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小説フランス革命(3) の商品レビュー

3.3

14件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2020/01/19

 物語フランス革命の第3巻、この号ではタレイランが登場して、バスチーユの陥落から一年たった頃までの様子が描かれる。革命後少し落ち着いてしまい、ブルジョア階級が幅を利かせ始めてしまった頃、革命を起こした人たちも左派と右派に分かれて議会で議論を繰り返している。その対立んも様子がなかな...

 物語フランス革命の第3巻、この号ではタレイランが登場して、バスチーユの陥落から一年たった頃までの様子が描かれる。革命後少し落ち着いてしまい、ブルジョア階級が幅を利かせ始めてしまった頃、革命を起こした人たちも左派と右派に分かれて議会で議論を繰り返している。その対立んも様子がなかなかいままで理解できていなかったが、この物語で少し雰囲気がわかってきた気がする。

Posted byブクログ

2019/03/29

革命の舞台はヴェルサイユからパリへ。 これまで特権的立場を追及されなかった聖職者がいよいよ槍玉に挙げられ、彼らの地位を巡る議論が発展する。 この改革を精力的に推し進めたのは、自身が高位聖職者であるオータン司教・タレイランだった。 一方、無私の気概で奮闘を続けるミラボーは、王家と内...

革命の舞台はヴェルサイユからパリへ。 これまで特権的立場を追及されなかった聖職者がいよいよ槍玉に挙げられ、彼らの地位を巡る議論が発展する。 この改革を精力的に推し進めたのは、自身が高位聖職者であるオータン司教・タレイランだった。 一方、無私の気概で奮闘を続けるミラボーは、王家と内通、王権の擁護に努める。 高位聖職者であるタレイランが自らの立場を不利にする改革を積極的に進めるのは何故に?という素朴な疑問から入りましたが、そうかそうかw 聖職者という自分の身分が気に入らないのなら、野心満々のタレイランにとって革命は絶好の機会ですから、それもありですね。 ラ・ファイエットの軽薄さに拍車をかけて、タレイランの横暴さも気にいらない。 「自分のケツは自分で拭きやがれ」とでも言ってやりたいもんです。 右派左派ブルジョワ層の対立の構図も、またしても、ミラボーの活躍なくしては何も進まないということを痛感した次第です。 ロベスピエールもいいところまで育ってきているのですが、まだまだミラボーから学んで欲しい。 カミーユも自立して欲しい。 「聖者の戦い」というタイトルではありますが、聖職者が本当に聖者なのか?と疑問を投げかけずにはいられません。 既得権を手放したくないのは、いつの世も変わらないものですね。

Posted byブクログ

2018/03/04

第3巻は教会改革(というか破壊)を軸に、いろんな人物が忙しく動き回る、1789年秋から、バスティーユ陥落1年後の1790年夏までのお話。主役はタレイランかな?超名門の家柄を背景にした鷹揚さと持って生まれた目上目線と、自分の脚の悪さが根っこのコンプレックスが複雑に絡み合ってなかなか...

