太陽と異端者 の商品レビュー
グールの国に行くことになったフェン。 荒波で仲間とはぐれ、叡智を避けるグールの暮らしに触れる。 「罪をないがしろにするのは、許しを乞うより愚かな罪悪です。 仮令一人でもこの血の犯した罪に苦しんでいる人がいるのなら、 目を逸らしてはいけない。 忘れてはいけないと思います」 目を...
グールの国に行くことになったフェン。 荒波で仲間とはぐれ、叡智を避けるグールの暮らしに触れる。 「罪をないがしろにするのは、許しを乞うより愚かな罪悪です。 仮令一人でもこの血の犯した罪に苦しんでいる人がいるのなら、 目を逸らしてはいけない。 忘れてはいけないと思います」 目を逸らし、忘れようとするすべての人へ。 少しでも、他者のために在りたいと思う。
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“「鞄よし、服よし、身体よし」 手の平で叩きながら、確かめる順番がおかしい。 「で、状況はよろしいのかな?」 「よくはないな」 サチの軽快な調子に、テオはやっとの事で声を発した。” 高里さんの話は、誰の視点なのかがよくわからなくなることが、度々あったけど、これは読みやすかった...
“「鞄よし、服よし、身体よし」 手の平で叩きながら、確かめる順番がおかしい。 「で、状況はよろしいのかな?」 「よくはないな」 サチの軽快な調子に、テオはやっとの事で声を発した。” 高里さんの話は、誰の視点なのかがよくわからなくなることが、度々あったけど、これは読みやすかったな。 しかも、深い。 “「厄介だね。君さえいなければ、人間を蔑んでいられたのに」 「私もです」” むー。 クロエとイーターのところで、思わずちょい泣いた。 グールを蔑み邪険に扱う人間。 むー。 深いね。 “「素晴らしい」 イーターの感嘆の声を聞いて、左腕を赤く腫らした男が喜んだ。 「軽傷ですか?」 「見事に折れています。よく気を失わずにいられたものです」 彼の思考と嗜好は本当に医者に向かない。 (中略) 「いやはや医術書の見本にしたい」 「酷えよ、先生」 「どうしました?」 「オレあ今、心に怪我をした」 「何を仰います。これだけ綺麗に折れていれば、治りは速いですよ」 「……ホントか?」 「医学に嘘は不要です」”
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