茗荷谷の猫 の商品レビュー
新種の桜造りに心傾ける植木職人、乱歩に惹かれ、世間から逃れ続ける四十男、開戦前の浅草で新しい映画を夢みる青年―。幕末の江戸から昭和の東京を舞台に、百年の時を超えて、名もなき9人の夢や挫折が交錯し、廻り合う。切なくも不思議な連作物語集。 一見、バラバラの物語のようでいて、時おり、...
新種の桜造りに心傾ける植木職人、乱歩に惹かれ、世間から逃れ続ける四十男、開戦前の浅草で新しい映画を夢みる青年―。幕末の江戸から昭和の東京を舞台に、百年の時を超えて、名もなき9人の夢や挫折が交錯し、廻り合う。切なくも不思議な連作物語集。 一見、バラバラの物語のようでいて、時おり、それが繋がっているのを見つけてうれしくなる。「隠れる」と「てのひら」が好き。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
知っている土地、坂の名前が出てくるので、距離感も分かり易いのだけど、内容が無かった。 淡々としており、「で?」と一人ツッコミしたくなる内容だった。 一話から少しづつ次の話しに絡んで行き、時系列で書かれているのだが、 明治から昭和にかけての文学作品へのオマージュなのかな?
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東京を舞台に、江戸から戦後高度経済成長期あたりまで少しずつ時代が変遷していく。短編集だけど、一作一作が重なり合っている。 何処か可笑しかったり、切なかったり、ちょっとホラーだったり。。 読み進めるうちに味わい深い作品だと思えた。
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江戸から昭和までの短編小説集 でも同じ人物や背景がちらりと再登場したり かっての謎がとかれたり・・・ そのつながりを見つけるのが楽しく 読み終わってから長編小説だと気づく それぞれの副題に東京の地名が添えられている その土地の雰囲気や位置関係のわかる東京人にはそれも楽しめるんだろ...
江戸から昭和までの短編小説集 でも同じ人物や背景がちらりと再登場したり かっての謎がとかれたり・・・ そのつながりを見つけるのが楽しく 読み終わってから長編小説だと気づく それぞれの副題に東京の地名が添えられている その土地の雰囲気や位置関係のわかる東京人にはそれも楽しめるんだろうなぁ
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幕末から戦後高度成長期の東京の下町を舞台にその時代々々を生きた人達と土地を描いた9つの連作短編集。 東京の下町という土地に生まれた者、移り住んだ者、何かにとり憑かれたように生きる人から世間から逃げていくように生きる人まで様々な生き方が不思議で切ない。 幕末、大正、開戦直前、戦後、...
幕末から戦後高度成長期の東京の下町を舞台にその時代々々を生きた人達と土地を描いた9つの連作短編集。 東京の下町という土地に生まれた者、移り住んだ者、何かにとり憑かれたように生きる人から世間から逃げていくように生きる人まで様々な生き方が不思議で切ない。 幕末、大正、開戦直前、戦後、各々の時代の漂う空気感が心のうちに染み込んでくる。 そして物語は時代と空間を越えて記憶をたどるように少しずつつながる。 すっきりしない結末の話しも多いのですがなんかそれもよい感じです。 すべて味わい深いのですが表題作の「茗荷谷の猫」「庄助さん」「隠れる」「染井の桜」「てのひら」がよかったです。
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物語と著者の適度な距離感が心地いい。23区のあちらこちらでぽつりぽつりと紡がれる掌篇を数珠繋ぎにして、東京の近代が淡く描き出される。ままならぬ人の世を苦く、ほの甘く示す。今も昔も変わらない、と。
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この人の作品を読むのは直木賞受賞作「漂砂のうたう」についでこれが2作目。 受賞作だけでなくもう少し読みたいと思ったので・・・。 幕末、武士の身分から職人に変身したり、 時代に翻弄される名もなき人たちを描いた連作の物語。 ペーソスも感じる。 『本来暇で退屈であることは、至上の贅沢で...
この人の作品を読むのは直木賞受賞作「漂砂のうたう」についでこれが2作目。 受賞作だけでなくもう少し読みたいと思ったので・・・。 幕末、武士の身分から職人に変身したり、 時代に翻弄される名もなき人たちを描いた連作の物語。 ペーソスも感じる。 『本来暇で退屈であることは、至上の贅沢である』と書いている。 私は至上の贅沢を味わっていることになるのか? 納得できるような、できないような・・・ 淡々を書いているがなかなか味わい深いと感じた。
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9つの短編だが、土地や人などが少しリンクしているところが楽しい。 話の内容は全く楽しいものじゃないけどね。 ユーモアなく暗いものが多い。 「隠れる」という話は江戸川乱歩の『赤い部屋』を主人公の男が 愛読しているのだが、話し全体も乱歩調。 これはちょっとブラックユーモアを感じたので...
9つの短編だが、土地や人などが少しリンクしているところが楽しい。 話の内容は全く楽しいものじゃないけどね。 ユーモアなく暗いものが多い。 「隠れる」という話は江戸川乱歩の『赤い部屋』を主人公の男が 愛読しているのだが、話し全体も乱歩調。 これはちょっとブラックユーモアを感じたので、一番楽しかった。 「庄助さん」には、ちょっとキュンとさせられたけど泣けるほどでもなかったな 文の質は高いと思うけど、この暗さは苦手だ。 ( ・_ゝ・)<大人はこーゆう本好きなんでしょうね
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幕末の江戸から昭和の東京を舞台にした話。その時代背景も、人物描写も的確で自然な流れでその時を生きる人々に感情移入してしまう。「ぽけっとの、深く」が秀逸。「てのひら」は共感する部分が多く切なくなった。
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とてもすき 明治大正時代あたりの小説がすき 江戸から明治、大正、昭和と連作風な短編 どれもおもしろい
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