第3巻は教会改革(というか破壊)を軸に、いろんな人物が忙しく動き回る、1789年秋から、バスティーユ陥落1年後の1790年夏までのお話。主役はタレイランかな?超名門の家柄を背景にした鷹揚さと持って生まれた目上目線と、自分の脚の悪さが根っこのコンプレックスが複雑に絡み合ってなかなか魅力的な人物。ミラボーはこの巻ではまぁまぁ体調も良さそうで、悪友仲間のタレイランと教会どうするか問題について知恵を絞り実行に移してく。実行力あるなこの人は。ますます尊敬。議会も右派左派中道の区分けが明確になり、小僧っ子だったロベスピエールは熱い理想を衰えさせることなく、ミラボーに学んだ演説術に磨きをかけ、そして熱烈な応援団を得て、徐々に注目の人物となっていく。この熱い応援団筆頭がダントン!すごいマンガチックな人物。ここだけ劇画タッチ。そして最後、サン=ジュストからの熱烈なお手紙を読むロベスピエールの場面で終わるって役者が揃い始め、破滅への序曲が聞こえてきた…。 既得権益の1つ宗教とどう対峙するかは、特に国の枠組みを超えたキリスト教が存在するヨーロッパでは、とても大きな問題ではなかろうか。明治維新は仏教を弾圧したと思うけど、それが遠くインドから抗議を受けたとは聞かないし、あくまで国内問題で収まってると思うけど、キリスト教はローマがあるから下手すると外交問題さらには戦のきっかけになりかねず。でもフランス革命は聖職者が守りたかったのは神秘性であるというのが興味深かったし、なんか納得もする。神秘性あっての財産や人望ですから。それさえ失わなければいつかまた宗教者が復権するにではと考えたのかもしれないけどあいにく科学の時代が来てしまった…。 もう1つ、戦争をする権利があるのは王か議会かという話。国民主権なんだから議会で決めればいいと思うけど、戦う相手国がどこも帝国主義国家の場合、同じルールで戦えない気がして、なんて難しいんだとめまいがした。国の運営って本当に考えることがたくさんあって、次善の策しか選べない。でもフランス革命はきちんと議論してもちろん工作もして、折り合うところを見出して、でも理念は変えない。このエネルギーに感動する。

Posted byブクログ

2016/07/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 急にタレイランが出てきて、とまどいました。 ただ、フランス革命が教会財産をすべて、国有化して、聖職者に国家が俸給を払うというシステムをとったことには、驚きを隠せませんでした。  今の日本でも「坊主まるもうけ」と言われるように、税金がかけられていないのに、18世紀のフランスでは、もう国家財政立て直しの為に使われていた先見性は凄いとしか言いようがありません。  ただ、急激な変化を望まない人も多くて、革命がなかなか進まないのは読んでいて辛くなります。

Posted byブクログ

2015/10/19

革命勃発から約1年。ミラボーら国民議会の議員たちは、思い思いに行動し、意見を交わし始める。 第3巻冒頭で活躍するのは司教議員タレイラン。教会に世話になっている立場のくせに、教会財産をフランスへ提供する法案を提出、自らは聖職者グループの第1人者を狙う。 そんなタレイランに対し、...

革命勃発から約1年。ミラボーら国民議会の議員たちは、思い思いに行動し、意見を交わし始める。 第3巻冒頭で活躍するのは司教議員タレイラン。教会に世話になっている立場のくせに、教会財産をフランスへ提供する法案を提出、自らは聖職者グループの第1人者を狙う。 そんなタレイランに対し、ミラボーも負けていられない。何が何でも「国民のために」と主張しまくるウザいロベスピエールを遠ざけ、未だ衰えない国王のカリスマをバックに権力を握ろうとする。 一方、ミラボーから離れたロベスピエール。政治力は身についたものの、そのカタブツぶりで、時代の波に乗り切れない。旧友でありバスティーユ牢獄襲撃のヒーロー、デムーランとも距離を置かれる。 立場も主張もフラフラして、頼りない草食系議員ロベスピエールだが、彼が革命の後半に大虐殺を犯すんだから、人はわからない。

Posted byブクログ

2015/04/19

政治、議会の話が主になって、少し読み辛かった。パリで軟禁生活を送る王家だけれど、これまで信じていたような「民衆から敵意を持たれる王家」という感じではないし、バスティーユ陥落後直ぐに貴族や王族の処刑が始まったわけではなかったのだと知った。バスティーユ陥落後1年位はどちらかというと中...

政治、議会の話が主になって、少し読み辛かった。パリで軟禁生活を送る王家だけれど、これまで信じていたような「民衆から敵意を持たれる王家」という感じではないし、バスティーユ陥落後直ぐに貴族や王族の処刑が始まったわけではなかったのだと知った。バスティーユ陥落後1年位はどちらかというと中弛みの状態で、ウワッと燃え上がった革命の炎も小さく弱くなっていたのだということが、意外だった。 ロベスピエールは少しずつ変わってきてはいるけれど、まだ青臭い若造って感じで、これから暴力で反対勢力を押さえこむようになるまで、どんなことがあるのか、興味深い。

Posted byブクログ

2014/07/21

「聖者の戦い」というタイトルですが、誰のことをさしての聖者なのか。個人でなく、ある一定の層を指しtねおことなのか。 いまいち、釈然としませんね。 「聖者」というのが、潔癖症な理想論者のことをいうのであれば、ロベスピエールかなと思いますが。潔癖ではないしな。 革命をリードしてゆく...

