「大人になりきれない人」の心理 の商品レビュー
正直、自分のことを理解してもらうにはこれを読んでもらうのがいいんじゃないかというくらいに当てはまることが多くて驚きました。 親の育て方がどうこうとかではなく、自分の気質と周囲の環境とかそういう問題もあるのかなと思いますが、子供のころに年相応の経験とか感情の表出とか、そういうのが...
正直、自分のことを理解してもらうにはこれを読んでもらうのがいいんじゃないかというくらいに当てはまることが多くて驚きました。 親の育て方がどうこうとかではなく、自分の気質と周囲の環境とかそういう問題もあるのかなと思いますが、子供のころに年相応の経験とか感情の表出とか、そういうのができなかったというのはちょっとあるのかも、と思いました。いわゆる「いい子」でいないとという気持ちが大きくて、とにかく言うことを聞く、自己主張をしない、我慢する、そういう癖がついてしまっている気がします。それを強制されたわけではないんだけど、それが自然なことになってしまった。だからかわからないけど、よく大人っぽいよねとか落ち着いてるよねとか言われるし、多くの人の私に対する評価は「真面目」なんじゃないかなと思います。 「真面目」というのもこの本の中では信用できない部分もあるという風に書かれているし、自分でもそう思う節はあります。真面目なのかもしれないけどそれはあくまでそうじゃない部分を抑え込むためというか、根っからの真面目ではなくて周囲の目を気にしてそうしている部分は大きいし、でもむしろ今ではそれがデフォルトで普通のことになってしまっている。自分を見せたいように見せることができていると言えばそうなんだけど、本当の自分を知ってほしいという気持ちも持っているから厄介。 頑張るエネルギーが恐怖から来ているというのもその通り。どうやったらそんなに頑張れるのと聞かれることもありますが、頑張ってないと不安で仕方ないから頑張るしかないという感覚かもしれません。 そうして耐えて頑張って努力してきた人だから、五歳児の大人は頑張らない、我慢しない子を許せない、とこの本では書かれています。本当はそうなのかもしれないけど、そういう「許せない自分」も嫌で寛容な自分を演じるうちに、許せるようにはなったんじゃないかなと思う。けど、一方でそれは頑張ってきた自分の人生を無意識に否定することにもなっていたのかもしれない、それが無気力感につながっているのかもしれないとこの本を読んで思いました。 積極的に、主体的に何かをしなければいけない、自分で決断しなければいけない、責任を取らなければいけない、そういうことを極度に嫌うのも、この本に書いてある通り。だから「後輩」という立場では、責任はあまりない状態で、純粋に認められたい、褒められたい、役に立ちたいとか言う気持ちから頑張れるけど、引っ張っていかなきゃいけない立場になったとたんにやりたくなくなる。 目的が定まっていないというのもそうかも。だから人生をかけられる何かを持っている人を見ると羨ましいし妬ましく思っちゃう。 こんな風に、自分でコンプレックスに思っている部分が網羅されている本だだなと思いました。人生のそれぞれの段階で、それ相応の経験をすることがいかに大事か、変に大人ぶったりせずに各段階を経験し健全に卒業するということがいかにその後の人生に影響を及ぼすのかということを痛感した内容でした。
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自分の家庭環境はそこまで悪くないとは思いながらも、5歳児の大人に当てはまることが結構あった。 今を生きること。最後の文がシンプルではあるがとてもスッと心に入った。
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読むのは半分で終わった。 というのも、 書いている内容がやや偏り気味であるように感じたこと。 筆者の境遇と私の境遇があまりに違いすぎること 以上のことからである。 申し訳ないが、 私は意図せず自信を貰えてしまった。 (筆者と比べたら、、、という思考...
読むのは半分で終わった。 というのも、 書いている内容がやや偏り気味であるように感じたこと。 筆者の境遇と私の境遇があまりに違いすぎること 以上のことからである。 申し訳ないが、 私は意図せず自信を貰えてしまった。 (筆者と比べたら、、、という思考)
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自己の体験を基にしている部分は、著者にとっては真実だったのかもしれない。同じ事象に対して、人によって感じ方が違うというのも納得できる。しかし、全体的に根拠が短絡的で、かえって 6 章が張りぼてに思える。6 章だけ、もしくは 1 章と 6 章だけ読んだほうがよいかもしれない。
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477 「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫) by 加藤諦三 簡単に言えば、五歳児に三十歳の男が持つ重い荷物を持たせて歩かせるのである。周囲の人は、誰もが当たり前のように、この五歳児に重い荷物を持って歩くことを求めてくる。五歳児の大人がそれを重いと言えば、周囲の人から...
