なぜ世界は不況に陥ったのか の商品レビュー
なぜ世界は不況に陥ったのか——集中講義・金融危機と経済学・目次 第1講 アメリカ金融危機の深化と拡大 ——サブプライム問題から全般的な信用危機へ 1 サブプライムローン問題 ・問題の発端 ・バブルの群集心理 ・サブプライムローン急増の背景 2 全...
なぜ世界は不況に陥ったのか——集中講義・金融危機と経済学・目次 第1講 アメリカ金融危機の深化と拡大 ——サブプライム問題から全般的な信用危機へ 1 サブプライムローン問題 ・問題の発端 ・バブルの群集心理 ・サブプライムローン急増の背景 2 全面的な信用危機への拡大 ・信用市場での取り付け発生 ・金融工学に絶対はない ・格付会社の責任 3 リーマン・ブラザーズの破綻以降 ・史上最大の倒産 ・アメリカの対応と日本の教訓 ・財政政策と会計基準 第2講 世界的不均衡の拡大:危機の来し方① ——1987年、1997年、2007年までの節目を振り返る 1 長期不況:1970年代末〜1987年 ・大インフレ期から大平穏期へ ・1980年代の「運命の逆転」 ・ケインズ経済学は70年代に死んだ 2 アメリカ経済の最活性化:1987年〜1997年 ・ブラックマンデー ・情報産業の主役交代 ・グリーンスパンの金融政策 3 マクロ的不均衡の拡大:1997年〜現在 ・アメリカの過剰消費構造 ・ITバブルとその崩壊 ・ITバブル後の金融緩和が住宅バブルの一因 第3講 金融技術革新の展開:危機の来し方② ——デリイバティブ、証券化、M&A 1 伝統的銀行業の衰退と金融革新 ・不況産業化した伝統的金融業 ・金融革新に乗り遅れた日本 ・証券化の展開 2 デリバティブ取引の意義 ・リスクだけを取引する ・リスクを売買する意味 ・二つの市場構造 3 投資銀行の成功と変質 ・アメリカ資本主義を救った投資銀行 ・影の銀行システム ・暴走した投資銀行ビジネス 第4講 金融危機の発現メカニズム ——非対称情報とコーディネーションの失敗 1 過剰投機はなぜ起きる:エージェンシー問題と「美人投票」 ・よい投機と悪い投機 ・効率的市場仮説は成り立つのか ・無理解な経済学批判 2 取り付けの合理性とリスクテイク ・銀行の脆弱な財務構造 ・複数均衡の存在 ・シグナリングとしてのリスクテイク 3 市場型システミック・リスク ・資本主義のダイナミズム ・複雑性とテールリスク ・コーディネーションの失敗 第5講 金融危機と経済政策 ——「市場の暴走」と「政府の失敗」 1 「政府の失敗」の結果 ・住宅バブルを生んだ持ち家政策 ・ファニーメイとフレディマック ・合理的なモラルハザード 2 経済思潮の変遷 ・ケインズ理論は大恐慌を解決したのか ・古典派経済学の復活 ・経済学の現代的思考 3 経済政策をめぐる争点 ・FEDビューとBISビュー ・非伝統的な金融政策 ・政策の時間整合性 第6講 危機後の金融と経済の行く末 ——中長期的な展望と課題 1 投資銀行は終わったのか ・投資銀行の慢心 ・アジア金融危機としてのLTCM ・問題は金融工学ではなくユーザー 2 規制監督体制見直しの課題 ・逆淘汰としての金融危機 ・エージェンシー問題の対策 ・市場を機能させるルールの設計 3 長期不況の予感 ・日本の問題は「アメリカ発の金融危機」ではない ・短期の問題に目を奪われるな ・需要不足の原因は何か 第7講 日本の経験とその教訓 ——われわれは何を知っているのか 1 「失われた10年」の原因 ・景気循環か潜在成長率の低下か ・金融緩和の不足が問題か ・大恐慌は再来するか 2 「失われた10年」の教訓 ・バブルの発生は防げたか ・経済学の限界 ・バブル崩壊後の対応 3 不良債権問題への政策的対応 ・住専問題をめぐる混迷 ・破綻処理制度の整備 ・ゼロ金利と量的緩和
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うん。面白い。 ただ略称が多いので、金融危機について初めて勉強する人にはあまりオススメしないかも。 まあ、ネット上で調べつつ読んでいくのでも大丈夫だとは思う。
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2010.7.8 【サブプライム・リーマンショックの特徴】 ①住宅バブルがはじけた ②高度な金融システムが崩壊(日本のバブル崩壊とは状況が違う) ⇒格付け会社などの情報インフラへの不信感 エージェンシー問題 【マクロな背景】 ・グリーンスパンの金融政策。長期の安定によ...
2010.7.8 【サブプライム・リーマンショックの特徴】 ①住宅バブルがはじけた ②高度な金融システムが崩壊(日本のバブル崩壊とは状況が違う) ⇒格付け会社などの情報インフラへの不信感 エージェンシー問題 【マクロな背景】 ・グリーンスパンの金融政策。長期の安定による人々の危機感の欠如 ・グローバルなインバランスによってアメリカに資金が流入。 ⇒金余りの状態が、強引な証券化のインセンティブになった。 【日本の現在】 日本は現在の不況が、一時的な下振れなのか、水準自体が下がったのかを判断して、対策をたてるべき。円安に頼った、輸出主導の産業構造はもたない。国内産業、特にサービス業の低い生産性を変えていかなくてはならない。
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私自身がこの金融危機の真っ只中にいるせいか、非常にわかりやすい内容でした。 経済学を学生時代にもう少しまじめに勉強しておくんだったと後悔しながら読みましたが、身をもって体験して初めて理解できるということがわかりました。 これほどの良書が出ているのに、政治家の皆様は読まない...