「聖者の戦い」というタイトルですが、誰のことをさしての聖者なのか。個人でなく、ある一定の層を指しtねおことなのか。 いまいち、釈然としませんね。 「聖者」というのが、潔癖症な理想論者のことをいうのであれば、ロベスピエールかなと思いますが。潔癖ではないしな。 革命をリードしてゆく個人たちを指しての「聖者」ということであるなら、ミラボーやタレイラン、デムーランかと思いますが。 皮肉を込めて、既得権益を守ろうとする聖職者たちのことであるかもしれません。革命に立ちはだかる旧体制。 議会での論戦と政治活動に費やした三巻。

Posted byブクログ

2013/09/22

バスティーユ陥落から1年。 革命は膠着状態に。 ブルジョワジーは、当然のことながら保守化してゆく。 ミラボーは未だ健在。 一方、革命の立役者だったデムーランは生彩を欠く。

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2012/05/23

フランス大革命についてちゃんと読みたいと思ったのは2度目で、前は大仏次郎のパリ燃ゆを読んだけど、難しくてすぐにやめた。ずいぶん昔の話だとしか覚えていなくて、何歳ぐらいだったか覚えていない。本のせいではなくて私の年齢のせいかもしれないけど・・・・ 中学生の時に岩波の三国志演義を読...

フランス大革命についてちゃんと読みたいと思ったのは2度目で、前は大仏次郎のパリ燃ゆを読んだけど、難しくてすぐにやめた。ずいぶん昔の話だとしか覚えていなくて、何歳ぐらいだったか覚えていない。本のせいではなくて私の年齢のせいかもしれないけど・・・・ 中学生の時に岩波の三国志演義を読んで、1巻で挫折した。献帝擁立のあたり。その後、三国志を読めるようになったのは、蒼天航路のおかげだ。 だから、いますらすらとフランス革命が読めるのは、長谷川哲也のおかげかもしれない。たぶんそうだろうな。 そのせいか、ロベスピエールが気になって・・・・ この本でも、はっきりとは書いていないけど、32歳にしてかなり童貞っぽい。いや、もう、ほとんどそう言っているのも同じだろう。 今まで歴史小説を読んでいて、ある人物が童貞かどうかなんて考えたこともなかった。 たとえばヒトラーなんかはかなり女性コンプレックスは強そうだけど、ウィーンの下宿時代は多分そうだろうけど、第一次世界大戦時は売春宿とか行ってそうだとか、素人童貞でなくなったのはいつかとか、気になると言えば気になるけど、真面目に考えたことはなかったな。 なのにロベスピエールだけ、こんなことに・・・・ 長谷川哲也も罪深いよ。

Posted byブクログ

2012/03/30

超名門貴族出身の司教、タレイランが第1身分である教会の財産を国有にし、僧侶たちを公務員として雇用することを提案。しかしローマ・カトリックとしての意地と既得権益を逃すまいとする教会は邪魔に入る。理想と現実の解離、権力と金への執着、国民主権と国王の存在意義などなど、道は遠いです。しか...

超名門貴族出身の司教、タレイランが第1身分である教会の財産を国有にし、僧侶たちを公務員として雇用することを提案。しかしローマ・カトリックとしての意地と既得権益を逃すまいとする教会は邪魔に入る。理想と現実の解離、権力と金への執着、国民主権と国王の存在意義などなど、道は遠いです。しかし1人1人が人間臭くてどんどん面白くなってきました。ミラボー伯が一番大きな視点でものを見ていますが、病魔が襲ってくるようです…。ミラボーが亡くなった後にすべてが暴走しはじめる予感。

Posted byブクログ