女神記 の商品レビュー
友達に紹介されて読んでみた。というか、友達に面白いと言われなければ絶対に読まなかった本。 祭祀と神話を融合させて男女の因果を描いた作品で、この一冊によく詰め込んだと思うくらいに充実した内容だった。 フェミニスト的な作者の意図は自分には刺さらなかったけど、ちゃんと主張がわかるので尖...
友達に紹介されて読んでみた。というか、友達に面白いと言われなければ絶対に読まなかった本。 祭祀と神話を融合させて男女の因果を描いた作品で、この一冊によく詰め込んだと思うくらいに充実した内容だった。 フェミニスト的な作者の意図は自分には刺さらなかったけど、ちゃんと主張がわかるので尖った良い作品だと思います。単純に面白かった!
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ゴメン、よくわからなかった。 ただ、読みながらかつて何かの本で、死者の骨を洗い続けるのが女性の役目、と言いう沖縄の風習に驚いたことを思い出した。
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『新・世界の神話シリーズ』が気になって桐野夏生作品を初めて読んだ。 日本神話のイザナギ・イザナミの話だが、主人公は南の海蛇島(沖縄久高島のイメージ?)の掟によって闇の巫女の運命を背負わされたナミマ。 ナミマは過酷な人生を16才で閉じ、黄泉の国でイザナミに使えることになる。 イ...
『新・世界の神話シリーズ』が気になって桐野夏生作品を初めて読んだ。 日本神話のイザナギ・イザナミの話だが、主人公は南の海蛇島(沖縄久高島のイメージ?)の掟によって闇の巫女の運命を背負わされたナミマ。 ナミマは過酷な人生を16才で閉じ、黄泉の国でイザナミに使えることになる。 イザナギとイザナミの話は国造りより、黄泉の国での別れとその後がメインになっている。 「1日1000人の人間を殺す」と宣言したイザナミの怨みと嫉妬がこれ程深く永遠だとは想像もしなかった。イザナミは、怨みの感情を抱え悶えるほど苦しんでいる。 桐野夏生さんの大胆な発想にドキリとする。 神話だし、神様だし、おおらかだと思っていたが、男と女の話と考えたらイザナミの気持ちも理解できないこともない。いや、人間でもここまでの執念はすごい。やはり神だからなのか。 「神は私たちの欲望も穢れもすべて引き受けて、過去を背負い、永遠に変わらない存在」 なるほど、そう捉えれば納得する。 イザナギは「死の穢れを怖れるあまり不老不死を望む。生に限りがなければ真に愛し共に生きたりはできない」と悟る。 これはもう神様の感情じゃなわ~と思うけれど、その想いに至ったイザナギに胸を打たれる。 ナミマの語りが心に染み、哀れみをさそう。 イザナミと出会わせることで話は深く、おもしろくなっている。 稗田阿礼、黄泉の国においても才女ぶりを発揮していて笑えた。
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2020年11月3日 古事記 稗田阿礼 イザナギイザナミの物語 そして沖縄のあたりだろうか、貧し過ぎる小さな島。そこでの陽と陰 家にかけられた大巫女の役割、もっとおぞましいその陰。その運命を一人称で語るナミマ。恐怖と裏切られた怨みと。 闇の神殿を想像するだに恐ろしい。 装丁の絵...
2020年11月3日 古事記 稗田阿礼 イザナギイザナミの物語 そして沖縄のあたりだろうか、貧し過ぎる小さな島。そこでの陽と陰 家にかけられた大巫女の役割、もっとおぞましいその陰。その運命を一人称で語るナミマ。恐怖と裏切られた怨みと。 闇の神殿を想像するだに恐ろしい。 装丁の絵はちょっと目のやり場に困る。
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古事記のイザナミとイザナキの話を桐野夏生流に描いた小説。 海蛇島に暮らす姉妹・カミクゥとナミマ。2人は島の神事をつかさどる陰と陽の巫女。しかし、呪われた家系・海亀家の男・マヒトとの禁断の逢瀬を重ねたナミマが妊娠。子供が生まれるが…。 てな話から、黄泉国のイザナミ様とナミマが出会...
