1,800円以上の注文で送料無料

彰義隊 の商品レビュー

3.4

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/07/13

鶯谷駅から徒歩10分。現在の地図で見るとさほど広くない。当時の寛永寺のほとんどは上野公園となっている。上野戦争は慶応4年の旧暦5月15日。1日だけで決着がつき、山主の輪王寺宮は逃亡生活に入った。天皇の叔父である皇族が幕府側に立ち朝廷の敵になる。江戸町民への思い。後ろにいる薩長だけ...

鶯谷駅から徒歩10分。現在の地図で見るとさほど広くない。当時の寛永寺のほとんどは上野公園となっている。上野戦争は慶応4年の旧暦5月15日。1日だけで決着がつき、山主の輪王寺宮は逃亡生活に入った。天皇の叔父である皇族が幕府側に立ち朝廷の敵になる。江戸町民への思い。後ろにいる薩長だけの好きなようにさせてはいけない。奥羽列藩同盟は早期に瓦解。無血開城。敗者に対する寛大な措置。比較的穏便に進行したという明治の政権交代。欧米列強の脅威。日本が早期に一つにならなければいけない。そのためにもささやかな抵抗は必要だった。

Posted byブクログ

2024/03/24

(新宿区立図書館リサイクル(廃棄)資料) 書名は「彰義隊」だが主に輪王寺宮を中心に描いた歴史寄りの時代小説。上野戦争自体はそれほど詳しくは描かれていない。彰義隊と書かれるだけで当然そこに含まれる関宿藩士による卍(万字)隊など諸隊にも言及は無し。それはともかく戊辰戦争でも庄内藩に言...

(新宿区立図書館リサイクル(廃棄)資料) 書名は「彰義隊」だが主に輪王寺宮を中心に描いた歴史寄りの時代小説。上野戦争自体はそれほど詳しくは描かれていない。彰義隊と書かれるだけで当然そこに含まれる関宿藩士による卍(万字)隊など諸隊にも言及は無し。それはともかく戊辰戦争でも庄内藩に言及がないのはちょっとどうなのだろうか。ということから歴史小説ではなく歴史寄りだが時代小説と言う所以。輪王寺宮のその後を知るための参考にはなるが、全体的に人物はあまりうまく書けていないようである。なお、有栖川宮熾仁親王は完全に悪役扱いだがどの程度歴史的事実なのだろう?

Posted byブクログ

2024/03/14

幕末時代の流れに流されて、良い悪いも関係なく 滅んでいった人達がいた。可哀想、会津に近いので (ToT)

Posted byブクログ

2023/09/08

戊辰戦争で朝敵となった皇族がいた。 二十代前半の若さで、先の見えない中で奔走する宮と彼を守ろうと供をする人々の苦難。 和宮との婚約を破棄させられた有栖川宮熾仁親王の怨念。 日本史を学んでても、ほとんど理解していなかったあたりの歴史を、この機会に学び直すことができた。 幕末に生きた...

戊辰戦争で朝敵となった皇族がいた。 二十代前半の若さで、先の見えない中で奔走する宮と彼を守ろうと供をする人々の苦難。 和宮との婚約を破棄させられた有栖川宮熾仁親王の怨念。 日本史を学んでても、ほとんど理解していなかったあたりの歴史を、この機会に学び直すことができた。 幕末に生きた方々のお蔭で今がある。感謝。

Posted byブクログ

2021/06/18

薩長両藩を主力とした朝廷軍が、鳥羽伏見から幕府軍を敗退させ大阪へと迫るなか、苦境に立たされた徳川慶喜が密かに大坂城から抜け出し、天保山沖に停泊する幕府の艦船「開陽」で江戸に還るところから始まる本編は、上野寛永寺の山主であった皇族出の輪王子宮(りんのうじのみや)が、朝敵となった「彰...

