火の路 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
奈良でゾロアスター教の拝火儀式(神官による再現)を見学する機会があり、その際に松本清張がゾロアスター教と日本の関係ついて書いたというこの作品のことを知って読んでみました。 ミステリーと論文が入り混じって読みやすいとは言えませんが、久しぶりに読みごたえのあるものに出会えました。 奈良の明日香にある古代遺跡から学会のドロドロした世界を垣間見、やがてイランへと到達する展開は見事です。作品の多くを占めている論文は難しくて半分もわかりませんでしたが(笑)、もっと歴史を勉強したいなとは思いました。 女性の扱われ方やイランの情勢、出版業界の仕事の進め方など、作品が書かれた70年代と今との違いに驚くことも多かったです。 現在の学説とは違っている点も多いと思いますが、古代への興味が膨らみました。
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