古事記のイザナミとイザナキの話を桐野夏生流に描いた小説。 海蛇島に暮らす姉妹・カミクゥとナミマ。2人は島の神事をつかさどる陰と陽の巫女。しかし、呪われた家系・海亀家の男・マヒトとの禁断の逢瀬を重ねたナミマが妊娠。子供が生まれるが…。 てな話から、黄泉国のイザナミ様とナミマが出会って、人に死が訪れる理由が明らかになっていくって感じのお話。 神話がモチーフなんだけどね、 なんか読んでて思った。 これって、男と女の煮詰めた…いや、突き詰めた、恋愛の話なんだなと いや~そんな軽い話じゃないよ~ なんていう人もいるかもですが…私はそう思ってしまったのよ。 人って誰かを好きになって付き合ってとかなると も~ホントに自分の中にこんなに感情が渦巻いていたか!!ってびっくりすることって多い。 それは良いところもあれば悪いところも含めて。 で、別れたら特に、色々と心の中で渦巻いたりしちゃってね~もう大変。 その気持ちの持っていき処ってどこ~?ってね。 自分が幸せだったら元カレなんてどうでもいいと思えるのに たまたま元カレが幸せなところを見ちゃったら「き~!」てなものですよ。 この小説に出てくるイザナミって女神なんだけど ある意味すごく人間臭いというか情が深いのかも そんな女神DNAが女性に組み込まれてるのかしらね~ いやはや女神でいるのも大変だわ。
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桐野さんが描く日本神話。 黄泉の国の女神であるイザナミの物語。 そして、その物語を紡ぐ16歳で死んだ巫女の物語。 両者とも男を愛し、子を生みながらも、男に裏切られ消えることのない恨みを抱きます。 性、憎しみ、孤独…そういったものを描いた作品だと思...
桐野さんが描く日本神話。 黄泉の国の女神であるイザナミの物語。 そして、その物語を紡ぐ16歳で死んだ巫女の物語。 両者とも男を愛し、子を生みながらも、男に裏切られ消えることのない恨みを抱きます。 性、憎しみ、孤独…そういったものを描いた作品だと思います。 物語の最後はこう終わります 『まさしくイザナミ様こそが、女の中の女。イザナミ様の蒙られた試練は、女たちのものであります。 女神を称えよ、と私は暗い地下神殿の中で密かに叫ぶのでございます。』
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図書館で。 楽しく読んでいた新・世界の神話シリーズもこれで終わりなのかな?それにしてもちょっと通勤に読むには抵抗がある表紙。いや、通勤で読んだけど(笑)そしてメガミキでは無くてジョシンキだったんですね~ イザナキとイザナミの二柱の神様のお話よりも南の貧しい島に住むナミマの方が主...
図書館で。 楽しく読んでいた新・世界の神話シリーズもこれで終わりなのかな?それにしてもちょっと通勤に読むには抵抗がある表紙。いや、通勤で読んだけど(笑)そしてメガミキでは無くてジョシンキだったんですね~ イザナキとイザナミの二柱の神様のお話よりも南の貧しい島に住むナミマの方が主人公という感じ。男性は死んだら罪も執着も薄れるというのに女性は永遠に苦しめ続けられる…というのは不公平だなぁとは思うけど…そうかもしれないと腑に落ちてしまうというか。そう言う意味で男はズルイ(笑) まあとりあえずマヒトってのはイヤな男だった(笑)よくぞ戻って刺したものだ!アッパレ!と言いたい所。そういう意味では恨みある死者が仇を討てるシステムだと良いなぁ…とは思う。ウン。
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外でブックカバーなしでは読めない(¯―¯٥) 内容的にエロチックなわけでもないんだけどね(笑) 古事記のイザナミイザナギをモチーフにしてあるのだが。。。 男女の仲は人間であっても神であっても綺麗事だけでは済まされない部分がありますよね(¯―¯٥)
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古事記をベースにした人の思いの深さ、その恐ろしさを描いている小説。或る時期愛をかわしながらも、その後愛を失いまたかえみられもしなかった主人公は、黄泉の国に流れていくがそこで死を司る女神いざなきに出会う。いざなきもまた愛を失い、恨みを旨に、決して癒されない傷を持ちつつ死の世界を司ど...
古事記をベースにした人の思いの深さ、その恐ろしさを描いている小説。或る時期愛をかわしながらも、その後愛を失いまたかえみられもしなかった主人公は、黄泉の国に流れていくがそこで死を司る女神いざなきに出会う。いざなきもまた愛を失い、恨みを旨に、決して癒されない傷を持ちつつ死の世界を司どっている。主人公の女性は愛した人への思いを捨てきれず現実の世界にすずめ蜂に姿を変え戻るがそこでみたものは自分を裏切った夫と姉の愛する姿をみてしまう。そこで彼女は夫を毒針で刺してしまう。こうやって彼女の魂の痛みは消える事がない。そんな恐ろしい世界を変えるべく、イザナミは神の身をなげうって人間とまでなっていざなきを慰めようとするのだが。。。。恐ろしいお話です。古事記もこう読むと面白いのかも。
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・どこかで聞いたようなイザナミとイザナキという神様登場 ・南のある島での伝統的な風習 ・一つの価値は、対極にある価値によって際立ち、互いがあることで意味が生まれる。 なかなか面白かた。
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