キネマの神様 の商品レビュー
ひと山、ふた山…と、いくつものストーリーがどんどん展開され、それぞれの問題解決に苦戦する、忍耐力に魅かれた。 不器用ながらも、ネット上では必死に訴える父の純粋なキャラクターが、温かい高齢者を描写していてよかった! 「次は映画館で映画を観よう♬」と思い返したくなる。
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平成30年3月 いろいろと人生があり、本を読む気持ちになれなかったたが、ちょっと落ち着いてきたので、好きな作家の浜田さんの本を手に取って読んでみました。 面白かったな~。映画が見たくなる。 浜田さんの本を読むと純粋に、それがしたくなる。 絵を見たくなったり、旅をしてみたり。 家の近くにテアトル銀幕みたいなことあるし、行ってこよ。 映画が好きな娘、それ以上に映画が好きな父親 その二人が、潰れそうな映画出版会社の危機を救う。 って言いましたが、それは、別にこの本の一番大事なところじゃないな・・・ ま、でもあらすじ的には、そんなもんだよ。うんうん。 名画は、どこで観たって名画だけど、夏の夜空に咲く花火を、家の狭いベランダからでななく、川の匂いと夜風を感じる川辺で見上げればひときわ美しいように、映画館で観れば、いっそう胸に沁みる。 そーなんですよ。やっぱり、家のテレビで、大きな画面にしても、音響を良くしても、違うんですよね。 映画館で観る映画ってね。面白くなくても、それはそれで、一つの思い出なんですよね。ずっーと覚えてるもん。あの時、あの場所で、あの映画を見たな~って。それが、自分の人生の大きな、小さな思い出になり、一つ一つ積み重なって豊かになっていく。 父の映画の評論の中に 母親にはどうしたって勝てないのが父親です。その父にはできて、母にはできないこと。いずれ「父」となる息子とのキャッチボールがそれなのです。 夕暮れに野原で父とするキャッチボール。その時の光景を思い出に持つ人は、幸せな人だと思います。 風と草と土の匂い、ミットに沈むボールの力強さ。父、息子、父、息子、ふたりの男のあいだを往来しているのは、ボールの形をした絆なのです。 なくーーー、なくーーーーーー。 父親なんてそんなもんだよね~~。それくらいしか、子供にしてあげられないんだよ。 でも、それをしてあげることが大事なんだよね。 って自分には、子供いませんけどーーー。 大好きな人たちと、大好きな映画館で一緒に観られる。それが、人生最良の映画なんだよ。 うんうん。 だけどね。この本の始めの方では、映画では一人で見るもんだよっても言ってる。 どっちでもいいんだよね。一人でも、好きな人でも。 はーとりあえず、DVD借りてこよ。 まずは、例の映画を見ないと。。ニヤリ。
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普段は重たい内容の本ばかり読むから、こういったポップで爽快な小説もたまにはいいものだなぁと思った。母の勧めで読了。いろいろな人の運命の歯車が奇妙な方向に動き出す。 主人公は至って平凡。思うことや考えることが普通で普通で、だから読者を共感に誘う。 やはり好きなのは、お父さんのゴウちゃん。どうしようもない父親だなと思って最初は読んでいたけど、やっぱり憎めない。きっとみんな、こうやって生きてみたかったと思うのかな。そして、驚くべき文章力(笑)ただの老人の設定なのにちょっと上手すぎないか?(笑)と思いつつ、軽快なリズムで紡がれる言葉には魅力が溢れでている。普段人のレビューというか、批評は読まないから、こうやって書くのかぁという学びとともに、人のレビューを読んで更に思索を深めるのも面白いなぁと思った。 テラシンさんの包むような温かさや少女のように無邪気な編集長、夫の幸せを一番に願うお母さん、映画好きで芯の強い元後輩清音など、魅力溢れる登場人物で、人間捨てたもんじゃないなって思える。特にサブキャラだと新村が好き!適当に生きているようで、的を射ている、サラッとしたキャラクターに嫉妬さえしてしまう。 ローズ・バッドが逝ってしまうところでは、泣いたなぁ。月並みなのだけど(笑)やはりああいう純粋な思いが裏切られる瞬間っていうのは、どうしても心が痛む。 つまるところ、この本の主題って、主人公がシネコンのプレゼンで幾度も言っていた「文化の力」なんだと思う。最近常々考えていることなのだけど、やっぱりムツカシイ政治や外交の問題も、文化レベルに落とし込めば、みんな分かり合えるとまではいかずとも、人として認識できる。得体の知れないなにかの塊ではなく、それぞれ人生を持った人間の集合体だとわかる。それが文化の力。世界平和のためには、文化の力が必要不可欠なんだと思う。昨今、世界情勢は悪化の一途を辿っている。自分の幸せばかり考えて、それを脅かす他人を闇雲に排除しようとする風潮がはびこっている。悲しい世の中だと思う。そういう悲しさを無くすための役割を果たすのが、国や文化を越えて親しまれる映画であり、その他のサブカルチャーだと思う。素敵な力だなぁ。だから無くならないんだなぁ。
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謂れなき中傷により、大手シネコンの開発課長から左遷され、退職し職を失った歩。 ギャンブル依存症で多額の借金を抱えた父ゴウ。 父に翻弄され続ける母。 衰退した映画雑誌『映友』の編集長高峰は、仕事で家族を顧みなかったため夫が自殺。 以来15年間引きこもる息子興太。 寂れた名画座の主人...
