赤々煉恋 の商品レビュー
性的倒錯や異形、異世界の物語
本書は、ネクロフィリアやアクロトモフィリアなどの性的倒錯や異形、異世界を描いたミステリー・サスペンスタッチの5編の物語からなる短編小説集である。フィクションとはいえ、現実世界でも仄聞する性的嗜好や霊視などが題材として扱われており、人間の執着や偏愛、欲望の際限のなさにおぞましさや悲...
本書は、ネクロフィリアやアクロトモフィリアなどの性的倒錯や異形、異世界を描いたミステリー・サスペンスタッチの5編の物語からなる短編小説集である。フィクションとはいえ、現実世界でも仄聞する性的嗜好や霊視などが題材として扱われており、人間の執着や偏愛、欲望の際限のなさにおぞましさや悲哀を感じながら、一方で倒錯した怪異な世界を覗き見たい好奇心にかられて読み進めている自分がいる。
fugyogyo
今1番好きな作家さんです。 不思議で不気味で切なさと悲しさが入り交じった愛の物語短編集。 スッキリと読める内容ではありませんが、何だかもう1度読みたくなる本でした。
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ウッへ、のっけからネクロフィリアかよ。ま、タイトルが「死体写真師」だからまんまと言えばまんまだけど、ターゲットの生前から用意周到に待ち続けた晴紀の執着心こそが、むしろ怖い。あと『私はフランセス』がアクロトモフィリアもので、主人公が「現代のメフィストフェレス」達とも呼びたい性的倒錯達に洗脳されていく過程と盗癖を絡めてるトコがキモだけど、残りはそれなり。題材は面白いけど、皆川博子信奉者のワタクシ的にはこの作者の美意識は今一つ。
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この作者は本当に幅広い作品を書くので素晴らしい。 全体的にグロテスクで不気味な話が多いけども、文章が上手いのでそこまで抵抗感なく読み進めることが出来る。 特に面白かったのが「レイニー・エレーン」。雑に言えば下品な話だけど主人公の回想が甘酸っぱくて良い。 自分が見た帯には「連作...
この作者は本当に幅広い作品を書くので素晴らしい。 全体的にグロテスクで不気味な話が多いけども、文章が上手いのでそこまで抵抗感なく読み進めることが出来る。 特に面白かったのが「レイニー・エレーン」。雑に言えば下品な話だけど主人公の回想が甘酸っぱくて良い。 自分が見た帯には「連作短編集」と書いてあったけど、連作なんですか?自分では気付かなかったのでまた読んでみたいと思います。
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★2016年4月13日読了『赤々煉恋』朱川湊人著 評価A ちょっとグロでエロチックで、ミステリアスで、かなり特殊な愛の形の短編5編。いつもの昭和テイストのふんわりした朱川氏の作品を期待すると見事に裏切られる。しかし、それぞれの完成度は、高いと感じました。恒川光太郎氏の作品にも通じる日本的なおどろおどろしさが、いいですね。 死体写真師→まだ生きているかのような、死体の写真を撮る葬儀社に若くして死んだ妹の葬儀を頼んだことから暗転するある女性の運命。 レイニーエレーン→渋谷の丸山町の惨殺された有名企業OLの幽霊にとりつかれたどの大学同級生の青年のその後の末路。 あたしの一番ほしいもの→ある街のマンションで、飛び降り自殺をした女子高生幽霊がほしいもの それは自分に向けられる笑顔だった。 私はフランセス→不幸なおいたちのRがたどり着いた幸せは、アクロトモフィリアという性向を持つ男性に身も心も捧げることだったのだが いつか、静かの海に→小学生の時にたまたま知り合った大人にみせられた月星人 蠱惑的なその創造物は、日々献身的な犠牲を要求する悪魔の産物。月星人が飲む栄養分は月光レンズで、集めた月の水を2時間おきに与えなければならない。さらに、その月光レンズはおぞましいもので自作しなければならなかったのだ。
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私はフランセス。腕をなくしたりした人に惹かれるという性癖を考えた事がなかったので衝撃を受けたわ。腕にこだわるから物騒に思えるのであって、貧乳や巨乳好きと同じだと思えば、ただの好みなのかもしれんね。
