1,800円以上の注文で送料無料

少女七竃と七人の可愛そうな大人 の商品レビュー

3.8

302件のお客様レビュー

  1. 5つ

    61

  2. 4つ

    94

  3. 3つ

    94

  4. 2つ

    13

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2020/04/19

美しいかんばせを持つ少女、川村七竃. 呪われたその美しいかんばせは、彼女にとって邪魔なだけ。 旭川という狭い場所で彼女と、同じ美しさを持つ少年。 始終不在の「いんらんな」母親 淡々と美しい文体で読むのにかなり時間かかりました。

Posted byブクログ

2020/03/19

女子アナの宇垣美里さんの好きな作家が山田詠美らしい。 そして宇垣美里さんが上京するときに大切に持って行った本、と聞いてこの春上京する身としてこれは読んでみたい!と思ってすぐ読んだ。 . 美しくて悲しい話だなー。 桜庭一樹さんってこんな文なのか。

Posted byブクログ

2020/03/16

「文字に触れることがあまり好きではなかった」紗倉まなさんが、「これさ、すごくあなたらしいと思ったんだよね」と友人から渡されたのが、この本だったそうです。いい「本との出会い」ですね。(紗倉まな『最低。』「あとがき」より)

Posted byブクログ

2020/01/15

前回、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないを読んで桜庭一樹さんの魅力に出逢いました。 こちらの少女七竈〜も、ヒロインの七竈のキャラが独特かつ魅力的で、彼女の言葉や考えに触れ、ぐんぐん引き込まれました。 そして、可愛そうな大人、っていう題材も個性的だなぁと感心しました。 ニ話の犬の話はやら...

前回、砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないを読んで桜庭一樹さんの魅力に出逢いました。 こちらの少女七竈〜も、ヒロインの七竈のキャラが独特かつ魅力的で、彼女の言葉や考えに触れ、ぐんぐん引き込まれました。 そして、可愛そうな大人、っていう題材も個性的だなぁと感心しました。 ニ話の犬の話はやられたなぁ。みごと引っかかりました(^^;) また他の作品にも触れてみたくなりました(^^)

Posted byブクログ

2020/01/15

可哀想な大人と、見目麗しい女子高生と男子高校生、そして犬の目線で綴られる、一生叶うことの無い片想いといろんな形の『愛』についての話。 狭い世界での息苦しさやも歯痒さ、諦めが著者らしい繊細さをもってギュッと濃縮されている。 個人的には緒方みすず後輩が“普通の子”で好きです。 先...

可哀想な大人と、見目麗しい女子高生と男子高校生、そして犬の目線で綴られる、一生叶うことの無い片想いといろんな形の『愛』についての話。 狭い世界での息苦しさやも歯痒さ、諦めが著者らしい繊細さをもってギュッと濃縮されている。 個人的には緒方みすず後輩が“普通の子”で好きです。 先輩の男子に恋をして、彼の隣にいる女子に嫉妬して。 自分に自信がなくて、夢も無くて、将来も見えなくて。 いずれ離れ離れになる先輩達が、恋しくて淋しくて仕方がない少女。 極めて普通で良き。

Posted byブクログ

2019/10/17

再読。桜庭一樹先生の小説はそこそこ読んできたけれどその作品の中でも「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」に次ぐぐらい好きな小説。非凡なほどの美しさを持った少女七竈とそれを取り巻く人々の話。この話は七竈の成長譚と形容しても間違いではないんだろうけど成長と痛みと喪失は切っても切れない関係に...

再読。桜庭一樹先生の小説はそこそこ読んできたけれどその作品の中でも「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」に次ぐぐらい好きな小説。非凡なほどの美しさを持った少女七竈とそれを取り巻く人々の話。この話は七竈の成長譚と形容しても間違いではないんだろうけど成長と痛みと喪失は切っても切れない関係にあるので勿論この少女七竈も何かを失っていく。でもそれが大人になるという事、青春が終わっていくという事なんだなぁとこの本を読むたびに思う。

Posted byブクログ

2019/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まさに桜庭ワールドだなと思いました。独特の雰囲気。 七竈が可哀想になる。 雪風と兄妹だったなんてね。1番の理解者なのに。いや、だからこそなのかな。 可愛そうな大人は7人。誰とは言わないけれど。 みんな可愛そうで可哀想。でも誰より可哀想なのは七竈だと思う。 不思議な読了感の作品でした。

Posted byブクログ

2019/08/12

美しいかんばせを持つ少女、川村七竃が主人公。 旭川の冬の美しい情景が浮かぶ、綺麗な文章でした。 1「この世の果てだ。若くなくなってもずっと続いてゆく、女の人生。日常という名の果ては、なにやら、やわらかい。」 雪風の母である、桂多岐。 6人の子供を持ち、働かない夫の代わりに...

美しいかんばせを持つ少女、川村七竃が主人公。 旭川の冬の美しい情景が浮かぶ、綺麗な文章でした。 1「この世の果てだ。若くなくなってもずっと続いてゆく、女の人生。日常という名の果ては、なにやら、やわらかい。」 雪風の母である、桂多岐。 6人の子供を持ち、働かない夫の代わりに、毎日働いている彼女の光のない日常が、とても切なかった。 若い頃にあった女としての光は、歳をとると消えてしまう。そんなもの悲しさがあった。 2「頭がよすぎるものも、悪すぎるものも。慧眼がありすぎるものも、愚かすぎるものも。性質が異質で共同体には向かない生まれのものは、ぜんぶ、都会に紛れてしまえばいい。」 都会に紛れてしまえばいい。七竃にとっては、魔法のような言葉だったと思う。 人混みにいれば、誰も自分のことなど、見えていないように思えてくる。周りが気にならなくなる。 都会とは、そういうところなのだ。 3「つぎに町で会ったときには、すれちがっても互いにわからないほど、少年もまた変化しているのかもしれない。 変化した自分こそが、そのあとの、唯一無二の自分なのだ。いまのわたしたちは永遠に消える。」 七竃と雪風の別れ。 唯一、分かり合えた友との別れ。 いまの雪風とは、もう永遠に会うことはできない。 時の流れが、容赦なく彼らを変えていってしまう。 とても痛切でやさしい愛の物語だった。

Posted byブクログ

2019/05/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

再読。「女の人生ってのはね、母をゆるす、ゆるさないの長い旅なのさ。」母親に愛情を求めてきた七竈が、鉄道模型に象徴される閉ざされた旭川から東京へ出て、自分の人生を新たに始めようとする旅立ちの話。解説の古川日出男さんは「女流作家」なんて言葉は嫌いだそうだが、娘と母の関係をこんなふうに描けるのは女性の作家だと思うんだけどな。

Posted byブクログ

2019/01/14

いただいた本 初めて読んだ作家さん 美しかった。美しさとか、田舎の怖い感じとか、危うさ、頭のおかしさなど、興味深いテーマがたくさん。電車もいい。

Posted byブクログ