わたしを離さないで の商品レビュー
怖い怖い。なんだこの味わったことのない焦りと恐怖感は!!という本でした。最後へ行くにつれて虚無感と廃れた状況・場面にただただ日が当たる感じがしてた。
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臓器提供のお話。技術の発展がもたらす、負の側面、奪われる側のものがたり。されど、その提供の物語、流通の過程での搾取は、公害や今の社会や自然と人権の世界でも確実にある話。そうした構図を物語の力で明確にする書なのかも。 その意味で、約束のネバーランドも同じか
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とても残酷で、およそ非人権的な設定の話だけれども、登場人物、特に提供者や介護人の方たちは私たちとそう大きく変わらない生活をしているという奇妙なギャップが、なんともいえず胸を打ちました。この物語の設定は、よくよく考えると家畜の延長のような気がして、なんだかいつか有り得てしまうのでは...
とても残酷で、およそ非人権的な設定の話だけれども、登場人物、特に提供者や介護人の方たちは私たちとそう大きく変わらない生活をしているという奇妙なギャップが、なんともいえず胸を打ちました。この物語の設定は、よくよく考えると家畜の延長のような気がして、なんだかいつか有り得てしまうのではないかと静かに恐怖を感じました。
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Never led me go、わたしを離さないで。 高校生のときに読めてよかった1冊。 後半のタネ明かしで衝撃を受けたけれど、今を生きることの大切さに気づけた作品。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
臓器提供をする為に育てられ、使命を果たすまでの物語。 ゆっくり話が進んで行くので、読むのに日数が掛かってしまったけど、終盤からは怒涛の展開で、一気に読んでしまった。 最後まで救われない感じが、本当に切なかった。
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物語の核心部分のネタバレなしにあらすじを書くには力不足なので自重するが、3人の少年少女たちのいのちの模様の物語、とまでなら言っても許されるだろうか。 ロッキングチェアに乗った老婆がおさなごに読み聞かせているような、静謐で穏やかな語り口で、ある少年少女たちの淡くも煌びやかな人間模...
物語の核心部分のネタバレなしにあらすじを書くには力不足なので自重するが、3人の少年少女たちのいのちの模様の物語、とまでなら言っても許されるだろうか。 ロッキングチェアに乗った老婆がおさなごに読み聞かせているような、静謐で穏やかな語り口で、ある少年少女たちの淡くも煌びやかな人間模様が丁寧に描かれる。 これは何の話なのだろうと思いつつも、読み心地のよい文章に包まれるままに進めていると、彼ら彼女らのまぶしい青春の風景の中に、ふ、と影がさす瞬間がある。 この影のような違和感が、読めば読むほど輪郭をともなって大きくなってゆき、あるとき登場人物たちも読者も影にどうしようもなく覆われていることに気づいた時、わたしたちは愕然とし、動揺し、あるいは振り払えないその影に憤る。しかしそのときにはもう何もかも手遅れで、決して取り戻せない不可逆な過去そして未来への諦念が、静かに、残酷なほど静かに、胸を締めつける。 そうは言いながらも読後感は決して不快なものではなく、むしろ生の肯定にあたたかな気持ちになるのが、カズオ・イシグロの筆力のすさまじいところであり、この小説が稀有な傑作として世界中で翻訳され読まれている所以だろう。 余談ですが、各章が20ページ程度にまとまっていてやんわり読み進めやすいので、毎日寝る前に1章ずつ読み進めるととてもよく眠れると思います。 ----- 「いや、嬉しい。君のために嬉しいよ。ただ、おれが見つけたかった」そして、ちょっと笑って、こうつづけました。「昔さ、君がそれをなくした頃な、いろんなことをよく想像した。おれが飛び出して、君のところへ持っていくんだ。そのとき君が何て言うだろうとか、どんな顔をするだろうとか、いろいろとな」 トミーの声はいつもより柔らかで、目はわたしの手の中のプラスチックケースを見つめていました。店の中の客はわたしたち二人だけです。突然、そのことを強く意識しました。正面カウンターには店番の老人が一人いますが、いませっせと書類をめくっています。わたしたちは店の奥にいて、そこはほかより床が一段高く、ほかより暗く、店の中の切り離された空間になっています。老人が不要物だけをここに集め、心のカーテンでこの空間を覆い隠している……そんな感じがしました。 p.267 「君がLPを見てる間に、おれがテープの箱にたどり着いてればな。おれが見つけてやれたのに。トミー君はいつもついてない」 「わたしの感謝は同じよ。あなたが探そうって言ってくれたから見つかったんだもの」 p.278 あの思いが、いくら抑えようとしても湧いてきたのはそのせいでしょう。何をやろうと、もう手遅れではないのか。それが可能な瞬間もあったのに、わたしたちはそれを捕まえそこねたのではないのか。わたしたちがいま考え、計画していることは、どこか滑稽で、あえて言えば不謹慎ではないのか……。 p.369 君やおれは知りたがり屋だ。最初からーほんのがきの頃からそうだった。何かを見つけ、知ろうとした。おれたちの内緒話なんて、その典型だな。覚えてるだろ、キャス?けど、ルースは違うぞ。あいつは信じたがり屋だ。知るより、信じるのがルースだ。だから、そうさな、ああいう形で終わってよかったんじゃないか」そして、こう付け加えました。「それに、エミリ先生のこととか、おれたちはいろいろ知ったわけだが、だからって、ルースがしてくれようとしたことが変わるわけじゃない。おれたちに最善を望んでくれたんだ。最高の贈り物をくれようとした」 p.434
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マダムのお話からトミーが車から降りて叫ぶところは、胸にくるものがあった。語り口調が淡々としているけれど、口調とは裏腹に救いようのない絶望的かつ残酷なお話でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ネタバレあり 臓器提供のために生まれた人間の話。こういう話ってなんとなく人間味のない物語になりそうだけど、むしろ人間味に溢れた作品だった。 繊細な心理描写や複雑な人間関係など限りなくリアルに近い気がする。こんな環境に置かれたことはないけどこの世界のどこかで本当にあった話なのかと疑うほど。 そもそも臓器提供の部分は本質ではないだろうから作者がネタバレをしてもいいと言ったのは納得。
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アニメ約束のネバーランドを観た後に読んだら、ものすごく内容が似ている気がした。ネットでも色んな人が同じようなことを言っていたので、ある程度そうなんだと思う。どっちが先かとか、どっちが影響を受けたか、とかは置いておいて、客観的に読めなくてただただ残念だし悔しい。浅はかながらノーベル...
アニメ約束のネバーランドを観た後に読んだら、ものすごく内容が似ている気がした。ネットでも色んな人が同じようなことを言っていたので、ある程度そうなんだと思う。どっちが先かとか、どっちが影響を受けたか、とかは置いておいて、客観的に読めなくてただただ残念だし悔しい。浅はかながらノーベル文学賞なのできっと面白い本だったんだろうと思う。
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すごく面白かった…! 読み終わった後に残る静かな静寂、余韻が心地よい。 展開はもちろんあるんだけど、どこか穏やかで。 サクサク読みすすめるよりか、じっくり読みたい作品だったなぁ 2005年✏️
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