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ホラー、ではないよなあ。 ものすごくお気に入りの作品です。後味悪いの嫌いじゃないならもう全力で薦めたい!! **ネタバレ** ・死体写真師 「死んで人形になった妹を繰り返し犯す婚約者を見せられながら自由を奪われて妹にしてしまったことと自らの今後に絶望する主人公」って何それもう最高。好きだった彼、信じていた彼に裏切られていてその衝撃を想うと何度もはあはあはあはあ。素晴らしいです。でもしょうないんだよ。生きてる女には興奮できないんだもん。婚約者の性癖と見事な騙しっぷりが恐ろしくて素敵です。 ・ レイニー・エレーン 印象が薄い… ・アタシの、いちばん、ほしいもの 虫男はきもちわるいけどおもしろかった。樹里の正体が幽霊だなんてなあ。 ・私はフランセス これも赤々煉恋のタイトルに恥じない燃えるような恋。風俗行ったら人生変わったってのが最近出ましたが、なんかもっとこう…儚くて熱くておぞましい。アクロトモフィリアという性癖を初めて知りました。好きな人の唯一無二の存在になれたのだから、とても幸せで素敵な物語です。 ・いつか、静かの海に お姫様と呼ばれている彼女は一体何なのだろう。ファンタジー色がつよいこの作品がラストなのでほっと本を閉じることができます。材料を一つ残していってくれたんだ…というとこが何とも言えずいいですね。
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原作のなかに映画化された原案あり。 主演が最近気になる土屋太鳳ちゃん。 高まるー!! 朱川湊人の世界観が好きなので、 この組み合わせは今まさにタイムリー。 というわけで原作読んでみた。 短編なので、お目当ての「あたしがいちばんほしいもの」から 読もうかとも思ったが、もしかしたら...
原作のなかに映画化された原案あり。 主演が最近気になる土屋太鳳ちゃん。 高まるー!! 朱川湊人の世界観が好きなので、 この組み合わせは今まさにタイムリー。 というわけで原作読んでみた。 短編なので、お目当ての「あたしがいちばんほしいもの」から 読もうかとも思ったが、もしかしたら話がつながっているかもしれないと思い、最初から読み進めたが、最初のストーリーがなんともエグくてげんなり。 今まで読んできた、朱川湊人の醸し出す「ノスタルジックホラー」とは ちょっと違った雰囲気で、これはちょっと苦手な1冊だった。 「あたしが~」自体は確かに映画になって、土屋太鳳ちゃんが演じたら 雰囲気よくて作品もいかされるように思った。
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直木賞作家朱川湊人さんの作品『赤々煉恋』を読了。 朱川さんの他の作品同様さらっと読めるのが彼の作品の魅力だが、この作品も同様に軽めなのだが、物語が神や仏をも恐れぬ人に言えぬフェチなところを持っている人たち、成仏できずにこの世にしがみついている霊だったり不思議な型達の話なので、さく...
直木賞作家朱川湊人さんの作品『赤々煉恋』を読了。 朱川さんの他の作品同様さらっと読めるのが彼の作品の魅力だが、この作品も同様に軽めなのだが、物語が神や仏をも恐れぬ人に言えぬフェチなところを持っている人たち、成仏できずにこの世にしがみついている霊だったり不思議な型達の話なので、さくっと読めるが不思議な読後感が残る作品だった。あーあ人間て懲りないなあというか危ないから好きだよなっていう事でしょうか。お勧めしませんが、本当にお暇な方はどうぞ。
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朱川湊人さん作品への俺の勝手なイメージは・・ プチオカルト!!! 本作は↓ プチでないオカルト( ´Д`)y━・~~ いつもの朱川湊人作品と思ってアプローチすると・・ドエライめに。・゜・(ノД`)・゜・。
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