私自身がこの金融危機の真っ只中にいるせいか、非常にわかりやすい内容でした。 経済学を学生時代にもう少しまじめに勉強しておくんだったと後悔しながら読みましたが、身をもって体験して初めて理解できるということがわかりました。 これほどの良書が出ているのに、政治家の皆様は読まないのでしょうか? 池田氏のエピローグも非常に面白かったです。 かなり同意できる内容でした。
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池田さんのブログは常にチェックしています。 内容については、池田さん自身のエグゼクティブサマリが以下のサイトに掲載されていますので、参考になるかと思います。 http://agora-web.jp/archives/445626.html 今般の金融危機についての、池田...
池田さんのブログは常にチェックしています。 内容については、池田さん自身のエグゼクティブサマリが以下のサイトに掲載されていますので、参考になるかと思います。 http://agora-web.jp/archives/445626.html 今般の金融危機についての、池田さんと慶応の経済学教授の池尾さんが解説しています。対話形式で進められていますが、経済学的な論拠は池尾さんが担当しているという感じで進められています。アメリカのこの30年の金融市場の分析や、日本のバブル後の失われた10年についても興味深い議論がされています。池田さんのブログを読んでいる人であれば、その理論的バックグラウンドを整理できたという感覚を持つことができるのではないでしょうか。 両氏は日本を含めた世界各国の過剰貯蓄とその投資機会の不足をアメリカが一身に集めることで生じたグローバルインバランスの存在が今回の金融バブルの根底にある、と指摘しています。日本が、問題になった金融商品の扱いが少なかったにも関わらず、GDPの減速などで最も大きな影響を受けたのは、このグローバルインバランスの状態および誘導された円安における輸出産業への過度の依存があったためだということになるのかもしれません。 誤解をされているところもあると思いますが、市場主義=自由放任主義、というわけではないのですね(池田さんが市場主義者と言っていいかどうかは別にして)。今回の危機についても、格付機関や投資銀行への規制ルールが整備されていなかったことを政府の失敗と指摘しています。リスクを取引する金融商品に一定の価値を見出すことができる一方、いわゆるエージェント問題と呼ばれる過度なリスク選好が生まれる素地が構造上あり、その市場取引において何らかのルール=規制が必要であることを積極的に認めています。 また池田氏は、政府の経済政策として、全体最適、長期最適の視点を求めています。日本の定額給付金と比べて、アメリカの財政支出を評価するのは、単なるばら撒きにより景気刺激ではなく長期的な潜在成長率の向上をサポートするための支出と位置付けとして見ているからです。最後に置かれた池尾氏のエピローグでも、「国民は長期的な戦略が明確であれば、短期的な痛みはいとわないのではないでしょうか」と指摘しています。定額給付金への拒絶反応やかつての小泉政権への強い支持を見るとその通りなのかもしれません。 経済学という学問の性質上、池尾、池田両氏の意見についてもひとつの解釈というように捉えないといけないのかもしれませんが、説得力のある議論が展開されているかと思います。
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http://d.hatena.ne.jp/MACKEY32/20090826#1251261127
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今回の不況のいきさつについて説得力のある感じで述べられている。 この二人が話していることが本当に合っているのかどうか判断できないが、世界経済の流れが整理できたような気がする。 日本はイノベーションが停滞しており、長期不況の予感があるらしい。どうなるのやら
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このほんがスラスラ読めないということは、 僕はまだ経済のケもわかってないのでしょう。 最近の経済書を読むと、 日本は異常な円高、低金利により輸出産業が支えられてきた。 その依存構造が崩れ、本来の日本の姿になってきた。 といったことがどうやら共通認識のようだ。 本来の姿なの...
このほんがスラスラ読めないということは、 僕はまだ経済のケもわかってないのでしょう。 最近の経済書を読むと、 日本は異常な円高、低金利により輸出産業が支えられてきた。 その依存構造が崩れ、本来の日本の姿になってきた。 といったことがどうやら共通認識のようだ。 本来の姿なのか、従来よりは不況なのかよくわからないが、 僕の会社を見る限り、ほとんどの人は危機感を感じていない。 危機感は言い過ぎかもしれないが、 「日本を変えてやろう」とか、 「面白い社会にするんだ」というような、 意気込みは少なからず感じられない。 リーマンショック前と結局何も変わらないのである。 そう考えると、 日本をリードしているような会社の中の個人的な意識改革が進まないことには、 何もかわらなくて当たり前でしょー。 そうなるかは別として、 次また円安、日本だけが超低金利というような構造が出来上がれば、 好景気とよばれる状態になるんでしょう。 みんな、素直に一生懸命頑張らないと、 結局同じである。と僕は思うのだが。。。
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[関連リンク] 404 Blog Not Found:s/世界/市場/g であれば異論なし - 書評 - なぜ世界は不況に陥ったのか: http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51183779.html
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