偽善の医療 の商品レビュー
医者にかかることは、マックにハンバーガーを買いに行くのと同じではないし、 合理化を目指して平均値にならしたデータから、 誰にでも出来る仕事を増やすことが良いこととは思えない。 著者が「人情」という言葉を使うように、対応は個々によって異なるものだ。 お互いの傲慢さ、怠惰さやせっかち...
医者にかかることは、マックにハンバーガーを買いに行くのと同じではないし、 合理化を目指して平均値にならしたデータから、 誰にでも出来る仕事を増やすことが良いこととは思えない。 著者が「人情」という言葉を使うように、対応は個々によって異なるものだ。 お互いの傲慢さ、怠惰さやせっかちさが絡み合って 信頼を持ちにくい関係が作られている。 いざという時に迷わないように、この本は手元に置いてまた読みたいと思う本。 3年後に再読 最初に読んだ時「何かあった時の為に読んでおいてよかった」と思ったが 何かあってしまったので、読み直した。 データをいかに使うか、数字の後ろの背景をどれだけ知るか、 ランキング一つ、パーセント一つも、 表に出てしまうとそれだけで勝手に独り歩きしてしまうもの。 中に潜むバイアスに気づくこと、 結果に至るまでには膨大な時間と手間がかかることを知っておくこと、 自分が迷わないように、だまされないように気をつけるために。
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医療の「ここがへんだよ!」ということに突っ込んでいる。 患者様という表現はおかしい!と言っている。 なぜなら病気してなぜえらくならなければならないのかという話。 病院経営を普通の客商売と一緒にするなという話。 おもしろかった。
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なかなか面白かった。現役医師の側からの率直な提言集。個人的には「患者さま撲滅運動」、「インフォームドコンセントハラスメント」などが興味深かった。患者の態度や医療に関する報道への批判が多いように受取られるかもしれないが、裏を返せば、医師側が能力をフルに生かして自信を持って患者の治...
なかなか面白かった。現役医師の側からの率直な提言集。個人的には「患者さま撲滅運動」、「インフォームドコンセントハラスメント」などが興味深かった。患者の態度や医療に関する報道への批判が多いように受取られるかもしれないが、裏を返せば、医師側が能力をフルに生かして自信を持って患者の治療にあたるべし、という逆説的な医師としての心得集だと思う。まあ医療に関する法律論に関して一部の弁護士の意見のみを参照しているのは、ご愛嬌か。 ちなみに、筆者の名前は、「白い巨塔」に出てくる登場人物から拝借したらしい。本名ではこの本は出せないところに今の医療の問題点があるような気もする。
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著者は現在の医療の現場やそれを取り巻く諸々に見られる問題点を個別・具体的に取り上げていて、それらに関するデータや考え方もまた大変興味深く、私にとって新しい知見も多くありました。ただ私は、著者の意図は個々の問題を個別にあげつらうことよりも、なぜ現在の医療があるべき・あらまほしき姿か...
著者は現在の医療の現場やそれを取り巻く諸々に見られる問題点を個別・具体的に取り上げていて、それらに関するデータや考え方もまた大変興味深く、私にとって新しい知見も多くありました。ただ私は、著者の意図は個々の問題を個別にあげつらうことよりも、なぜ現在の医療があるべき・あらまほしき姿から外れ、本来の意図とは違う方向へ進んでしまっているのか、何がそうさせているのか、その大元に対する告発にあるのではなかろうか、という感想を持ちました。 そういう意味で告発本と言えば言えるかも知れませんが、単にコレコレはけしからん、ナニナニはとんでもない、そうだそうだ全くだで終わるわけではない。「偽善」の指摘とそれに対する怒りとともに、本来はそうじゃないはずだ、なぜそうなってしまうんだ、なぜ人を幸せにできないんだ、という嘆きと憤りを感じたし、著者が俎上に乗せるのは、事理を弁え心を砕いて物事を真剣に考えないために起きている誤解や怠慢、形式主義が多いように思います。だから、読んでいる我々の方にも責任の一端があったり、思わぬ問いを突きつけられたり、少なからぬインパクトがある。 詳細は http://hoch.jugem.jp/?eid=267
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師匠のブログを読んで買いました。 日本臨床腫瘍学会の評議員の先生が書かれた本です。 がん治療に携わっている者として 行うべき治療が無くなったときの対処や 患者からの心ばかりの品を受け取ったときの話など ペンネームではあれども 考えがストレートに書いてあって 考えさせられ、勉...
師匠のブログを読んで買いました。 日本臨床腫瘍学会の評議員の先生が書かれた本です。 がん治療に携わっている者として 行うべき治療が無くなったときの対処や 患者からの心ばかりの品を受け取ったときの話など ペンネームではあれども 考えがストレートに書いてあって 考えさせられ、勉強になった本でした。
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「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ...
「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」―。毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。
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