生きもの ハダカデバネズミ の商品レビュー
著者の岡ノ谷さんが、カナダで鳥類の研究をしてゐると、いろいろあって帰国せざるを得ない状況が出る。 しかもハダカデバネズミとやらいふ社会性のネズミを押し付けられる。しかも発見し、それが社会性と言ふ奇怪な習性を持つのを発見したJ・ジャーヴィス御大の飼ひ鼠と言ふありがたすぎるものの!...
著者の岡ノ谷さんが、カナダで鳥類の研究をしてゐると、いろいろあって帰国せざるを得ない状況が出る。 しかもハダカデバネズミとやらいふ社会性のネズミを押し付けられる。しかも発見し、それが社会性と言ふ奇怪な習性を持つのを発見したJ・ジャーヴィス御大の飼ひ鼠と言ふありがたすぎるものの!! いろいろあって帰国した岡ノ谷先生は、大学といふa勉強とb動物の飼育に不適合な環境で、ジュウシマツと共にデバを飼ひつつ言語の研究をする。 なんか知らんけど、このデバさんは、ジェスチャーだけでなく、その言語のやうなものを操る能力も持つ。 最後に、「歌う!ハダカデバネズミ!」は、謎の感動が。
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ハダカデバネズミの生態について著者が「デバ」と出会った頃からの研究内容が、思い出を交えて書かれている。名前も実物のフォルムも強烈だが、読んでいるうちに愛らしくなってくる。最近動物園で人気らしい。今度行ってみよ。
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グロカワイイ? 毛がほとんど生えていないしわくちゃの皮膚、 目が退化してあるのかないのかわからない、 デカイ鼻の下には突き出したげっ歯類の歯、 脚が短く胴長。 その名は、ハダカデバネズミ。 哺乳類なのに変温動物、昆虫に特有の女王を頂点とする真社会性を有する。 ...
グロカワイイ? 毛がほとんど生えていないしわくちゃの皮膚、 目が退化してあるのかないのかわからない、 デカイ鼻の下には突き出したげっ歯類の歯、 脚が短く胴長。 その名は、ハダカデバネズミ。 哺乳類なのに変温動物、昆虫に特有の女王を頂点とする真社会性を有する。 しかも寿命は破格の三十年以上。 なんなんだ、こいつら。 そんなハダカデバネズミたちの生態について。
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2008年刊。著者のうち吉田は日本学術振興会特別研究員。岡ノ谷は理化学研究所チームリーダー。◆実に読みやすく、この種の書で久々にワクワクしながら読破。蟻や蜂と同じく、子孫を特定の繁殖個体(女王)のみに依存する真社会性「哺乳類」であるハダカデバネズミ(ヒトはコロニー内の特定個体に繁殖依存しない)。80〜300匹のコロニーを地中に形成し、地中生活に適応(低O₂・高CO₂の濃度で生存可。地下空洞内で反響しやすい音階に敏感等)。社会性の確認は最近(1981年頃)で研究は端緒。が、実に人間くさい生き様が描写。 例えば、雌における、熾烈な女王就任を巡る争い、下位の兵隊メスの乗っ取りを防ぐ地位保全の努力、その結果、高ストレス等で女王は短命である。一方、女王に傅く数匹の王様(繁殖雄)。交尾の度に痩衰え、短命(免疫抑制作用のあるテストステロンのため)に加え、反逆を決意した順位二位以下の雌に暗殺される場合もある(何とも可哀想である)。だけでなく、王様になれない兵隊雄は、新たなコロニーを作るため、放浪の旅に出るというのも社会性を逸脱する個体の存在という意味で興味深い。 「新世界より」(貴志祐介著)に登場する「バケネズミ」の元ネタ(のはず)としても、興味を引く要素かもしれないし、研究者たちの「ハダカデバネズミ」愛が感じられるのもgood。
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一時期、一部の間で流行っていたらしい「ハダカデバネズミ」を、遅まきながら読んでみた。 アフリカ北東部のソマリアあたりに生息し、毛がないのは寄生虫対策との説が有力らしく、歯は口唇を突き破って生えているといった、いわゆる生態などが説明されている。 また、その生活は集団で過ごし、アリや...
