セメント樽の中の手紙 の商品レビュー
小林多喜二と並ぶプロレタリア文学者。知名度でだけ比べると小林多喜二だろうか。 『セメント樽の中の手紙』がかつて教科書に載っていたそうだが、世代が違っているのか、見たことがない。 読みたかったのは『新青年』に載った『死屍を食う男』で、こちらは『新青年』らしいホラー小説。尤も『セメン...
小林多喜二と並ぶプロレタリア文学者。知名度でだけ比べると小林多喜二だろうか。 『セメント樽の中の手紙』がかつて教科書に載っていたそうだが、世代が違っているのか、見たことがない。 読みたかったのは『新青年』に載った『死屍を食う男』で、こちらは『新青年』らしいホラー小説。尤も『セメント樽~』もかなりホラー寄りで、既に評価が定まっているプロレタリア文学としてではなく、ホラー系からのアプローチで再評価してもいいのでは? ……と思う。
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表題作をはじめ、どの短編もせちがらく、泣いてしまいました。哀しいだけで終わらない、暗い救いを見出させてくれるのがこの本の素晴らしいところです。
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書名と同じ「セメント樽の中の手紙」と最後の「氷雨」がいい。 プロレタリア文学は読んでいてつらくなる。 小林多喜二のものよりも葉山嘉樹のほうがせつない。
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学校の授業でこのお話を読んで、続きが気になり手に取ってみた。 はじめの、 セメント樽の中の手紙 は衝撃的…。 本当に、怖かった…。巻き込まれないことを願うしかない。 恋人の女性も中々することが怖かったが。
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近代という時代を築き上げてきた人々の過酷な労働条件、生活を見ることができる。 女工の恋人に対する思いが手紙に溢れていて、切なくなる。また、それを読んだ与三の気持ちも想像してみると、やるせない気持ちになってくる。短いが、プロレタリア文学を代表する素晴らしい作品だ。
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不条理と一言では言えない世間の荒波と日常風景。プロレタリアだけが弱者でもない、だれが弱者だ!?セメントの神に祈るしかない。「お願いですから、セメントにだけは巻き込まないでください」ってな。
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物凄く短いんだけどオチは結構好き。 初っ端のセメント樽の中の手紙はあらすじからなんとなーく内容読めてたけど良い意味での後味の悪さが絶大。 というか収録作8作品とも不健全で病んでる感じ。とても面白かった。 短いので同じプロレタリア文学でも蟹工船より読みやすくてオススメ。
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表題作は道徳の教科書で読んだけどすごかった…。 重く、苦しく、極限。衝撃のプロレタリア文学です。 ホラーな「死屍を食う男」はまた別の魅力です。
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