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遙かなる時空の中で4(2) の商品レビュー

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2011/05/10

入荷先:目黒区立大橋図書館 ハンナ・アーレント『全体主義の起原』(みすず書房)と同時並行で読んだせいもあるのだろうが、納得できない部分が多いような印象を受ける。というよりも、あまりの課題山積ぶりに開いた口がふさがらないといったほうが妥当かもしれない。 というのも、時海は作...

入荷先:目黒区立大橋図書館 ハンナ・アーレント『全体主義の起原』(みすず書房)と同時並行で読んだせいもあるのだろうが、納得できない部分が多いような印象を受ける。というよりも、あまりの課題山積ぶりに開いた口がふさがらないといったほうが妥当かもしれない。 というのも、時海は作品世界をとにかくなぞろうと必死なことはよくわかるし、半ば同情もせざるを得ない。信州出身でありながら(福岡出身である私でさえ首をかしげる)エセ西日本を描写しなくてはならないのだから。 問題は、狭井君(さいのきみと読む)という人物を「国家に忠誠を誓っている」のかそれともただのモッブでしかないのかという評価の仕方で微妙な読み違いを誘導してしまっていることで、前者ならば非情な人という印象を受けるが、後者ならばモッブ特有の行動と心理構造の典型例と斬って捨てることも可能といえば可能だ。 そうなると、彼女にホーリン・ハンソンの先祖というありがたくも無い二つ名を献上せねばなるまい(^^;)し、さしずめ、千尋はそのイケニエと考えるのが妥当なのだろうか…… ストーリーがノーマル・エンディングになるのか、それとも、特定のキャラクターとのエンディングにもつれ込むのか―「お待たせいたしました。5番乗り場から大阪・難波行きノンストップ特急が発車致します。次は大阪の鶴橋まで停まりません」近鉄名古屋の「ドナウ川の漣」がやけにうら悲しく聞こえること間違いない。

Posted byブクログ