一時期、一部の間で流行っていたらしい「ハダカデバネズミ」を、遅まきながら読んでみた。 アフリカ北東部のソマリアあたりに生息し、毛がないのは寄生虫対策との説が有力らしく、歯は口唇を突き破って生えているといった、いわゆる生態などが説明されている。 また、その生活は集団で過ごし、アリやハチのような真社会性(繁殖は女王デバの役割で働きデバなどそれぞれに役割が決まっている)を持っているとのこと。 子どもが生まれたら体温をキープするためにひたすらふとんの役目をするふとん係もいるそうだ。 研究対象としてデバを選んだ理由として、その脳と行動を調べることにより社会が特化していく際の生物学的な変化を調べることを期待した、とのことだが、成果はあったのだろうか。
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ああ、『クマムシ』と同じ人の企画・編集なのね。さもあらんってとこ。 いやもう、反則に近い。例を挙げれば、小学校低学年の男子に「うんこ」をテーマにしたギャグを言うようなもんで、こんなインパクトでかい動物をテーマにした本で、面白くならないわけないわな。 著者やその他登場人物の「デバ...
ああ、『クマムシ』と同じ人の企画・編集なのね。さもあらんってとこ。 いやもう、反則に近い。例を挙げれば、小学校低学年の男子に「うんこ」をテーマにしたギャグを言うようなもんで、こんなインパクトでかい動物をテーマにした本で、面白くならないわけないわな。 著者やその他登場人物の「デバ愛」を感じる良書。
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言語と情動の研究者である著者が、ハダカデバネズミの生態について紹介する本。 ただの生き物図鑑としてではなく、ハダカデバネズミを観察することで何が分かるのか、人間の言語についても分かるのではないかという著者の研究についても触れられていてとても面白いです。 切なかったのは、ハダカデ...
言語と情動の研究者である著者が、ハダカデバネズミの生態について紹介する本。 ただの生き物図鑑としてではなく、ハダカデバネズミを観察することで何が分かるのか、人間の言語についても分かるのではないかという著者の研究についても触れられていてとても面白いです。 切なかったのは、ハダカデバネズミの女王はアリやハチの女王とは違って下克上によって作られるため、死因が病死か下克上ということ。 あと兵隊のハダカデバネズミは自らを犠牲にして仲間を守るということ。 そして音の高さや低さや声の出し方でコミュニケーションを取っていて、身体の小さい個体が大きな個体に対してだけ出す鳴き方などもあるらしく、すごく面白い。 あとハダカデバネズミとは一切関係ないけど、共著者である吉田君が書いている部分の「新しいことを発見するとすぐに他人に報告したくなる僕は(でも決して秘密が守れないわけではありません」というところにときめいた笑
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成毛眞氏「面白い本」の一冊。 奇妙な外見のネズミ。東アフリカの乾燥地帯に地上下50cmに3キロものトンネルを掘って鎖国状態で暮らす。たった1匹の女王が母親で、1〜3匹のオスのどれかが父親だけど、母父も兄弟のこともあるという近親相姦密室家族。働きアリや兵隊アリに相当する子供達。でも...
成毛眞氏「面白い本」の一冊。 奇妙な外見のネズミ。東アフリカの乾燥地帯に地上下50cmに3キロものトンネルを掘って鎖国状態で暮らす。たった1匹の女王が母親で、1〜3匹のオスのどれかが父親だけど、母父も兄弟のこともあるという近親相姦密室家族。働きアリや兵隊アリに相当する子供達。でも、階級は生まれながらに決まっているわけではないところはアリとは違う。哺乳類のくせに自分で体温を維持できない。ネズミのくせに何十年と生きる長寿。 もうこれだけで十分、おもしろいよね。 勢いで同じシリーズの「シロアリ」も買っちまいました。
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岩波科学ライブラリーの、ハダカデバネズミの本。 裸・出歯・鼠。ひどい名前だけど、姿を見たらまさにその通りだから仕方がない。 ハムスターの赤ちゃんのような姿だが、一生裸。げっ歯類特有のインパクト大の門歯。あるのかないのか分かりにくい、小さすぎる目。いわゆるキモカワイイという...
岩波科学ライブラリーの、ハダカデバネズミの本。 裸・出歯・鼠。ひどい名前だけど、姿を見たらまさにその通りだから仕方がない。 ハムスターの赤ちゃんのような姿だが、一生裸。げっ歯類特有のインパクト大の門歯。あるのかないのか分かりにくい、小さすぎる目。いわゆるキモカワイイというのはこの子たちのことなんだなと納得してしまいます。 アリやハチのように真社会性を持つ哺乳類。厳然たる職業階級(カースト)制度。女王と生まれた新生児たちのふとんになるだけの係があるとはびっくりしました。が、その写真を見てそこはかとなくかわいく思ってしまうのはオイラだけではないはず。 ピンク色した肉ぶとん係のハダカデバネズミたちの上に、女王と子供たちがもごもごしている姿は可愛いではないか。 カラー写真も多く、小学生の高学年くらいなら興味があれば読み進められてしまうと思います。 これを読んで、千葉大学のサイエンスプロムナードで暮らすデバたち(愛称チバデバ)に会いたくなりました。
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