えむ×えす(上) の商品レビュー
たいとるの「えむ」はマザーのM
全14話を上・下巻に纏めたうちの上巻。物語の前半を成す第8話までが収録されている。タイトルは「MOTHER×SISITER」からそれぞれ「えむ」と「えす」とのこと。高校生の主人公を取り巻く義母と(同じ高校に通う)義妹の話である。青年コミックながらA5版の成年コミックサイズとなって...
全14話を上・下巻に纏めたうちの上巻。物語の前半を成す第8話までが収録されている。タイトルは「MOTHER×SISITER」からそれぞれ「えむ」と「えす」とのこと。高校生の主人公を取り巻く義母と(同じ高校に通う)義妹の話である。青年コミックながらA5版の成年コミックサイズとなっている。 表紙を飾るのは義母。このことから前半のヒロインが義母だと解るが、この義母が何とも可愛い。元気の良い天然というか天然ながらハイテンションというか、無邪気に主人公を可愛がって、気の強い義妹に叱られる流れである。こうした家族間の思惑を序盤できっちり描いていることもあってカラミは控えめ。義理とはいえ息子としか思っていなかった主人公に対して「男」を意識し出すところから描かれているので、第2話で自慰、第4話から手淫とお口奉仕、第6話でようやく合体に至る。しかし、徐々にエスカレートしていく淫猥さがあって悪くない。こうした義母との関係が静かに進行していく合間に義妹との胸キュンなやり取りや、近所に現れた不審者のちょっとした事件が挿まれていく。こうしたドラマ部分や、義妹とその友人達との、いかにも女子高校生っぽい会話が実に面白く、漫画としてのラヴコメ要素が充分にある。主人公の友人として度々出てくるキモヲタ同級生もいい味を出している。しかし、第7話で主人公と義母との関係を知ってしまった義妹が、第8話で自慰に耽りながら(このシーンが義妹の初めての官能描写)、今後どのような逆襲を仕掛けていくか、そんな思いを抱かせる下巻へと引きとなっている。印象的な構図も随所にあり、作者の漫画家としての力量は決して低くないことが窺われる。官能描写がもっと多ければ言う事無しの前半である。
DSK
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