477 「大人になりきれない人」の心理 (PHP文庫) by 加藤諦三 簡単に言えば、五歳児に三十歳の男が持つ重い荷物を持たせて歩かせるのである。周囲の人は、誰もが当たり前のように、この五歳児に重い荷物を持って歩くことを求めてくる。五歳児の大人がそれを重いと言えば、周囲の人から袋だたきにあうだろ しかし心理的に成長していなくて、無理に社会的に適応している人は、社会に適応した行動をとるのが辛くて、きつい。だから、毎日生きるのが辛いのは、当たり前で 礼儀正しくしたくないのに礼儀正しくした人は、礼儀正しくない人を許さ 心理的に健康な大人は、生きるのが楽しいし、他人にはやさしいのである。五歳児の大人は、この逆で 無責任に快楽を求めて生きる子どもの能力しかないのに、社会的には責任ある立場に立たされて 若い頃から、 刻苦勉励 して生きてきて、社会的に成功した人が超保守主義に傾くのは、当然というか自然なのである。「お前たちは、俺のように辛い努力をしなかったではないか」ということである。そして、何よりも、辛い努力をしないで安易に生きてきた人が嫌いなのである。許せないので 愛する能力を持っている人にとって、子どもを育てることは、生きることと同義である。 一方、心理的に成長していなくて、愛されること、与えられることばかり要求する人にとって、子育ては苦痛でしかない。心理的成長に失敗した人にとって、子育ては苦痛である。愛する能力が破壊されている人にとって、子どもを育てるための苦労は、苦痛でしかない。それは喜びも人生の意味をももたらさない。苦労は苦労でしか だから、逃げようのないトラブルが生じた時には、つけを払い出す決意を固めるしかない。トラブルは避けられない。生きている以上、色々なトラブルに巻き込まれる。そこで「自分はダメな人間だ」などと決して思ってはならない。自分は、よくここまで頑張ってきた人間なのである。どんなトラブルを抱えようが自分は素晴しい、という確信を持ち続けることである。 トラブルは、決してあなたの価値を下げるものではない。 あなたが必死で生きてきても、息子が麻薬中毒患者になることもある。しかしそれで「こんなにいい環境の家なのに、なんでお前は……」と息子を責めてはいけない。自分を責めてもいけない。しかし、立派だと信じていた自分たちの家庭に問題があった、ということを認めることで 自分の判断力で生きなくても、「この中は安全です」という場所が欲しいのである。そういう場所を与えてくれる誰かが この例は両極端であるが、子どもは天と地ほども違う世界で成長していくのである。これだけ違う親に育てられても、人は同じ年齢になれば、社会的に同じ責任を要求される。そこで心理的におかしくなる人が出てくるので その時に「お母さん!」と叫べる母親に代わるものが、宗教なのである。芸術が宗教の人もいるだろう。絵を描くことが宗教の人もいるだろう。ベートーベンの作曲は、すべて「助けてくれ!」という心の叫びである。宗教とは何も ○○ 教という名前がついた宗教である必要はない。 何度も言うように、人は辛い時に「おかーさーん」と叫ぶ。しかし誰もがそんな「母なるもの」を持った母親の子どもとして生まれてくるのではない。辛くても「おかーさん、助けてー」と叫べない人もまた 私自身若い頃、「 錦 を着て憂える人あり、水を飲みて笑う人あり」という格言を座右の銘にしていた時期がある。おそらく錦を着て憂えている人は、本当には錦を望んでいたのではない。自分が本当に欲しいものが分からなくなって、頑張って錦を着ている人であろ 私は若い頃、自分は水を飲みて笑えるような人になろうと努めた。錦を着て憂えるような 愚かな人になってはならないと自分に言い聞かせ そのように、いくら自分に言い聞かせても、私は幸せにはなれなかった。なかなか笑えなかった。自分は食べることもできるし、着るものもあるし、住む家もあるのに、どうして毎日がこんなにも辛いのだろう、と思った。自分で自分を持て余していたから、「水を飲みて笑う人あり」という格言を座右の銘にしていたので しかし世の中を見ていると、環境的に恵まれている人が必ずしも幸せに生活しているわけでもなく、経済的に恵まれていない人が、必ずしも不幸な様子でもない。優秀で社会的に成功した人が必ずしも幸せそうでもないし、逆に社会的に成功していない人が必ずしも不愉快そうに生活しているわけでも
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小さな幸せで満足できず、満たされず周りを羨み、自分の不幸を呪う。不幸の原因を周りに求める。 そんな大人になりきれない感情の根底には、さまざまな憎しみがあり、それを消さない限り幸せを感じることは出来ない。 そしてそれを消すのは、やり返すことでも、追い越して優越感を持つことでもな...
