よく取沙汰される社会問題の要因は人と人の関係が希薄になっていること、そして、それ故に行き詰まった人を拾う仕組みがないことだと解釈した。以前から宮台氏に一目おいていたこともあり、特に教育論若者論は共感できるところが多かった。 しかし最近人文系の書物を読...

かなり乱暴に要約すると、最近よく取沙汰される社会問題の要因は人と人の関係が希薄になっていること、そして、それ故に行き詰まった人を拾う仕組みがないことだと解釈した。以前から宮台氏に一目おいていたこともあり、特に教育論若者論は共感できるところが多かった。 しかし最近人文系の書物を読んでないせいか、引用が多すぎて返ってわかりにくい箇所が多かった。

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2018/07/22

宮台真司の本を読むのは初めて。だって、テレビや論壇でお目にかかると、何か人をバカにしたようなひねくれ者って感じでハナにつくじゃない。確かに読んだこの本もそうだった。 でも「社会的包摂」に注目し、それを重視した社会を築くことがいじめや基地問題、そのほか数々の現代日本の難点をすくうこ...

宮台真司の本を読むのは初めて。だって、テレビや論壇でお目にかかると、何か人をバカにしたようなひねくれ者って感じでハナにつくじゃない。確かに読んだこの本もそうだった。 でも「社会的包摂」に注目し、それを重視した社会を築くことがいじめや基地問題、そのほか数々の現代日本の難点をすくうことになるという主張には大いにうなずける。もう少し理想家肌的なところから社会的包摂を学んできた自分だけど、ある意味、それ以上に現実的かつ急先鋒として社会的包摂のある社会構築を論じているといえる。 書かれたのはリーマンショック直後の2009年であり、東日本大震災も知らない10年近く前のこと。震災を経験し第二次安倍政権が跋扈する現代なら、どう論じてくれるだろうか。

Posted byブクログ

2018/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2009年刊。著者は首都大学東京教授。  著者が現代(ただし刊行09年なので、フクシマ前、民主党政権誕生期、オバマ政権誕生時の枠内)を多様に解読する書。  テーマは➀人間関係、➁教育、➂幸福(幸福追求と自己決定)、④アメリカ、➄➀~➂以外の日本の問題である。  著者だからだろうか、読みながらふむふむとなる一方、うーんとさせられるのも彼方此方で、いつもの宮台節を読まされただけの印象は残る。  また著者自身「ゆとり教育」導入につき自省的・自戒的に回顧した点など、著者が掲げる社会システム論単独の限界を言外に語る面は存する。  ところが、その問題の矛先を教科書検定制度に持っていく辺りが、社会システムを強調する立場だからとはいえ、現場を知らなさすぎるのでは(あるいは、第三者が行った現場の声のリサーチをフォローしていない)との印象もないではない。  その上で、いつも思うのだが、➀難しいことを上手い比喩で説明するなぁということと、➁その比喩のリーダビリティに誤魔化されがちだが、論理展開がおかしく(というよりも文章をさほど練らず、推敲せず)、すらすら読めずに、何が言いたいのか、ここで書いている理由・根拠・証拠は何だと立ち止まって考え込まされる。➂哲学用語・思想用語を何の衒いもなく(つまり定義付けをしないまま)、過度に用いてしまい(権威付け?、文体装飾?)、いやいやここでそれはホントに関係あるか、と思うことが多々あるのも、実に著者らしい(勿論、簡単な説明を施しているものもある。特に自分が創出した用語は)。  とはいえ、主題とは関係性が乏しいということで批判的に指摘した教科書検定制度の問題だが、その記載内容は個人的に著者と同意見であるなど、説明論理と関係のない観点では納得するとの読後感(ケムに巻かれた感)を生むのは、もはや名人芸と言っていいのではと。  その中で、論理的説明とは関係のないレベルで印象に残る点を幾つか。  ➀雑誌(論壇雑誌)の休刊が齎す発表媒体の不足。立場如何を問わず、若手の表現機会の減少の恐れとその負面。  ➁「金の切れ目が縁の切れ目」関係性の蔓延が行き過ぎていた社会。  ➂東大・東京外大・旧都立大で学生に教授してきたが、10年前くらい(つまり2000年頃)から、ⅰ)学生のコミュニケーションの質の低下と共に、昔開講できていたゼミが開けない。ⅱ)学術書の読解力が著しく低下=思考力が低下し、試験で課していた長文記述のレベル低下は目に余る。  ➃ネオリベ的社会。その政策的内実は、「小さな政府」かつ「大きな社会包摂」でなく、「小さな政府」かつ「社会包摂は小さいまま」でしかない。  ➄「(個人・人間の)尊厳」の重要性を承認した上、マズローの欲求階層が上昇すれば(生存⇒所属や愛⇒承認⇒自己実現の欲求)、尊厳の内容の自明性は失われ(多様化)し、また生活水準上昇で「尊厳」の質的な要求水準も上がり、これら両面から「尊厳」の内容に関して、社会における合意形成は困難になってくる。  ➅ドイツでは、多様な過去の罪を政府が代表して謝罪するのではなく、反省を未来に向けての意思表明につなげる。その意思表明が、個人補償やナチ戦犯の時効廃止という行動であり、これをもって周囲の信頼を勝ち取る。  ➆ナンパの極意はイケメンであるかではなく、無害を醸し出すファーストコンタクトにあり。それを20歳前後の人は知らないのではないか。 等々といったところか。