謂れなき中傷により、大手シネコンの開発課長から左遷され、退職し職を失った歩。 ギャンブル依存症で多額の借金を抱えた父ゴウ。 父に翻弄され続ける母。 衰退した映画雑誌『映友』の編集長高峰は、仕事で家族を顧みなかったため夫が自殺。 以来15年間引きこもる息子興太。 寂れた名画座の主人で、ゴウの唯一の友人テラシン。 世界に名だたる映画批評家でありながら、孤独に生きるリチャード 歩は、ゴウが記した膨大な量の映画批評を管理人業務日誌に見つける。そして、自らの映画と映画館への想いをニューシネマパラダイスの批評に重ね業務日誌に記した。 その歩の批評を、ゴウが映友社のHPに載せたことから、それぞれの人生のレールを切り換える歯車が回り出す。 この本で気づいたこと。 本当にやりたいことをやると、不思議と人生は好転する。これは、物語ではなく、人間の真理。 自分の本当にやりたいことに気づかない時には、何事もうまくいかないように感じる。 本当にやりたいことが見つかり、それをやった時点で、既に成功だ。そしてやりたいことをやれば、色んなことがうまく行くようになってるんだ。 本当にやりたいことは、どんなことでも絶対にやった方がいい。 それにしても、キャラクターに合わせた文章を見事に書き上げる原田マハさんは、本当にすごい。
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映画の良さが滲み出るような気がする。 映画って本当にいいですねと淀川長治が出て来そう。 映画の話なのに小説でしか表現出来ない気がします。 小説って本当にいいですねという感じです。
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会社を辞めた娘とギャンブル狂いの父。 ふたりの共通点は稀代の映画好きと言うこと。 そのふたりが起こした奇跡の話。 最近は映画館での映画は見てないなと、ネット頼みの私でも知っている名画の話が多数出てきます。 そしてその映画は、どれも、とても印象深かったものばかりで嬉しくなりました...
会社を辞めた娘とギャンブル狂いの父。 ふたりの共通点は稀代の映画好きと言うこと。 そのふたりが起こした奇跡の話。 最近は映画館での映画は見てないなと、ネット頼みの私でも知っている名画の話が多数出てきます。 そしてその映画は、どれも、とても印象深かったものばかりで嬉しくなりました。 キネマの神様のブログ開始後からは、もう面白くて一気読み。 後半はずっと鳥肌を立てつつ、鼻の奥をツンとさせながら読みました。 いちばん好きな映画、私も同じでした。嬉しい。 とてもいいお話。 オススメです。
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映画から繋がっていく輪。 たとえお互い顔を合わせなくても 友人としての関係で繋がれる。 映画で泣いて笑って色んな感情を抱いて成長してきたお父さん。 映画評論家としての重鎮だったローズバット基、リチャード・キャバネル。 この本で紹介された映画を見てみたいと思った。 映画評論家...
映画から繋がっていく輪。 たとえお互い顔を合わせなくても 友人としての関係で繋がれる。 映画で泣いて笑って色んな感情を抱いて成長してきたお父さん。 映画評論家としての重鎮だったローズバット基、リチャード・キャバネル。 この本で紹介された映画を見てみたいと思った。 映画評論家さんたちが評価した映画も。 とっても面白い作品でした。 原田マハさんの作品はいつも私のツボ。
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こんな父親をどう扱えばいいのか? それでもいいところはある! 映画好きという趣味があってよかった。映画で娘とも繋がれるし心の支え、生きがいにもなる。 もっと早くに気づいてあげられればいいのだろうけど、人生ってそんなもんなんだろうな。タイミングが「きっとそのときだったのだ」と思わな...
こんな父親をどう扱えばいいのか? それでもいいところはある! 映画好きという趣味があってよかった。映画で娘とも繋がれるし心の支え、生きがいにもなる。 もっと早くに気づいてあげられればいいのだろうけど、人生ってそんなもんなんだろうな。タイミングが「きっとそのときだったのだ」と思わなければやってられない。 過ぎてしまったことはどうすることもできないもの。 作中に出てきた映画を観たくなったなぁ。
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「旅屋おかえり」と「本日はお日柄もよく」と同じくカテゴリーかな。でもそれ以上に心にしみたお話でした。半分以上、涙しながら読みました。 国も言語も違う、だけど映画を愛する2人の心の通じ合い。それを支える周りの人たち。 どれをとっても全て素敵です。 もyっと映画館で映画を観よう、だっ...
「旅屋おかえり」と「本日はお日柄もよく」と同じくカテゴリーかな。でもそれ以上に心にしみたお話でした。半分以上、涙しながら読みました。 国も言語も違う、だけど映画を愛する2人の心の通じ合い。それを支える周りの人たち。 どれをとっても全て素敵です。 もyっと映画館で映画を観よう、だって無くなったら困る娯楽だもの!
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とても良い時間でした。始めから終わりまで惹きつけられて、最後はあたたかい涙が零れました。映画を観ること、映画館で観ること、それは大切なひとときです。読書することもいろいろな人生に触れられますが、わたしにとっても、映画を観ることもそうです。涙は出ましたが、優しい素敵な終わり方で良か...
とても良い時間でした。始めから終わりまで惹きつけられて、最後はあたたかい涙が零れました。映画を観ること、映画館で観ること、それは大切なひとときです。読書することもいろいろな人生に触れられますが、わたしにとっても、映画を観ることもそうです。涙は出ましたが、優しい素敵な終わり方で良かったです。
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