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茗荷谷の猫 の商品レビュー

3.8

74件のお客様レビュー

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    15

  2. 4つ

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  3. 3つ

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  4. 2つ

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2014/01/23

この作家さんは魅力的な 人をたくさん書く。 胸をぐっと掴まれて、 一つ一つを読み終えたら 余韻に浸りたくなる。 黒焼道話、茗荷谷の猫、庄助さん が好きだった。 内田百閒好きなので、 仲之町の大入道もたまらん。

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2013/06/04

短編はなかなか感情移入しにくくて苦手だから遠ざけていた。 この本は、開いて1ページ目からぐっと引き込まれた。 どの話もひどく心をつかまれた。 木内さんの作品を読むのは5回目だけど、外れがないなー 御一新の少しあとから、高度経済成長期まで、少しずつ重なりながら連なっている短編集。...

短編はなかなか感情移入しにくくて苦手だから遠ざけていた。 この本は、開いて1ページ目からぐっと引き込まれた。 どの話もひどく心をつかまれた。 木内さんの作品を読むのは5回目だけど、外れがないなー 御一新の少しあとから、高度経済成長期まで、少しずつ重なりながら連なっている短編集。 哀れなのや、恐ろしいのや、おかしいのや、あたたかいのや、悲しいのや、愛しいのがたくさん詰まっている。 図書館で借りたのだけど、これは買って手元に置いておきたい。 木内さんの作品は装丁がいいのも特徴のひとつです。

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2013/05/17

内田百間、江戸川乱歩、永井荷風、そして東京へのオマージュ。懐かしさを感じさせつつ、懐古趣味ではない。良書。

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2014/08/16

少しずつリンクしている短編集。 自由きままなその日暮らしの中年 関わりたくないと思っているのにどんどん行動が裏目に出て隣人が近づいてくる「隠れる」、年老いた母親とその娘の話「てのひら」が印象に残った。 どの話も少し暗い印象がある。「てのひら」はなんか悲しくなった。

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2012/09/23

木内さんの本はやっぱりいいですね! 幕末~昭和初期の短編集。それぞれどこか話が繋がっていて面白い。 そして切ない。 どれも好きですが、特にいいなと思ったのは【隠れる】。

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2014/02/07

短篇集。江戸から東京を舞台に、すべての話が時代を跨いでどこかで繋がっていて、読み進めると面白い本。話しひとつひとつはそれとして終わっているので、繋がりを知っているのは読者だけ。

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2012/04/13

市井の人々のささやかな営み、そして生と死。存在の証はいずれ消滅するが、また誰かに連綿と受け継がれただよい続ける。儚いが、確固たる生への執着を精緻に描ききった傑作だ。いつまでもこの読後感に浸っていたい。

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2012/02/20

少しずつ連鎖する、幕末から昭和までの9人の物語。とりとめて何かを得たわけでもない、けれどそこには彼らにしか分からない、追い求めたもの、大切なものがある。確実な成功や富を手に入れることでは得ることのできない何か。その人それぞれに見え隠れする人生。人が生きる、ということを素朴な情緒感...

少しずつ連鎖する、幕末から昭和までの9人の物語。とりとめて何かを得たわけでもない、けれどそこには彼らにしか分からない、追い求めたもの、大切なものがある。確実な成功や富を手に入れることでは得ることのできない何か。その人それぞれに見え隠れする人生。人が生きる、ということを素朴な情緒感で綴った短編集。

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2017/11/09

全部猫の話かなと思ったら全然違っていました。 9つの物語が収められていましたが、関連性があるようなないような…。 なんとも不思議な連作小説でした。 第1章染井の桜(巣鴨染井)で幕末の江戸の庶民の姿を描かれていました。第2章、第3章と続くうちに時も流れ、最後の9章で昭和の東京の姿...

全部猫の話かなと思ったら全然違っていました。 9つの物語が収められていましたが、関連性があるようなないような…。 なんとも不思議な連作小説でした。 第1章染井の桜(巣鴨染井)で幕末の江戸の庶民の姿を描かれていました。第2章、第3章と続くうちに時も流れ、最後の9章で昭和の東京の姿を描いています。 タイトルの「茗荷谷の猫」は第3章。 かわいい猫の活躍を期待していたのですが…。 うっすらとした恐怖が残りました。 どの物語でも夢や人生の挫折を味わう 名もなき平凡な人々の姿が生き生きと描かれ、 昔も今も、人間とはこのようなものかとも考えさせられました。 第1章で登場する桜と茗荷谷の猫が中心となる縁で、 9つの物語が百年近い時をつながっているようです。 一度は切れたように見えても、またしばらくするとつながってくる。 時空を超えて再びつながる、そんな「つながり」を見つけた時、 たとえようもない切なさを感じました。 派手なアクションもなく、 推理小説のハラハラドキドキ感もありません。 主人公は地味な一般庶民ばかりなのに、 なぜか、この物語は、胸の奥にズシンと残ります。 人情モノにはやはり人の心に訴えかけるモノがあるのでしょうか。 作者の木内昇さんのストーリー仕立ても一役かっているようです。 小説の冒頭部分で、その本にのめりこめるかどうかわかるのですが、 この物語どの章をとっても、 最初の冒頭分でグッとのめりこみ、最後まで読み切ってしまいました。 これも猫の神通力か、桜の神木の力か…。

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2012/01/05

 新年早々いいもの読ませてもらった。ブクログの狂気タグで見つけた本だったので、穏やかな顔(※表紙)してどんなどろどろなんだいと思いながらページをめくったら……なんだよ素敵じゃないの……。ほの暗い雰囲気でもあるけど、どこかに救いがある。どこかコミカルで、思いがけずくすっとしたあと、...

 新年早々いいもの読ませてもらった。ブクログの狂気タグで見つけた本だったので、穏やかな顔(※表紙)してどんなどろどろなんだいと思いながらページをめくったら……なんだよ素敵じゃないの……。ほの暗い雰囲気でもあるけど、どこかに救いがある。どこかコミカルで、思いがけずくすっとしたあと、これは笑ってよかったのか? とはたと気付くのである。でも、笑っていいと思うんだ。  表題作の「茗荷谷の猫」がいちばん好き。次点で「隠れる」、「ぽけっとの、深く」かな。タっちゃん……。  百けんや、乱歩や中也の名前が出てきたのも楽しかった。  全部読み終えてからようやく、『家』がテーマでもあるのかなと気付いて何だか嬉しくなりました。

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