Posted byブクログ

2018/03/10

如何に自分は正しかったか、そしてブレてないか、2割。 如何に自分の子育ては正しいか、1割5分。 如何に論壇人はバカか、1割。 社会システム理論によると・・・、2割5分。(数値は全部評者による推定) 要らないんですけどね、そういうのは。 だから新書にしては、少し厚めになっちゃうんで...

如何に自分は正しかったか、そしてブレてないか、2割。 如何に自分の子育ては正しいか、1割5分。 如何に論壇人はバカか、1割。 社会システム理論によると・・・、2割5分。(数値は全部評者による推定) 要らないんですけどね、そういうのは。 だから新書にしては、少し厚めになっちゃうんですよ。 大学の講師が生徒を食事に誘うくらいでセクハラ扱いされるアメリカ流の風潮は、あほらしい。 そういうのは、フランス人に馬鹿にされるんだよ。大学の講師が女子学生とつきあう権利を奪うのか、 と言ってね、というくだりは笑ってしまった。 というのは、学生時代に、後輩の女の子と一緒にいたとき、宮台氏から彼女の携帯に電話がかかってきたことがあって、 そのとき、受話器から漏れるミヤダイ先生の声は、内容までは聞き取れないまでも、ものすごーく、彼女に甘えた声、 一方の彼女は、「今、先輩とかといるから後でね。」と一生懸命彼をなだめる、という何ともトホホな光景。 いや、まあ、いいんですけどね。 とやかく言う筋合いもないし、そもそも他大の講師だし、 偉そうな文章を書いている人が、人間的にも偉くなくちゃいけない、ということでもないですから。 しかし、どんなに彼がかっこよく文章を書いても、 自分の場合、その光景が先に頭に浮かんでしまうので、ちょっと説得力が、ねぇ。 ともあれ、私が、学生であることを辞めたのは、2000年代の初め、911が起きたころ。 だから、それ以降のアカデミズムとか論壇の動きとかは、ほとんどスルーだったわけですが、 まあ、スルーしててよかったのだと、確認できたのは、よかった。 知らぬ間に文化相対主義とか、社会構築主義とかいうのは、終わっていた、らしい。 で、教育論になると、結局説明が曲がりながらも、自分の麻布での経験に落ちてしまうのは、仕方ないところか。 スゴい人に感染させて、スゴい奴に育てるというのが、教育論の骨格のようですが。 ただ、そのスゴい奴というのは、中学受験を含めた早期教育では作りがたいというあたりは納得いくのですが、 結局スゴい奴は、ガリ勉型でない麻布の生徒で、大学受験前の一年で成績をごぼう抜きで、東大も首席で、 利他的なのだ、というあたりで、ちょっとなぁ。 結局私立中・高・東大の枠の中での話ですか、と。 経験の部分では、「自分の年代では」、と微妙にずらしているようですが、ずらしきれてはいない、 というか意図的ですね、これは。 一方では、そうではない世界、として、いきなりヤクザの話に飛んで、 ここもまた、自分はヤクザと付き合いがあるとかいう、なんとも嫌みな感じを出してしまっている。 損だと思うんですけどね。こういう書き方。 まあ、自分は公立中学出身だし、ヤクザの息子にボコボコにされた経験もあるので、 そういう文脈での嫌みな人間には、ならなかったのかもしれず、そこは幸いだったと思います。 でも、子どもに中学受験をさせるような親は、 自分の子をそういう意味でのスゴい人に育てたいわけではないんだろうと思いますよ。 どんなに浅ましいと言われても、せいぜいがキャリア官僚になってくれさえすれば万々歳というところでしょう。 ちなみに、天皇制についての記述は、今回はみたところゼロです。

Posted byブクログ