忘れな草 の商品レビュー
さすが!
雪の断章から続く物語。 2人の少女のうちの1人が起こした行動で今後が変わっていく。 切なくて悲しくて、しかし気持ちわからないでもないな…
鹿内美保
【縁起の綱渡りが人生よ―】 『雪の断章』につづく〈孤児シリーズ〉第二作. 今作では,2人の孤児と一人の「王子」の恋と策略,嫉妬と友情が描かれる. 今作でも,その流麗たる文章は健在.心象描写,自然描写,触れれば解けてしまう雪のように繊細で,魅せる文体は,誰にも真似できない.全編,ま...
【縁起の綱渡りが人生よ―】 『雪の断章』につづく〈孤児シリーズ〉第二作. 今作では,2人の孤児と一人の「王子」の恋と策略,嫉妬と友情が描かれる. 今作でも,その流麗たる文章は健在.心象描写,自然描写,触れれば解けてしまう雪のように繊細で,魅せる文体は,誰にも真似できない.全編,まるで詩のような儚さがある. 僕も騙された. 葵・楊子のベターハーフの関係性に気づけなかった. 苛烈でし烈で猛烈なお互いの反発も,いまではもう少し見ていたい. そして,二人を見ながらもちらつく飛鳥. 第三作,『花嫁人形』も近いうちに読みたい.
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雪の断章がよかったのでこちらも読んでみたけれど、なんだか主人公の葵の独白やもう一人の女の子とのやりとりがどうにもなじめず、まさおさんもいまいち人物像がよくわからなかった。企業の抗争に巻き込まれているはずなのに、話はずっとお屋敷のなかで過去と現在をめぐって展開されるという、不思議な...
雪の断章がよかったのでこちらも読んでみたけれど、なんだか主人公の葵の独白やもう一人の女の子とのやりとりがどうにもなじめず、まさおさんもいまいち人物像がよくわからなかった。企業の抗争に巻き込まれているはずなのに、話はずっとお屋敷のなかで過去と現在をめぐって展開されるという、不思議な物語。 ただこの人の独特な文体には引き込まれ、葵の恋をわずらっている描写は切に響いた。愚かだけれどそれが人間。
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葵に可愛げがなくて、私がトキさんでもキレてしまいそう……。『雪の断章』よりも佐々木節が炸裂し、ポエム的な表現が多いような気がして読み進めるのに苦労した。史朗さんが登場するのが切ない、最後も後味が悪い。おまけに飛鳥と祐也さんの関係も、もっと純粋なものだと思っていたのでちょっとがっか...
葵に可愛げがなくて、私がトキさんでもキレてしまいそう……。『雪の断章』よりも佐々木節が炸裂し、ポエム的な表現が多いような気がして読み進めるのに苦労した。史朗さんが登場するのが切ない、最後も後味が悪い。おまけに飛鳥と祐也さんの関係も、もっと純粋なものだと思っていたのでちょっとがっかり。孤児シリーズはもういいかな。 著者がお亡くなりになって改訂できないらしいけど、御曹子は明らかに御曹司の間違いだろうから訂正してもいいのでは?
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雪の断章に出てきた名前も出てきて、相関図が作りたくなる。 読み進めていって、一番気になったのが、雪の断章で祐也さんは、 飛鳥の境遇を知っていたのかどうか。知ってて欲しくないなあ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
葵と弥生。二人は同じ孤児であり、同じ運命に翻弄され、同じ男を愛した。どちらかが大企業の継承者であり、どちらかが複雑に入り組んだ社会と大人たちの陰謀によって作られた駒。 作者の孤児四部作の内のひとつ。内容は複雑で一度読んだだけでは全貌がわからなかったが、これは友情のストーリーだと感じた。『雪の断章』と絡んだ内容なので先に『雪の断章』を読んでおいて正解だった。 四部作なんとか全部読んで、全てを繋げてから再読したい。
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お互いを憎み、争いながらも友情を深め、求めあう二人。彼女たちは権力と運命に翻弄されながら同じ男性に恋をする。更なる深みにはまると分かっていながら・・。物語の世界に引き摺りこまれた感じです。この静かでさまざまな感情にあふれた世界がなんとも言えません。冬の季節に読めてよかったです。
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孤児シリーズでは,この小説の主人公が一番共感できないかなあ。 でも,好きな小説であることは確かです。
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もう癖になってるなあ、この文体。 佐々木作品の女の子たちは、総じて歳の割にあどけないというか、おぼこいんだが、この作品は特にそんな感じが色濃い。おもちゃの取り合いが恋人の取り合いになってもあまり本質は変わらず、それでも、二人の少女の間の友情の実は、熟すのも間近なはずだったが… う...
もう癖になってるなあ、この文体。 佐々木作品の女の子たちは、総じて歳の割にあどけないというか、おぼこいんだが、この作品は特にそんな感じが色濃い。おもちゃの取り合いが恋人の取り合いになってもあまり本質は変わらず、それでも、二人の少女の間の友情の実は、熟すのも間近なはずだったが… うーん、せつない幕切れ。
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佐々木丸美の「孤児シリーズ」の2作目。 ミステリーとはいえないのかもしれないが、「雪の断章」がなんだかんだといってもミステリーだったし、推理文庫から出てるので、カテゴリーはミステリーにいたしました。 大企業の継承権をどちらかが持っている孤児の二人の少女が、館に引き取られ謎...
佐々木丸美の「孤児シリーズ」の2作目。 ミステリーとはいえないのかもしれないが、「雪の断章」がなんだかんだといってもミステリーだったし、推理文庫から出てるので、カテゴリーはミステリーにいたしました。 大企業の継承権をどちらかが持っている孤児の二人の少女が、館に引き取られ謎の男に養育されて成長していく。 ま、DNA判定なんてなかった時代にかかれた作品なので、実際その子が誰なのかを判定するのは難しい、ってところに物語の基盤があるのがなんとも歯がゆい。 が、その歯がゆさが、佐々木丸美のともすれば自分に酔っている美麗だけど視野の狭い文体に、図太さと細やかさを与えているのだと思う。 と、女であることのなんとも生きにくい時代であったことか。 結局少女たちは養育している男にひかれていく。閉ざされた館にいて他の人を知らないからそれは当然であったし、結局のところ女は男にすがって生きていくしかない、と、佐々木丸美は根底であきらめていたのだろうか、と感じる。 企業や家の陰謀に翻弄されながら、自分の恋心に忠実であろうとする主人公は、一見とても純粋で美しいのだけど、なんとも哀れを誘う。 結末も苦かった。
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