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三浦哲郎自選全集1回1巻 の商品レビュー

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2011/08/08

「忍ぶ川」を読もうと思ったら図書館になく、全集に収録されているとのことで借りてみた。 初期作品11編収録。(「幻燈畫集」「十五歳の周囲」「ある外套の話」「鰻の文鎮」「ブンペと湯の花」「忍ぶ川」「恥の譜」「初夜」「帰郷」「妻の橋」「風の旅」) 私小説作家と言われる所以なのだろう、...

「忍ぶ川」を読もうと思ったら図書館になく、全集に収録されているとのことで借りてみた。 初期作品11編収録。(「幻燈畫集」「十五歳の周囲」「ある外套の話」「鰻の文鎮」「ブンペと湯の花」「忍ぶ川」「恥の譜」「初夜」「帰郷」「妻の橋」「風の旅」) 私小説作家と言われる所以なのだろう、「ある外套の話」と「風の旅」の2編はそれほどあからさまではないものの、どの作品もほとんどが彼自身の実体験に基づく内容であり、それだけに胸に迫るものがあった。 「忍ぶ川」は、取り立てて大きな事件が起こる訳でも感動の場面が繰り広げられるわけでもないのに、心揺さぶられて途中から泣けて泣けて仕方がなかった。これがほぼ実話だなんて! 芥川賞を受賞していたことも知らなかった。 私のお気に入り小説の10作品の中に入ることは間違いない。 ところが一番肝心なところでページの脱落があり(!)悔しいことこの上ないが、大好きな作品なので文庫本を買おう。きっとまた読みたくなる。 読めば読むほど好きになる三浦哲郎。

Posted byブクログ