幕末藩主の通知表 の商品レビュー
真面目に読むととても時間のかかる本です。 著者は元通産官僚で、監修とはいえこれだけの人物の行動を把握していることには敬意を表します。 とはいえ、勝てば官軍という勝者の論理のみが重視されている点で、機を見るに敏な裏切りや権謀術数にたけた人物が高評価を与えられており、価値軸がとて...
真面目に読むととても時間のかかる本です。 著者は元通産官僚で、監修とはいえこれだけの人物の行動を把握していることには敬意を表します。 とはいえ、勝てば官軍という勝者の論理のみが重視されている点で、機を見るに敏な裏切りや権謀術数にたけた人物が高評価を与えられており、価値軸がとても分かりやすい本です。 例えば、藩主が仁義礼智などという人としての徳目と、藩の安泰が完全に相反した場合、まず人民の命を守るべきだという点であえて風見鶏となる行為の方が評価されています。 従って、長岡藩士の河井継之助は40点という低評価で、奥羽越列藩同盟に参加しながら官軍に寝返った三春藩主の秋田などは74点という評価になります。 まず、そうした価値軸をベースとした通信簿だと理解する必要があります。 また本書は、家紋や藩の禄高などをきちんと記載しており、さらに若くして動乱の歴史の舞台に立っていた人物の多さに改めて驚かされます。
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松平容保の評価が辛いのを始め幕末の藩主や志士を採点した本。 島津に暗君なしを実践した点数になっている。
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