ロシアはどこに行くのか の商品レビュー
ロシアでは今年12月に下院選、来年3月に大統領選があるということで、 現在のメドヴェージェフ&プーチンのタンデム体制の始まりはどんなもんだったか気になったので読んでみた。 選挙での不正や、2008年当時の雰囲気を伝える数々のエピソードがあって、楽しく読めました。 ある地区で不正選...
ロシアでは今年12月に下院選、来年3月に大統領選があるということで、 現在のメドヴェージェフ&プーチンのタンデム体制の始まりはどんなもんだったか気になったので読んでみた。 選挙での不正や、2008年当時の雰囲気を伝える数々のエピソードがあって、楽しく読めました。 ある地区で不正選挙を仕切っていた区長が、大統領選の時にあまりにも メドヴェージェフ氏の得票率が上がりすぎたため、不正発覚を恐れ、得票率を下げようと奔走したという話は皮肉なものね。
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著者は、プーチン氏に対して「独裁者」というイメージを植え付けたいように感じたが、私は、逆に国民としっかり対話している姿、常に率直に発言している姿に新鮮な驚きを感じ、好感を持った。日本に対しても、公平に見ていることがよく分かった。実質的に長期政権になっているが、日本としてはこうした...
著者は、プーチン氏に対して「独裁者」というイメージを植え付けたいように感じたが、私は、逆に国民としっかり対話している姿、常に率直に発言している姿に新鮮な驚きを感じ、好感を持った。日本に対しても、公平に見ていることがよく分かった。実質的に長期政権になっているが、日本としてはこうした政治家がロシアの指導者としていることを幸運だと思うべきだと感じました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
プーチン大統領から、メドベージェフ大統領になった時代の考察本。ついこの前にあった、プーチン再選までの流れを予想しており、今読むのにもってこいの一冊。 ロシア政治の怖さ、ロシア的民主主義、そして国民の無力感がよく分かる。特に不正投票に参加させられた人をドキュメンタリー式に追った文章は、とっても興味深く読んだ。一方、そういった情景描写が克明な分、新書にしては著者の見解が薄いように感じた。 ロシアは広いから独裁政治じゃないと無理、独裁者によって統治され続けてきたから民衆が立ちあがる気力さえもなくしている・・・。そんな声が多いロシア。分かりやすいけど、何か端的な理論である気がする。 より理解が深まるような本に出会えることを期待したい。
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ロシアは近くて遠い国。特に政治観において、わたしたちとは隔たりがあるように思う。彼らは善良な支配者を求め、西欧的民主主義を否定する。 本書ではプーチンの権力を維持するため汚職に携わった人、「ロシアの体現がプーチン」ともいえるプーチン体制に疑問を持つ民衆や権力者を求めるロシア人の感...
ロシアは近くて遠い国。特に政治観において、わたしたちとは隔たりがあるように思う。彼らは善良な支配者を求め、西欧的民主主義を否定する。 本書ではプーチンの権力を維持するため汚職に携わった人、「ロシアの体現がプーチン」ともいえるプーチン体制に疑問を持つ民衆や権力者を求めるロシア人の感性に触れている。 ありもしない奇跡を求め、今日も耐えるロシアの人々の明日がプーチン体制下で明るくなるとは思えない。
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[ 内容 ] プーチンは欧米諸国に配慮し、大統領を任期満了で辞めるかたちをとりながら、任期のない実質的な最高権力者となる首相職に就任した。 対外的にはロシアの政治的な進化を見せつけながら、他方でプーチンは絶大な政治権力を手に入れたのである。 本書ではさまざまな社会問題の分析をとお...
[ 内容 ] プーチンは欧米諸国に配慮し、大統領を任期満了で辞めるかたちをとりながら、任期のない実質的な最高権力者となる首相職に就任した。 対外的にはロシアの政治的な進化を見せつけながら、他方でプーチンは絶大な政治権力を手に入れたのである。 本書ではさまざまな社会問題の分析をとおしてプーチン・メドヴェージェフ体制の政治構造を解明したい。 そしてその先に見えてくるのは、現在の二頭体制とロシアの伝統的な政治文化の整合性の問題である。 新しい政治現象をテーマに据えることで、逆にロシアに古くから根ざす政治文化を浮き彫りにする。 現代は過去に通じ、過去は現代に開かれていることがわかるはずである。 [ 目次 ] 序章 二〇〇八年正月 第1章 ガリーナ・ヴラジーミロヴナの長い一日 第2章 税関ブローカー・イーゴリの憂鬱な日常 第3章 こんにちは、ヴラジーミル・ヴラジーミロヴィチ! 第4章 タンデム型デモクラシー 第5章 皇帝を待ちながら 終章 二〇〇八年九月 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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中村逸郎さんは、戦う大統領の本ですね。 ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン。舌を噛みそうな謎の多い大統領。 ベトナムやカンボジアを学んでいてどうしても冷戦絡みでロシアに関わることが多く、 興味が湧いたので本屋で手に取りました。 プーチンといえば、やっぱりジャーナリスト暗殺...
中村逸郎さんは、戦う大統領の本ですね。 ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチン。舌を噛みそうな謎の多い大統領。 ベトナムやカンボジアを学んでいてどうしても冷戦絡みでロシアに関わることが多く、 興味が湧いたので本屋で手に取りました。 プーチンといえば、やっぱりジャーナリスト暗殺のイメージが強いんですが、 この本も反プーチン派を粛清とまではいかなくても 押さえ込もうとした暗い感じの内容が綴られていました。 原油高騰という運もあって国内での評判も上々らしいプーチン氏。 法律改正して大統領に居座るかと思ったらメド氏を担いで首相になったり、 冷静かと思いきや結構いろいろ怒りっぽいというか感情的だったり、 改めて思うと面白い人ですよね。機会があったらプーチン肯定派の本も読みたいです。 あと、ロシアってやっぱ賄賂がすごいんだなぁと驚かされもしました。 貰った賄賂で賄賂を贈る、かぁ。うーん、すごい。
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汚職はロシア社会ではあらゆるところに蔓延っているが、税関が最もひどい。 警察官の犯罪はロシア人のあいだで恐れられており、日常生活を送るうえで精神的な圧力となっている。
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プーチン政権の暗い影。 傀儡政権になるまいともがくメドベージェフ。 強い救世主を切望するロシア国民。 ロシアって興味深い。
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近年、BRICsの一員として存在感を増したロシアであるが、一般民衆が語る不正選挙、入札妨害、賄賂など不正の数々。 メドヴェージェフ大統領を決める選挙の舞台裏はかなり不気味。 今後のロシアからも目が離せません。
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ロシアの内情が書かれている著書。 ロシアは、ソ連の名残で官が大きな権力を持っているため、賄賂が横行しているという話は再確認できて良かった。ただ、選挙でも不正が行われているというのは、初めて知った。国民は‘不正’に対して気付いているが大きな問題は起こっていないので許容範囲なのだろう...
ロシアの内情が書かれている著書。 ロシアは、ソ連の名残で官が大きな権力を持っているため、賄賂が横行しているという話は再確認できて良かった。ただ、選挙でも不正が行われているというのは、初めて知った。国民は‘不正’に対して気付いているが大きな問題は起こっていないので許容範囲なのだろうが。ダンデム型というのは、二頭制ということであるが、今のロシアを見る上で一番重要なところがこの点だと感じる。プーチン大統領が2期8年を終え、次にメドヴェージェフ大統領になった。しかし、プーチンは首相に退いた形をとっているものの、トップに居座り続けているという感じが否めないからだ。事実上二頭制のロシア。何を目指しどこへ行くのであろうか。これからが気になる。
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