小さな幸せで満足できず、満たされず周りを羨み、自分の不幸を呪う。不幸の原因を周りに求める。 そんな大人になりきれない感情の根底には、さまざまな憎しみがあり、それを消さない限り幸せを感じることは出来ない。 そしてそれを消すのは、やり返すことでも、追い越して優越感を持つことでもなく、「許し」しかない。 自分と向き合い、憎しみの根源を探し、許す。 そうして生まれてから積み上げた憎しみを消しさり、幸せに気づいていく。 簡単なようでものすごく難しい。 内容はひたすら同じことを繰り返しなのだが、いちいち当てはまるので読み飛ばせない。。。
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はじめに私の背景について書く。自分の生育環境の普通でなさに25歳になってようやく気付いた。25歳になるまで焦燥感を感じながら必死に生にしがみついている感覚があり、気付いたらうつ病になっていた。自分の満たされなさはどこから来るのだろうかと日々思い悩んでいた。なんとなく、自分は他の人...
はじめに私の背景について書く。自分の生育環境の普通でなさに25歳になってようやく気付いた。25歳になるまで焦燥感を感じながら必死に生にしがみついている感覚があり、気付いたらうつ病になっていた。自分の満たされなさはどこから来るのだろうかと日々思い悩んでいた。なんとなく、自分は他の人と比べて子供っぽい考え方をしているなと感じていて、そこが引っかかっていた。よくよく考えてみると今までの自分は甘えが満たされないまま成長してしまったんじゃなかろうか、それが現在の満たされなさに繋がっているんじゃないかと考えるようになった。 そこでこの本に出会った。 少し冗長なところはあるが、私の言いたいことをうまく代弁してくれているいい本だった。 私のように漠然とした満たされなさを感じて生きている人、愛情を受け取った記憶がない人にとってはこの本が生まれて初めての理解者になるかもしれない。 自分が昨今知名度が高まりつつあるアダルトチルドレンに該当するのではないかと考えたことがある人にはぜひ一度読んでほしい本である。
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加藤先生はその著作の中で、幾度となくご自身も「5歳児の大人」であったことを認めていて、この本でもそれが出発点になっている。だから、他の著作よりも主張がより明確に伝わってくるように感じた。折に触れて読み返していくようにしたい。
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大人社会で生きづらさを感じている人たちへ贈る本。 読んで痛切に感じた。自分は筆者が嫌っていた、大人になりきれずに世間を恨んでいた父親そのものだと。そして、ひたすらに愛への渇望を叫んでいた若き日の筆者であると。 筆者はその原因を子供時代の境遇にたどり、認識することで変わることがで...
大人社会で生きづらさを感じている人たちへ贈る本。 読んで痛切に感じた。自分は筆者が嫌っていた、大人になりきれずに世間を恨んでいた父親そのものだと。そして、ひたすらに愛への渇望を叫んでいた若き日の筆者であると。 筆者はその原因を子供時代の境遇にたどり、認識することで変わることができると説くが、認識しても抜け出せないから生きるのがつらい。わかっていても変えられないから苦しくて仕方がない。 安易な解決策などはなく、結局はその人自身の力で抜け出すしかない。ただ、認識することはすべての始まり。自分に問いかけるきっかけとしてこの本は役に立つだろう。
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大人になりきれない大人、著者曰く「五歳児大人」についての本。前半はこれでもか!というほど「五歳児の大人」をコケにします。ほんとに、読んでて腹が立つほど!笑 しかし、最終章では改善というか、「ではどうするか?」についての言及もあります。自分に置き換えながら、考えながら読むべき本だと...
大人になりきれない大人、著者曰く「五歳児大人」についての本。前半はこれでもか!というほど「五歳児の大人」をコケにします。ほんとに、読んでて腹が立つほど!笑 しかし、最終章では改善というか、「ではどうするか?」についての言及もあります。自分に置き換えながら、考えながら読むべき本だと感じました。
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