薩長両藩を主力とした朝廷軍が、鳥羽伏見から幕府軍を敗退させ大阪へと迫るなか、苦境に立たされた徳川慶喜が密かに大坂城から抜け出し、天保山沖に停泊する幕府の艦船「開陽」で江戸に還るところから始まる本編は、上野寛永寺の山主であった皇族出の輪王子宮(りんのうじのみや)が、朝敵となった「彰義隊」との命運を分かちながら会津、米沢、仙台と諸国を落ち延びる数奇な生涯を追った長編歴史です。 最後の将軍 慶喜が寛永寺、水戸、駿府で謹慎するなか、德川家に忠義を貫ぬかんとして果てた人々の心根に、鎮魂の思いが沸々と込みあがります。

Posted byブクログ

2021/03/18

輪王寺宮の生涯を通して、明治維新を見る。 徳川方という敗者の視点から見た歴史は、今までの話しとちょっと違って新鮮。 40代で台湾で従軍中に病死というのも切ないものがあるが、その理由は理解できる。

Posted byブクログ

2021/01/06

なぜ慶喜は戦わずして江戸に帰ったのか? その思いを多くは語られていない。 慶喜の周りの人達の動きが興味深い。

Posted byブクログ

2021/05/27

江戸城無血開城前の動きから戊辰戦争の終結までを描く。タイトルは彰義隊だが上野寛永寺山主・輪王寺宮能久親王を中心に物語は進む。上野戦争の描写も細かい。

Posted byブクログ

2020/10/21

著者の小説は逃亡をテーマにしたものが多いが、本著も輪王寺宮能久親王とその側近の戊辰戦争に沿った逃亡劇となっている。なので、終章とあとがきで振り返って彰義隊の記述がなければ、題名に少し違和感をおぼえる。内容は、主人公の生涯を全うするまでで、相変わらず事実に対する調査の執念を感じる。...

著者の小説は逃亡をテーマにしたものが多いが、本著も輪王寺宮能久親王とその側近の戊辰戦争に沿った逃亡劇となっている。なので、終章とあとがきで振り返って彰義隊の記述がなければ、題名に少し違和感をおぼえる。内容は、主人公の生涯を全うするまでで、相変わらず事実に対する調査の執念を感じる。2020.10.21

Posted byブクログ

2018/02/11

黒船の来航してからというもの、どうも弱腰を隠せない徳川幕府は 鎖国にこだわる朝廷をなだめるのでずっと手一杯だった その間 新しい日本の主導権を握ろうと、野望を燃やす薩摩・長州は 勝手にイギリスと組み、近代的な軍事力を得て 大政奉還・王政復古を成し遂げたあとにも飽きたらず 旧幕府殲...

黒船の来航してからというもの、どうも弱腰を隠せない徳川幕府は 鎖国にこだわる朝廷をなだめるのでずっと手一杯だった その間 新しい日本の主導権を握ろうと、野望を燃やす薩摩・長州は 勝手にイギリスと組み、近代的な軍事力を得て 大政奉還・王政復古を成し遂げたあとにも飽きたらず 旧幕府殲滅計画を着々とすすめていた そんな薩長を、朝廷も支持したというのは要するに 強いものになびいただけの話 …というのでもなくて 婚約者を将軍に奪われた人の私怨が大きく絡んでいたらしいのだが いずれにせよ朝廷が 現実の武力に対してなすすべのなかったことに変わりはなかった しかしそれでも…いや、だからこそ 旧幕府派の志士たちはあくまで尊皇の立場を重んじ 賊臣薩長を打ち倒すという大義名分のもとに結集したのである それが彰義隊の誕生だった その頃、徳川家の墓所を守る寛永寺では 皇族出身の、輪王寺宮が山主を勤めていた 徳川と関係が深く、江戸が戦火に包まれることを望まない輪王寺宮は 進入した薩摩武士から治安を守っている彰義隊を 非常に好ましく思っていた しかし、あくまで江戸の完全支配を目指す新政府は 大村益次郎を擁し、彰義隊壊滅のための戦をしかけた 彰義隊は、寛永寺のある上野東叡山を拠点に抵抗したが あえなく敗走した 輪王寺宮も、そこを脱出するしかなかった その際、人目につくことを避けるため 彰義隊隊士からの警護の申し出はすべて断った 例えば、最後まで兵たちと運命を共にした西郷隆盛に比べ それは冷たい対応だったかもしれない …などと思う読者がいてもおかしくはないが 貴人だからそういうもの 輪王寺宮に西郷のようなロマンチシズムはなかった ただ、宮の場合は 私情混じりの動機で他者をひたすら排除しようとする者たちへの怒りが 抵抗の理由になった その怒りによって彼は武士階級と結びついていた 同じく私情を振り回していることに変わりないとはいえ

Posted byブクログ